国家公務員<専門職>「入国警備官」の仕事内容について

法務省の入国管理局に所属する国家公務員に「入国警備官」という職種があります。

「入国警備官」の仕事な日本に在留する法律に違反した外国人を取り締まり、日本の安全を守ること公安職の国家公務員です。 「入国警備官」が具体的にどのような業務を行なっているのか解説します。


「入国警備官」の仕事内容

「入国警備官」は法務省の入国管理局に所属する国家公務員です。

「入国警備官」の仕事は、通称「入管法」と呼ばれる「出入国管理及び難民認定法」に基づいて、これから日本国内に入国しようとする外国人に違法者がいないか、また日本国内に在留中の外国人に違法者がいないかを取り締まり、日本国内の治安を守る仕事です。

近年の国際交流の活性化の影響で、日本を訪れる外国人も増加し、日本国内は世界各国からの観光客で賑わっています。実際に観光を楽しんでいる外国人だけならよいのですが、残念ながら中には観光を装い犯罪に走ったり、不法就労を行う目的で入国する外国人もいるようです。

そのような法律に違反する外国人に厳正に対処する「入国警備官」の存在は、ますます重要性が高まっていると言えるでしょう。

「入国警備官」は全国にある「地方入国管理局」や、空港などにある「入国管理支局」や「出張所」、違法者を収容する「入国者収容所入国管理センター」で勤務し、それぞれ違法外国人の「違反調査」「摘発」「収容」「送還」などの業務にあたっています。

「入国警備官」の仕事1:「違反調査」

まず「入国警備官」が外国人の取り締まりを行う際に初めにに行うのが「違反調査」です。

「入国警備官」は、それぞれ所属する地方入国管理局などの管轄内に滞在する外国人について、自ら得た情報や、一般の市民から寄せられた情報をもとに、入管法に違反している疑いがある者のより詳しい情報収集や、調査を行います。

直接外国人本人、その関係者に出頭を求めて、取り調べを行うこともあるようです。

「入国警備官」の仕事2:「摘発」

「入国警備官」が「違反調査」によって違反の疑いがある外国人について調査を進め「捜索」が必要だと判断した場合には、裁判所の許可を得た上で強制的に「捜索」を行うことができます。この捜索によって確かな証拠が見つかると、「摘発」という流れとなります。

「摘発」では「入国審査官」という職種の上級職にあたる「主任審査官」が発付できる「収容令書」によって、「入国警備官」は違反の疑いのある外国人の身柄を拘束することができます。

この摘発業務は深夜や早朝など、対象者に逃走されにくい時間帯であったり、対象者が働く工場など、危険な場所に赴くこともあるようです。「入国警備官」が的確に違反外国人を摘発するためには警察官などと同じように、機敏な動きや、瞬時の判断力が必要だと言われています。


「入国警備官」の仕事3:「収容」

「入国警備官」の摘発によって身柄を拘束されたり、自分から出頭した外国人で身柄を収容する必要があると認められた外国人は「地方入国管理局」にある収容施設に一時的に「収容」します。

収容施設の警備や、収容の手続きも「入国警備官」の重要な業務のひとつです。「入国警備官」は収容中の外国人の管理も行い、収容者の違反審査を実施して国外へ強制退去させるべきかを決定します。

「入国警備官」の仕事4:「送還」

「入国警備官」によって「収容」され、違反審査の結果「退去強制令書」が発付された外国人は、速やかに国籍のある国へ送り返さなくてはなりません。この送り返す業務を「送還」と言いますが、この「送還」の手続きや、護送等も「入国警備官」の業務です。

強制退去となった外国人が確実に日本から出国するよう、「退去強制令書」を執行し、見張り、見届ける使命があります。

直ちに強制退去できないととされた外国人については「入国管理センター」に収容されますが、その収容者の管理などについても「入国警備官」が行います。

まとめ

このページでは、法務省入国管理局に所属する国家公務員の「入国警備官」の仕事内容についてまとめました。「入国警備官」の勤務先は、全国の地方入国管理局や入国管理センターなど、多岐にわたりますが、その中での業務は大きく「違反調査」「摘発」「収容」「送還」に分けることができます。

「入国警備官」は既に入国した外国人違法者について、「違反調査」「摘発」「収容」「送還」という流れで取り締まります。それに対し、「入国審査官」は空港や海港の支所に勤務し、入管法違反する外国人の入国を未然に防ぐ役割を果たします。

このような法務省に所属する国家公務員の専門職の連携によって、日本国内の入管法等に違反する外国人は厳正に取り締まられ、日本の安全は守られています。

本記事は、2018年12月11日時点調査または公開された情報です。
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