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老後の蓄えは大丈夫?公務員の老後の生活について - 退職金や年金など

老後の生活を豊かに過ごす上で、老後資金について考えるていくことは重要です。それは、民間の企業に勤める人も、公務員も、変わりありません。

本記事では、そんな「公務員の老後資金」についてまとめました。

2019年09月02日更新

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目次
はじめに
公務員はどの位年金を貰えるのか?
年金制度は三階建て?
昔は公務員のための「共済年金」があった
公務だけが適用される「年金払い退職給付」
受け取れる年金額の調べ方
公務員は退職金をどの位もらえるのか?
公務員の老後生活
老後の生活設計にまつわるリスク
まとめ

はじめに

金融庁のワーキンググループが提出した報告書内で、老後の資金として平均2,000万円を用意しなければならないという旨の記載があり、一時期話題になりました。

60歳で定年退職するならば、平均で20年から30年分の生活費について年金で補えない部分を確保しておく必要があります。そして、平均寿命が増加していることを考慮するならば、さらに老後に必要な資金も増えるかもしれません。

公務員がもらえる年金や再雇用制度など、公務員の老後の生活について説明します。

(本稿は事実をもとに筆者の考えをまとめたものであり、本メディアの意見と必ずしも一致するものではありません。)

公務員はどの位年金を貰えるのか?

まずは公務員の老後の生活を考えるにあたって、老後資金のベースになる年金について説明します。

公務員は長らく共済年金という制度がありましたが、2015年に厚生年金と一本化されて、民間との違いは少なくなりました。ただし、まだ民間よりも良い条件の制度がいくつか残されています。

年金に関する基礎知識と共に公務員の年金について説明します。

年金制度は三階建て?

まずは年金制度の概要について説明します。年金制度はよく3階建てになっていると言われています。

最低限の年金を給付する国民年金

年金の基礎の1階にあたる部分が国民年金です。

国民年金は、自営業者やサラリーマン、専業主婦や公務員など、職業を問わず全ての人が加入する年金です。最低限の年金なので保険料は低めですが、その分だけ老後に受け取れる年金の支給額も少なく設定されています。大抵のケースでは、国民年金だけで老後の生活はできないので、働き続けるか、個人で資産運用などをして生活費を工面しなければなりません。

サラリーマンや公務員など多くの人が加入する厚生年金

国民年金は必要最低限の年金なので、大抵の人は年金制度の2階部分まで利用しています。それが厚生年金と呼ばれる制度です。会社に勤めている人や公務員は強制的に厚生年金に加入させられます。

会社や地方自治体から支払われる給料からは、社会保険料や所得税などが天引きされています。厚生年金保険料も社会保険料の一種として給料から天引きされています。年金保険料は収入によっても異なり、だいたい収入の10%弱が保険料として差し引かれます。支給額は最新の統計で毎月15万円弱となっています。

ちなみに、厚生年金に加入できるのは会社員や役員、公務員などで自営業者や専業主婦(夫)などは加入できません。

公的年金以外の年金制度

1階目の年金、2階目の年金を合わせて公的年金と呼びます。通常の人が加入しているのはここまでですが、老後の年金を充実させるために民間の年金制度を利用している場合もあります。この民間の年金が3階目にあたります。

代表的な制度として、たとえば企業がそれぞれの制度を作り退職者に給付している企業年金や個人が老後の資金確保のために加入する個人年金などがあります。

昔は公務員のための「共済年金」があった

公務員の場合は、厚生年金に加入します。よって、サラリーマンと同じような年金額になると考えて良いでしょう。

ちなみに、現在は公務員の年金制度はサラリーマンなどが加入する厚生年金と一本化されていますが、昔は「共済年金」という公務員専用の年金制度がありました。共済年金は厚生年金と比較して保険料が割安で、厚生年金にはない「職域加算」という制度があり、厚生年金から支給される年金よりも1~2割程度多めの年金を受け取ることができました。

ただし、共済年金と厚生年金の待遇の差には批判が多く、2015年に共済年金が厚生年金に一元化されてしまいました。

公務だけが適用される「年金払い退職給付」

公務員の年金制度は基本的に民間と同一になりましたが、代わりに「年金払い退職給付」が新設されました。年金払い退職給付は年金制度の3階目にあたる制度で企業年金のような性質を持っています。

職員加算では保険料支払うことなく年金を上乗せして受け取ることができましたが、年金払い退職給付では厚生年金に加えて少し多めに社会保険料を支払うことによって、少し年金の受給額が増加する制度です。

