【日本の自然災害】日本の公務員が立ち向かう「自然災害」の種類と概要

日本の「自然災害」に立ち向かう公務員特集、第一回目は「日本の自然災害概論」です。

日本は気象条件や国土の利用方法、国土の位置や地質などの条件が重なり、世界でも「自然災害」が多い国だと言われています。

今回は、全国の公務員が日夜対応に努めている、日本に多い「自然災害」についてまとめます。


世界の中でも「自然災害」の多い国「日本」

まず、世界から見た日本の「自然災害」の発生状況について解説します。

日本は国土がある位置や、国土の地形や地質そのもの、そして気象などの自然的条件によって、世界でも有数の「自然災害」が発生しやすい国と言われています。

日本の国土の面積は全世界の0.28%しかありませんが、世界全体に占める日本の「自然災害」発生割合では、例えばマグニチュード6以上の地震の回数を例にすると、その地震の約20%が日本で発生しています。

そのうえ、世界の活火山のうち、日本にある活火山は7%を占め、「自然災害」で亡くなる人の割合は世界の0.3%が日本人、災害被害金額については世界の約12%が日本の被害額となっています。

いずれも国土の0.28%を超える割合であり、国土面積に対する「自然災害」発生率や被害は大きい国とされています。

▼内閣府「防災情報のページ」
http://www.bousai.go.jp/index.html

▼一般財団法人 国土技術研究センター「国土を知る/意外と知らない日本の国土」
http://www.jice.or.jp/knowledge/japan/commentary09

日本で起こる「自然災害」の種類

日本で起こる主な「自然災害」には、大きく3種類あります。

日本に起こる主な「自然災害」の種類 3つ
1)気象災害 ・・・ 台風、大雨、大雪など、気象条件がもたらす災害

2)河川災害 ・・・ 洪水、土砂災害など、河川がもたらす災害

3)地殻災害 ・・・ 地震、津波、火山災害など、地殻の変動がもたらす災害

まず1つ目が、日本には四季がもたらす恵みもありますが、それと同時に季節の変化がもたらす「台風」などの「気象災害」で、1年中起こる可能性があります。


2つ目が、雨などの気象条件と、急勾配の川が多い地形や、河口付近の平野や川の水位より低い土地に人口する土地利用の特徴も重なって「河川災害」です。

最後の3つ目が、「地殻災害」です。日本は海洋プレートと大陸プレートの境界に位置しているため、全国各地で大きな地震が発生しやすい状況にあり、津波にも見舞われやすくなっています。

それでは、次に「気象災害」「河川災害」「地殻災害」、3種類それぞれの「自然災害」について解説します。

「自然災害」その1:台風・豪雨・豪雪などの「気象災害」

日本に多い「自然災害」の1つが、台風・豪雨・豪雪などの「気象災害」です。

まず、日本の気象について説明します。

日本は世界的に見ても四季がはっきりしている国です。季節の特徴として現れる台風や、梅雨や秋雨時期などに見られる大雨、そして冬の大雪などの気象現象は、時に四季を感じられる風物詩として、日本人の生活の一部になっています。

しかし、時にそれらの気象現象が風物詩という域を超えて激しいものとなると、「気象災害」になり、甚大な被害をもたらします。

気象災害 その1)「大雨」

日本で季節の流れとともに起こりやすい「気象災害」のうち「大雨」についてご説明します。

春から夏への季節の変わり目には、梅雨前線が日本付近に停滞することで、雨雲の活動が活発になり沢山の雨を降らします。この降雨量が短期間の間に多くなると「○年に一度の大雨」などと表現されるような「大雨災害」が発生します。

気象災害 その2)「台風」

また、夏から秋を中心に起こるのが「台風災害」です。

日本の南の熱帯域から北上してくる台風は、年平均すると10.8個の台風が日本に接近、年平均2.6個の台風が日本に上陸します。台風は毎年のように暴風雨をもたらしたり、大雨を降らせたり、日本の国民生活に大きな影響を与えています。

台風や大雨と、高潮が同時に起こる場合には、「浸水災害」が起こることもあります。

*「浸水災害」とは・・・大雨などによる地表面の増水に排水設備が追いつかず、用水路、下水溝などがあふれて氾濫したり、河川の増水や高潮によって排水がふさがれたりして、住宅や田畑などが水につかる災害

気象災害 その3)「雪害」

最後は冬に起こる「大雪」など雪による災害です。

冬には、シベリア大陸から吹き出す乾燥した強い寒気が、日本海上で水蒸気の補給を受け、日本海側の地域を中心に、大量の降雪・積雪があります。


雪の季節にはその景色を楽しんだり、スキーなどのレジャーを楽しんだりと、季節の恵みを受けている私たちなのですが、あまりにも著しい量の雪が降ると、「雪崩」や雪の重みによる家屋の倒壊など、災害も発生します。これが「雪害」です。

日本には日本海側を中心に世界でも有数の豪雪地帯がありますが、その豪雪地帯を中心に、しばしば雪による被害が発生しています。

台風・豪雨など「気象災害」特集ページ(準備中)

