今回は福岡県直方市での、市民や企業の利便性向上を目指し、行政サービスのデジタル変革(行政DX)についてご紹介します。
直江市では、公共工事現場におけるDX推進策の一環として、株式会社クアンドが開発した現場特化型コミュニケーションツール「SynQ Remote」を令和6年7月から試行導入します。
試行導入の背景
現在、公共工事における現場監理は、技術職員と受注者が現場で対面で打合せや工程会議、現場確認、中間検査などを行っていますが、これには多くの時間がかかっています。
さらに、効率的な打合せや現場確認が求められていますが、公共工事に従事する技術者の不足が社会問題となっています。
導入の目的
直方市では、市営住宅修繕工事や道路修繕工事など一部の発注工事にシステムを導入し、業務の効率化と円滑な施工を図ります。
また、公共工事におけるオンライン監督やオンライン検査(遠隔臨場)の普及促進など、DX化の推進にも寄与すると考えています。
ツールの特徴
① 遠隔検査や遠隔サポートに対応した現場特化型のビデオ通話が可能
② 最大10名が同時に接続できる通話サービスを提供
③ 参加者全員で図面などを共有しながら現場確認が可能
④ 撮影した写真に図形やフリーハンドで描画、テキストの記載が可能
これにより、現場監理、修繕工事、緊急対応時などに直方市の管理PCと現地職員のスマートフォンやタブレットで情報共有が可能となります。
また、市庁舎にいる職員が抽象的な言葉や専門用語を使わずに、直接的な意思疎通ができるため、説明にかかる無駄を省き、業務の効率化を図ることができます。
導入の効果
① 迅速な初期対応
修繕箇所の調査や工事監理の現場で、担当職員が遠隔支援ツールを使用することで、上司に現場の状況をリアルタイムで報告し、指示を受けることで迅速な初期対応が可能となります。
② 業務の効率化
従来は現地で写真を撮影し、帰庁後に上司に報告し、再び現場に出向いて対応していましたが、遠隔支援ツールを使用することで移動時間や公用車の燃料費を削減できます。さらに、移動時間の削減により、本来の業務に専念でき、時間外勤務の抑制にも繋がります。
③ 災害発生時への応用
災害発生時においても、現地と市庁舎間でリアルタイムのやり取りが可能となります。
まとめ
以上、直方市で開始した公共工事現場におけるDX推進策の試行導入についてでした。
今回の試行導入の目的は、本市の公共工事において、どの業務に適しているかを検証し、総合的に判断するためのものです。
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