一昔前と比較すると、年金の条件が悪くなったとしても、まだ民間企業と比較すると待遇は良いでしょう。

受け取れる年金額の調べ方

公務員の場合、15万円~20万円程度が毎月受け取れる年金の目安となります。ただし、加入期間や現役時の収入によっても異なるので、一概には金額を言えません。

詳しく自分の受け取れる年金額を知りたい場合はねんきん定期便をチェックしてください。ねんきん定期便とは毎年誕生月に自身の年金記録を記載したはがきを送ってくれる制度で、何も手続きしていなくても受け取ることができます。

ねんきん定期便には、自身がこれまで支払った年金保険料の金額や、受け取れる年金の目安金額が記載されています。ねんきん定期便をチェックすることにより老後の生活シミュレーションをしやすくなります。

公務員は退職金をどの位もらえるのか?

年金と並んで老後の生活資金のベースとなるのが、退職金です。一般的には公務員として定年になるまで勤め上げれば、高額な退職金を得られるイメージがありますが、いったいどの程度の退職金を受け取れるのでしょうか。

公務員の定年は?

国家公務員法には国家公務員の定年は60歳だと定められています。多くの地方自治体でもこの基準に則って定年の時期を定めているので、国家、地方に関わらず60歳が公務員の定年退職の年齢の目安となります。

ただし、年金の支給開始年齢は65歳なので、60歳でリタイアしてしまえば、5年間まったく収入なしで生活しなければならないので、より多くの老後資金が必要となります。そのため、多くの公務員は定年退職後に民間企業に再就職したり、再任用職員として一度退職してから再び公務員として働いたりしています。

特に人気があるのが公務員への再任用で、国家公務員の場合、平成29年度には12,600人が再任用されており、平成28年度の定年退職者のうち6割は再任用を希望していたと言われています。

国家公務員の再任用制度(人事院)
https://www.jinji.go.jp/shougai-so-go-joho/work/index.html

再任用職員は民間よりも待遇が良い?

民間でも同様の制度があります。会社としては60歳で定年だけれども、嘱託職員として65歳まで働き続ける制度です。

民間の定年退職後の嘱託職員制度よりも公務員の再任用制度の方が待遇は良いと言われています。民間企業の事例を参考にして給与水準は現役時代の7割程度を基準にしていると言われていますが、7割という数字は大企業を基準にしているので民間企業全体の平均よりも給料の低下率は少なくなっています。さらに各種手当などの待遇は引き続き受けられ、仕事の重圧も減るので働きやすくなります。

公務員の再雇用、待遇厚く民間とは別世界(NEWSポスト)
https://www.news-postseven.com/archives/20170912_611740.html

公務員の退職金の金額

再任用されるか否かは別として、60歳で定年退職する際には退職金が受け取れます。退職金の金額について説明します。

【地方公務員の退職金】
WEBメディアのAllAboutによれば地方公務員における60歳での定年退職者の退職金の平均額は約2250万円で、自治体のレベルや職種別の平均退職金は以下のようになっています。

・都道府県(47団体)
全職種 約2219万円(福島県 約2347万円)
一般職員 約2194万円(静岡県 約2360万円)
一般職員のうち一般行政職 約2236万円(長野県 約2416万円)
教育公務員 約2235万円(兵庫県 約2377万円)
警察職 約2218万円(香川県 約2381万円)

・指定都市(20団体)
全職種 約2243万円(千葉市 約2321万円)
一般職員 約2185万円(千葉市 約2292万円)
一般職員のうち一般行政職 約2325万円(静岡市 約2469万円)
教育公務員 約2319万円(相模原市 約2428万円)

・市区町村
全職種(1232団体) 約2083万円(埼玉県小川市 約3847万円)
一般職員(1227団体) 約2083万円(埼玉県小川市 約3847万円)
一般職員のうち一般行政職(1003団体) 約2217万円(千葉県成田市 約3063万円)
教育公務員(38団体) 約2180万円(大阪府吹田市 約2485万円)
(出典:地方公務員の退職金、平均でいくら?https://allabout.co.jp/gm/gc/450933/)

勤める自治体や職種を問わず、定年まで勤め上げれば十分に2,000万円以上の退職金が受け取れる可能性が高いでしょう。

【国家公務員の退職金】
同じくAllAboutより国家公務員の退職金の相場についても紹介します。定年退職金の平均は平成28年度の時点で約2109万円となっており、内訳は以下の通りとなっています。

