【大学生の就活(2)】大学の活用や「面接試験」「SPI試験」について

「大学生の就職活動」シリーズ第2回は、通っている大学側が支援してくれている「就職対策」や大学の活用方法などをまとめました。 公務員と民間を併願だけでなく面接対策など公務員志望にも活用できることなどあるかと思います。

近年は地域によって就職事情(有効求人倍率)が異なってきています。ここへきての大都市圏への人口集中化が顕著になり、ますます3大都市圏(関東、東海、関西)への人口流入が顕著になっているのです。当然のことながら就職もその辺が大きく作用していると考えられ、就職と生活圏の選択には正確な調査データはないものの、大きな相関があるように思われます。加えて大企業の「長期厳選採用」、ライフスタイルにおける就業スタイルの多様化に伴い、大学生の就職状況は厳しくなる一方となっています。

そのような社会環境において、大学の就職対策には独自性が求められており、学生の希望進路に応じた就職率の向上は、そのまま大学の学生募集の成功に結びついているといっても過言ではありません。

そこで今回は、学生の就職活動を積極的に展開し、様々な就職活動上における基本知識や注意事項、就職試験や就活慣行や対策、面接試験対策、自己PR、業種研究、立ち居振る舞い、グループディスカッションの対策など、就職活動に臨むための基本的な対策が盛りだくさんとなっている大学サイドの就職対策に注目していきます。

学生個々人の適正や進路希望の把握

大学のキャリア支援センター

大学のキャリア支援センターでは、就職や進学についての希望確認や適正判断のために個別面談を
はじめ、就活に関する情報提供、企業情報、業界別採用関連情報など、進路のガイダンスや「就職対策講座」の開催などを通して学生の進路指導業務が行われています。通常は誰でも出入りが自由であり、企業検索用のPCやキャリアアドバイザーなどがいつでも相談に応じてくれます。

大学

大学では、このキャリア支援センターが就活に対する全てのサポートや対策講座の実施などを行なっています。通常の授業は教務関連事項として教務課の管轄になっていますが、この就職対策講座だけはキャリア支援センター主導でカリキュラムが組まれています。学内での就職相談会や地元企業を誘致した企業セミナーの開催などもキャリア支援センターの主催となっています。

就職試験のスタンダード「面接試験」

企業は採用する人物を適正に判断するための方法として面接試験を古くから採用しています。この試験形態だけは古くから変わることなく行われており、直接応募学生の印象を判断するための手段とされています。その面接には大きく分けて2つのタイプがあります。

個人面接

その一つは、個人面接ですが、これは学生が1人に対して面接官と面談する方式です。

これはグループ面接と異なり、個人的な内容に及んで深くその個人を知ることができ、企業が欲する人材の判断や企業が求める能力レベルをつかむことが可能です。加えて個人のパーソナリティや熱意、価値観、希望職種などが判断されます。

特に「コンピテンシー面接」では、企業が求める各種能力を知るため、きっかけづくりの質問から順に関連する質問を重ね、個人の資質が深掘りされ、入社後の可能性までも想定されます。個人面接におけるポイントは、まず面接官の印象、そして問いかけられる質問に対し、その趣旨を理解した適正な回答であり、基本的なやりとりが成立しなければなりません。

したがって柔らかい表情や、深い見識、聡明さなどが評価の一番手となっています。つまりその逆では面接官の印象を著しく損なうことにつながってしまいます。

グループ面接

そしてもう一つはグループ面接です。企業によってその実施方法は異なりますが、一般的には学生が任意に3名から5名程度に分けられ、面接官の質問に対し、指定される順番か挙手によって回答することになります。一次面接などに多く、まだセグメントされていない状態で多くの就職希望者が存在している場合に用いられます。この面接が難しいのは、競争状態にある学生が同席しているため、回答が重複したり、他の学生の回答に影響されたりする可能性があるため、存在感を示し、自分の価値を表現していく必要があります。

面接試験のポイント

面接試験のポイントは、なんといっても「第一印象」であるため、入室所作から始まって最初の挨拶、質問を聞く際の態度、けれんみのない受け答えなどがチェックされ評価されます。ハキハキとした受け答えや表情、細かな気遣いなども評価の対象になります。

