はじめに
「消防庁」は、東京都千代田区霞が関にあり、1960年に設置された総務省の外局です。定員は、162人です。この定員のうち、本庁職員は125人、消防大学校職員は37人です。
なお、前身の組織は「国家消防本部」でした。
今回は、「消防庁」の公務員を目指す方に押さえておいてほしい基本的な情報と役割について解説します。
「消防庁」について
「消防庁」は、東京都千代田区霞ヶ関に置かれた総務省の外局で、長は、消防庁長官です。
なお、「消防庁」は、「東京消防庁」とは全く別の東京都の組織であり、これと区別するために「総務省消防庁」と呼ばれることも少なくありません。
このような「消防庁」は、国民の一人ひとりが消防防災を強く意識し、災害に揺らぐことのない社会を構築する役割を担い、常に人命優先の立場から、火災・地震・風水害など各種災害による死傷者の発生を最小限にとどめるために尽力しています。
「消防庁」の役割について
「消防庁」の役割は、国民の生命や身体および財産を火災から保護し、水火災または地震等の災害を防除することです。
また、「消防庁」には、先の災害による被害を軽減し、災害等の傷病者を適切に搬送する役割も担っています。
「消防庁」では、平常時と緊急時で2つ顔を持っています。
まず、「平常時」では、「消防庁」は、消防行政の礎として安全・安心な地域づくりの推進や、全国の消防本部・地方公共団体と連携して必要な法律の整備や車両・資機材の配備などの業務が行われています。
次に、「緊急時」では、「消防庁」は、災害対応の司令塔として、地域の消防力では対処できない大規模地震や台風・テロなどの緊急事態が起こった際に、被害の全貌を迅速に把握します。
さらに、このような緊急事態に全国的な見地から緊急消防援助隊の派遣などを行って被害を抑制するなどの業務が行われています。
なお、「消防庁」の扱う災害の種類は、大きく「大規模災害・事故」「重大事件」「武力攻撃事態」の3つに分けられます。
一つ目の「大規模災害・事故」は、地震災害・津波災害・風水害・火山災害・火災・危険物事故・原子力災害・航空事故・海上事故・鉄道事故・道路事故などがあります。
二つ目の「重大事件」は、ハイジャック・大量殺傷型テロ・重要施設テロなどが該当します。
そして、三つ目の「武力攻撃事態」は、着上陸侵攻・ミサイル攻撃・ゲリラ・特殊部隊による攻撃・航空攻撃などが当てはまります。
「消防庁」の組織構成について
「消防庁」の組織構成は、「幹部」である「消防庁長官」「消防庁次長」と、「内部部局」である「審議官」「総務課」「消防・救急課」「国民保護・防災部」によって成り立っています。なお、「消防庁」には「官房」は置かれていません。
先の「幹部」「内部部局」のほかに、施設等機関として「消防大学校」「消防研究センター」があります。
「消防庁」の年間予算は約142億9千万円
「消防庁」の平成30年度の予算は、約142億9千万円でした。
その主な内訳項目は、大きく、国費総額としての「一般会計」と「東日本大震災復興特別会計」に分かれます。一般会計は約125億6千万円、東日本大震災復興特別会計は約17億3千万円です。
これらのうち、一般会計については、緊急消防援助隊の充実強化が58億7千万円、常備消防力等の強化が約17億3千万円、防災情報の伝達体制の整備が約14億4千万円で、消防団および自主防災組織等の充実強化が約6億8千万円で、これらの費用が一般会計のおよそ3分の2を占めています。
内訳についてはこちらの予算概算要求の概要をご参考ください。
http://www.fdma.go.jp/other/seisaku_yosan/pdf/h30_yosanan_gaiyo.pdf
まとめ
いかがでしたか?
「消防庁」は、「平常時」以外にも「緊急時」の役割を持ち、火災・水火災・地震等による災害の防除や被害の軽減によって、災害等での傷病者の搬送を適切に行うなどの重要な役割を担う省庁です。
ちなみに、「消防庁」の英語名称は「Fire and Disaster Management Agency」で、略称は「FDMA」です。
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