・常勤職員
定年退職者1万2523人 平均定年退職手当2108.5万円(2167.83万円)

<内訳>
50~54歳 4649人   1898.3万円(1933.4万円)
55~59歳  792人   2483.7万円(2507.9万円)
60歳以上 7082人  2204.5万円(2271.9万円)
(出典:国家公務員の退職金、平均でいくら?https://allabout.co.jp/gm/gc/450623/)

地方公務員よりも退職金の平均額は低めですが、それでも平均で2,000万円以上なので十分な退職金が期待できます。

公務員の老後生活

以上のことを踏まえて公務員の老後生活について検討します。

結論から言えば、民間よりも老後の生活に恵まれている可能性が高い一方で、生活レベルを下げる必要はあると考えられます。

退職金だけで2,000万円は用意できそう

まず、老後の資金の目安となる2,000万円は十分に確保できるでしょう。国家公務員・地方公務員ともに定年退職に伴う退職金だけで2,000万円超えを狙えます。

もちろん、退職金に対して所得税などが課税されますが、退職金の場合控除金額も大きいので、金額の割に税金はかかりません。退職金だけで手取り2,000万円以上を確保することも十分に可能です。

再任用制度を利用して65歳まで働き続けることを目指す

退職金だけで十分な資金を用意できますが、60歳から65歳までの退職していても年金が支給されない期間については要注意です。支給開始年齢を繰り上げることができますが、毎月の支給額が低下します。

公務員の場合は公務員に再任用されても、民間企業のように著しく待遇は悪くならないので、制度を利用して65歳まで勤めた方が良いでしょう。

65歳以降は年金と資産で暮らす

65歳以降は年金の支給が開始し、基本的に働かずに年金暮らしをします。現役時代の収入などによっても異なりますが、年金収入は15万円から20万円程度で足りない部分は資産を切り崩します。

賃貸物件に住んでいると家賃の分だけ生活が厳しいかもしれませんが、持ち家だとぜいたくしなければ年金収入だけで十分に生活可能です。

老後の生活設計にまつわるリスク

以上のように公務員として定年まで働けば、生活にはほとんど困らないと考えられますが、もちろんこれから公務員として採用されて定年を迎えるまでには30年も40年も時間があります。その間に公務員の待遇が変化することも考えられます。

公務員の老後の生活設計にまつわる2つのリスクについて説明します。

民間の待遇に合わせて給与や退職金が減るかもしれない

1つ目のリスクが民間の待遇に合わせて、給与や退職金が減るかもしれないリスクです。公務員の待遇は悪化する傾向にあります。

共済年金が厚生年金に一本化されて年金の支給額が減少したり、民間の退職金の相場に合わせて公務員の退職金相場が減少したりと待遇は昔よりも悪くなっています。

今後も景気状況と民間の給与実態に合わせて公務員の待遇も悪くなる可能性があります。

自治体の財政状況によって給与などの待遇が悪くなるかもしれない

2つ目のリスクが自治体の財政状況によって給与などの待遇が悪くなるかもしれないことです。

民間の場合、会社に業績に関わらず個人として成果を上げていれば高収入を狙えます。一方で、公務員の収入は税金などに依存しており、転職市場も発達していないので、自治体の財政状況によっては、待遇がとても悪くなるし、転職困難だというリスクがあります。

生活レベルを落とせないとお金が足りなくなるかもしれない

公務員に限った話ではありませんが、一度生活レベルを上げてしまうと、落とすのが大変です。

たとえば手取り月収40万円を全て使い切る人が定年退職した瞬間から月収20万円の年金暮らしをするのは急激に生活レベルを下げられないので困難です。毎月収入と支出に20万円のギャップが発生するならば、8~9年で2,000万円はなくなってしまいます。さらに突然の病気などで思いもよらぬ出費が発生する場合もあります。

老後に安定した生活を送るためには、生活レベルについて考えることも必要です。

まとめ

公務員は退職金、年金、再任用制度などで民間企業よりも待遇が良いです。よって、定年退職まで勤め上げれば十分にゆとりのある生活ができます。

ただし、民間の待遇と合わせて退職金などは減少傾向ですし、財政状況の悪い自治体で定年後も現在と同じような待遇をしてくれる保証はありません。

公務員として働きながら、老後のゆとりのある生活のために資産運用などに目を向けてみても良いでしょう。

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