面接の目的は企業が求める力(業務適応力、技術力、作業遂行能力、専門能力など)の他に人間性や魅力などを判断することです。さらに面接官の意図を察しつつ、分かりやすく簡潔に答えていく必要があります。また企業のHPを熟読し、業種、業務内容や事業分野、事業範囲などの情報を正確に把握し志望動機との整合性をとっておく必要があります。自分を客観的に理解し、企業が求める人材に対応していくよう応答を整理していくことや、学生生活、専門的な勉強内容を含めた自身のエピソードを頭の中で整理しておかなければなりません。ペーパー試験やSPI総合検査なども重要な評価の対象となりますが、面接試験の内容は就職成就のうちの60%を決定づけるのではないかともいわれます。

そこで大学では、これらの重要な面接試験の対策を講じるため、多くの時間が割かれて模擬面接や模範回答集の作成、個人面接と集団面接それぞれについてのロールプレイが繰り返されます。

大学の面接対策では、おきまりの定型問答や自己PRなどの答え方が教え込まれますが、時にその内容にぎこちなさが生じ、作られたパーソナリティが破壊されて、全く想定したように機能しないこともあります。企業は学校でつくられたパーソナリティなどには興味はないため、様々な形で崩しにかかります。企業担当者には数多くの採用経験がありますので、専門家の質問技術によって、いとも簡単にメッキは剥がされてしまいます。ですから、真剣にその企業情報などを理解し、鏡の前で想定される質問に対する正しい回答や言い回しを何度も繰り返し練習していくことが大切です。

グループディスカッション

就職活動の選考過程の初期において用いられることが多く、特徴ある学生やバランス感覚が良く、リーダーシップ、協調性などをみるために実施される機会が多くなってきているのがグループディスカッションという評価方法です。これは、個人面接とは異なり、アピール時間も短く、他の学生による主張や回答に影響を受ける可能性が高いことや、コミュニケーション能力の有無などの難しい状況が生まれます。

通常、グループディスカッションにおいて与えられる時間は30分程度が多く、十分な時間が用意されるわけではありません。また、長くなっても1時間を超えることはありませんので、非常に限られた時間の中でグループの答えを導き出さなくてはなりません。

しかし、この評価方法はまちまちで、企業によって実施方法や基準が異なります。チーム自体の評価を基本として、2次へ進むのをチーム単位とする場合と、あくまでも評価は個人とし、チームの中から2次へ進む学生を選抜していく場合があります。方法に大きな差は見られないものの、評価方法のみ異なる場合もあります。

このグループディスカッションは何を目的とし、どのような点を評価しているのかを理解しておく必要があります。こういった基本的な知識を理解することなく参加すると、グループディスカッションの成功は難しいといえます。グループディスカッションは、コミュニケーション能力や論理的思考力、バランス感覚と調整力、チーム貢献力などが評価されるものです。また、これらの指標を評価するポイントとしては、議論の進行、参加態度や姿勢、話し方や役割の理解と対応などです。そこで参加者の中には、誤った理解によって「議論クラッシャー」となる学生が出てきます。「とにかく目立たなくてはならない」もしくは「他の人を蹴落とさなくてはならない」などという誤解があるためか、能力不足や意識の過剰によって議論を破壊させてしまうのです。「如何にして採用担当者の目に止まるか」、もしくは「目立つための回答やリーダーシップ」を目指すあまり議論を空転させてしまうことになるのです。グループディスカッションでは、「特定の役職が有利となる」であるとか、事前の準備で経験してきたという理由で希望する役職に強いこだわりを持つことに固執する学生が出てくることがありますが、民主的に参加者で決定していくことが前提となっているため、役職を決定する段階から有機的な連携を作り出せない状況に陥ると限られた時間内に議論を収めることができなくなる可能性が生じ、チーム全体をミスリードしていくことにつながる可能性があります。このような誤解が議論を不毛にするのは、参加者それぞれが自分の「必勝パターン」を実現するために役職を奪い合うことに起因するからです。

グループディスカッションのメンバー構成は、自身で選ぶことはできません。様々な人とディスカッションをすることになりますが、誰がメンバーであっても建設的な展開になるようメンバー全体で選考を乗り切れるよう、応用性や柔軟性を持っておくことが大切です。