「自然災害」その2:洪水・土砂災害などの「河川災害」

日本に多い「自然災害」の2つ目が「洪水」や「土砂災害」などの「河川災害」です。

河川災害 その1)「洪水」

まず、日本の地形と「洪水」の関係について説明します。

日本の地形はとても急な山や谷が多く、そこを流れる川も当然急勾配になっています。そのため、大雨が降ると、急激に川の水量が増し河川の水位が上昇するので、世界でも比較的、「洪水」が起こりやすい河川が多いと言えます。夏になると急な増水で中洲に取り残されてしまうといった事故も毎年のように起こります。

さらに、洪水時に予想される水位よりも低い位置の平野部に人口が集中しているという、高度で都市的な土地利用の状況も、「洪水被害」に多くの人が遭いやすいことにつながっています。

河川災害 その2)「土砂災害」

次に、日本の地形や気候と「土砂災害」の関係について説明します。

日本では、急な山や谷、そして崖が多いことに加えて、地震や火山活動も活発であるという国土の特徴があります。

地震や火山活動によってゆるんだ地盤に、台風や豪雨、豪雪といった降水・降雪の気象条件が加わり、土石流や地すべり、がけ崩れ等の「土砂災害」が発生しやすい条件が揃ってしまっています。

特に、近年は林地や傾斜地の周辺に住宅地が迫るなど、都市化の進展による土地利用が大きく変化しています。

その影響も影響して、残念ながら「土砂災害」による犠牲者は、日本の「自然災害」による犠牲者の中でも、大きな割合を占めているようです。

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「自然災害」その3:地震・津波・火山災害など「地殻災害」

日本に多い「自然災害」の3つ目が地震・津波・火山災害などの「地殻災害」です。

地殻災害 その1)「地震」

まず、日本の地理条件と「地震」の関係について解説します。

地球上で地震の震源や火山の集中しているところのほとんどにはプレートとプレートの境界があると言われていますが、日本はまさに海洋プレートと大陸プレートの境界に位置しています。

そのため、プレートが沈み込むことによって発生する「プレート境界型の巨大地震」や、プレートの運動に起因する「内陸域の地殻内地震」などが発生しやすいという特徴があります。

日本全国でたびたび「地震」が発生しているのは、プレートの境界の真上に、国土が広がっているためだと言えます。

地殻災害 その2)「津波」

次に日本で「津波」が起きやすい原因について解説します。


日本は東西南北の四方を海に囲まれていて、海岸線は長く複雑なため、地震の際に「津波」による大きな被害も発生しやすい状況にあります。

入り組んだ海岸線は、「津波」を増幅させることもあり、海から離れた内陸部で、河川を逆流してきた「津波」が「浸水災害」を起こす等の被害が発生するケースもあります。

このように、地震が起きやすい地理条件に加えて、海岸線が入り組んでいる地形の条件も相まって、日本では「大きな津波」が被害をもたらしやすい状況となっています。

地殻災害 その3)「火山災害」

最後に、日本で起きる「火山災害」について解説します。

日本は、環太平洋火山帯に位置しており、全世界の約7%にものぼる、108の活火山を保有しています。活火山は、その名の通り活動している火山ですので、いつ噴火が起きてもおかしくありません。

実際に、活火山の周辺地域では、しばしば噴火による噴石や火山灰による被害が起こっています。

しかし、こういった火山が原因の「自然災害」に見舞われる一方で、自然の力による恵があることも事実です。

火山周辺で楽しめる温泉などが恩恵の代表例であり、そのほか火山が生み出す美しい風景や、その周辺の地形が生み出す豊かな水資源など、日本にとって火山はなくてはならない存在でもあります。

このような火山との関係を見直す自治体もあります。例えば、北海道の有珠山周辺では、「火山との共生」を目指した地域づくりを行なっているようです。

▼北海道有珠郡壮瞥町「火山と共生するまち」
https://www.town.sobetsu.lg.jp/about/kazan-kyosei.html

▼洞爺湖有珠山ジオパーク「火山との共生」
http://www.toya-usu-geopark.org/about-us-2

一部自治体の取り組みは始まっていますが、日本では全国どこの自治体とその職員にとっても、減災と地域のあり方については考えていく必要がある状況です。

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まとめ

このページでは、全国の公務員が日々立ち向かっている日本に多い「自然災害」についてまとめました。

日本では、毎年のように全国各地で「自然災害」が発生しています。つまり、気象庁をはじめとした中央省庁や、自衛隊を中心とした国の機関はもちろん、全国どの自治体に務める職員にとっても、「減災」「防災」は重要な課題であると言えます。

日本全国の自治体や気象庁をはじめとした国の機関に所属する公務員は、住民を「自然災害」から守るため、日々対策に取り組んでいます。しかし、残念ながら犠牲となる方も多くいらっしゃいます。

公務員として、国民や住民の命を守るにはどのような対策を取ればよいのか、国レベル、地方自治体レベルでの試行錯誤は続いています。

公務員を目指す方はもちろん、一般市民にとっても、「自然災害」について知ることも必要ということで、まずは、日本に多い「気象災害」「河川災害」「地殻災害」についてまとめ、ご紹介しました。

日本では、地質や地形のほか、地理的な条件も重なり、さまざまな「自然災害」の発生が避けられません。

近年では、地震や豪雨、土砂災害をはじめとして、国の「激甚災害」に指定される「自然災害」も多発しています。


いざという時のために、公務員として何ができるのか、その姿勢は問われ続けていくでしょう。

本記事は、2019年10月23日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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