学校によっては、このグループディスカッションについての対策を講じる際に、誤った理解で学生を指導することがあります。うまくグループディスカッションで発言したり、各役職をこなすことを教えたりするのは一見問題ないように思えますが、肝心な評価基準を理解させずに、グループディスカッションに参加しても良い結果を生み出すことはできません。
グループディスカッションでは限られた時間で、グループのメンバーと共に与えられたテーマに対する「答え」を導き出さなくてはなりません。

様々な対策が大学にて講じられていますが、少々視点がずれている場合もあるため、注意が必要です。また、個人の対応に対する評価とグループディスカッションにおいて評価されるポイントは、少々異なります。以下にポイントを整理してみます。

これらにみられるように、グループディスカッションの場においては、議論に貢献することこが最も重要な価値となっており、個人の能力や主張の強さ、論理的な思考能力を測ることは優先しません。つまり議論の崩壊や停滞はマイナス評価となるため、議論に貢献する発言には常に気をつける必要があり、共同して生み出す価値の優劣こそがグループディスカッションにおける評価の一番手となります。

ありがちな誤解を整理してみるとこのようなタイプが挙げられます。

1)とにかく一番に発言し、チームの意見も聞かずに自分の意見を並べ立てる人
2)たくさん話をする人を、毎回黙らせる人、数多く話す人に道筋を与えられない人
3)相手を徹底的に論破することで自分の論理性などを強調できると考えている人
4)発言の内容と発言のタイミングが掴めず、一方的な発言を繰り返す人
5)議論に参加する姿勢を持たず、否定的な立場や姿勢しかとれない人

このようにグループディスカッションでは、相手を徹底的に論破することで自分の論理性などを強調しようとする人が紛れ込むことがあります。グループディスカッションの対策資料は数多く出ていますし、大学での対策も講じられていますので、事前に対応している人はそのようなケースに陥ることも少なくなっていますが、比較的上位校に多くみられるのが、格下の大学の学生に対する違いを見せつけようとするために、自説に固執して議論の展開を妨げ、水掛け論や上げ足を取るなどして建設的な議論の展開を崩す原因になります。

このような場合には「コミュニケーション能力」や「協調性」「バランス」といった評価は低くなり、むやみな反論や反撃では、強みであるはずの「論理的思考と展開」の部分にまで低評価になってしまいます。この場合は相手を論破することだけではなく「議論の生産性を重視する」または「相手の意見を進化させる」視点も大切といえます。

また、肩に力が入って「自分が議論をリードする」という強い意志がある場合には、司会がまとめようとしているにも関わらず、そのリードを奪おうとするなどの空回りが始まると、議論を空転させてしまいます。たしかに主導権を握ることで存在感をアピールすることはできるかもしれませんが、リードする能力がないのにリードしようとすると、議論そのものを阻害してしまうため、本人の評価を下げてしまうことにつながりかねません。このように過度な主導権への固執は決して高評価にはつながりません。主導権の奪い合いで無駄な時間が過ぎてしまわないよう十分に注意することが必要です。

SPI総合検査

大学での就活は、ほぼ4年生からとなります。就職活動は一般的に4年次に上がった瞬間にゴングが鳴りますが、学生は数多くの企業を受験するため、早くは4年時の春(4月)から就職活動が動き出します。それまでの大学生活の過ごし方で大きく変化していきますが、多くの場合、単なる面接対策やSPI検査対策やエントリーシートや履歴書の記入方法、面接のロールプレイのような小手先の対策は通用しませんが、やらないよりはやったほうが良いという判断が支配的です。

その中でも、SPI総合検査は、リクルート系の企業の適性検査で、性格と能力の領域を測定するものです。SPIはSynthetic Personality Inventory(総合適性検査)の略であり、今日の日本企業の入社試験においては、すでに 9,000社以上の企業で利用されています。

この検査は学力や知識だけを問うものではなく、様々な視点から総合的に判断するテストであり、単なる学力偏重主義ではなく人物中心主義のニーズにも対応した内容となっています。現在はバージョン3となっており、対策用の参考書なども充実しています。

今後も就職対策のあり方は変化していくと考えられますが、将来に大きな影響を与える可能性のある初回の就職でもあるため、積極的に就職活動支援プログラムへ参加し、できる限り安心して就職試験に臨めるようにしたいものです。

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第一回 公務員川柳 2019

公務員総研が主催の、日本で働く「公務員」をテーマにした「川柳」を募集し、世に発信する企画です。

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