薬物犯罪を取り締まる専門家!-「麻薬取締官」通称「マトリ」の仕事内容

有名人の薬物犯罪が話題になっていますが、彼らを取り締まっている職業の一つに厚生労働省の地方厚生局に所属する「麻薬取締官」があります。 本ページでは、通称マトリや薬物Gメン等とも呼ばれる「麻薬取締官」の仕事内容についてまとめます。

「麻薬取締官」とは?

「麻薬取締官」とは、全国にある厚生労働省の地方厚生局に所属する麻薬取締りを専門とする国家公務員です。

厚生労働省の地方支分部局には「地方厚生(支)局」と、「労働局」があります。このうち「麻薬取締官」が所属する「地方厚生局」は全国にあり、「北海道厚生局」「東北厚生局」「関東信越厚生局」「東海北陸厚生局」「近畿厚生局」「中国四国厚生局」「四国厚生支局」「九州厚生局」があります。

中央官庁「厚生労働省」の組織構成と各部門の役割について

中央官庁「厚生労働省」についての詳細を解説します。「厚生労働省」は、福祉・介護・雇用・労働・年金などに関する政策分野を担う行政機関です。

「特別司法警察職員」の「麻薬取締官」

「麻薬取締官」は公務員の中でも「特別司法警察職員」に種別されます。この「特別司法警察職員」とは、警察官ではありませんが、特定の法律違反行為について、捜査権があり、捜査にまつわる逮捕や捜索、差押え、送検などの権限も持ちます。

「特別司法警察職員」は「麻薬取締官」の他に、「労働基準監督官」「海上保安官」「皇宮護衛官」など全部で13種類ほどあり、それぞれ専門の任務に関しては警察官のような捜査権などを持ちます。

「労働基準監督官」のページ

「海上保安大学校(学生)」のページ

「皇宮護衛官」のページ

「麻薬取締官」の仕事

「麻薬取締官」の仕事は「特別司法警察職員」として、「薬物犯罪捜査」を行い、覚せい剤や大麻の所持や使用、売買などとはじめとした違反者の摘発を行うことに加え、犯罪を未然に防ぐために、医薬品として正規流通している薬物の監督、指導業務や、薬物使用を予防するための啓発活動・相談業務などを担当することです。

それぞれの仕事の内容について、具体的に説明します。

「マトリ」の仕事内容1:薬物犯罪捜査

「麻薬取締官」の代表的な仕事内容が「薬物犯罪捜査」です。

「麻薬取締官」は立場としては厚生労働大臣の指揮監督のもとで「麻薬五法」など薬物に関する法律に違反する犯罪を捜査しています。薬物犯罪に関する「情報収集」についても昼夜問わず、また国内外にわたって行っています。

「麻薬取締官」には時に「おとり捜査」や「泳がせ捜査」などの捜査手法を取ることがあると言われており、捜査の際に捜査対象者に「麻薬取締官」だとばれないよう、私服や長髪といった一見すると公務員には見えない風貌を装う方もいるようです。

また、テレビなどの報道では「麻薬取締官」の顔が一般社会に知られないよう、「麻薬取締官」の顔の部分にはモザイクがかかっていたり、「麻薬取締官」は大きめのマスクで顔を覆ったり、いわゆる顔バレを防ぐ対策が取られています。組織的な薬物犯罪の捜査には何年もかかるケースが多く、万一捜査の途中で失敗してしまっては何年もの苦労を棒に振ることになるため、メディアの協力も欠かせません。

「麻薬取締官」が取り締まる相手には暴力団や不良外国人、犯罪組織集団なども多く、捜査や情報収集には細心の注意が必要な分野と言えます。また、円滑な逮捕のために、警察官と同じように逮捕術訓練や、拳銃射撃訓練なども受けて日頃からの鍛錬が欠かせない仕事です。

「マトリ」の仕事内容2:鑑定業務

「麻薬取締部」には捜査とは独立した、中立的な立場での「鑑定官」を配置し、迅速で精度の高い薬物使用の鑑定試験などを実施しています。

鑑定に携わる「麻薬取締官」には「薬物」の専門知識が求められるため、「麻薬取締官」には「薬剤師」の国家資格を持った者、取得見込みの者が一定数採用されるようです。

そのほか、国家公務員一般職(大学卒業程度)の「行政」などの最終合格者も受験可能ですが、鑑定業務に携わるのは薬物に関する専門的知識がある薬学部出身の方や薬剤師資格を持つ方が多数だと言われています。

「マトリ」の仕事内容3:正規流通麻薬等の監督、指導

「麻薬取締官」の仕事には、医療用など正規に流通している医薬品としての麻薬を監督、指導することも含まれます。

麻薬や向精神薬は、医療現場で正しく使用することで有用性のある薬物ではあるものの、乱用してしまうと公共の人々に危害を及ぼすと言われています。こういった医療用の薬物の扱いを免許制にし、取り扱いの規制を担当するのが「麻薬取締官」の仕事のひとつです。

また、免許を持つ正規取扱関係者に対しても定期的に「立入検査」を行い、不正が無いか確認するとともに、乱用薬物の原材料となってしまう物質の取扱業者に対しても監督、指導を行います。

また、大麻など植物由来の薬物に関しては自生していることがあるため、「麻薬取締官」が都道府県や保健所の協力を得て抜去しているようです。

「マトリ」の仕事内容4:啓発活動・相談業務

麻薬や覚せい剤などの違法薬物には依存性が高いものも多く、一度乱用が摘発されても、再度同じ犯罪を繰り返してしまうというケースが後を絶ちません。

そこで、平成23年8月からは、「麻薬取締官」が「保護観察の付かない執行猶予判決を受けた者及びその家族等支援者」を対象に、「再乱用防止対策」を主導しています。

薬物依存や薬物中毒から回復するためには、医療機関での治療や専門的な乱用を防止するスキル・知識が欠かせないため、「麻薬取締官」はその手助けをする役割を期待されています。

まとめ

このページでは、最近よく耳にする公務員、「麻薬取締官」の仕事内容をご紹介しました。「麻薬取締官」は「厚生労働省」の「地方厚生局麻薬取締部」に所属するため、全国の各地方に配属されている国家公務員です。

「麻薬取締官」には薬物犯罪という特定の分野において捜査権限や逮捕権限などを持つ「特別司法警察職員」であり、警察官のような捜査・逮捕スキルと、薬物に関する専門的な知識を兼ね備えた専門職です。

今起きている薬物犯罪の取締り業務はもちろん、犯罪を未然に防ぐ監督・指導業務、相談・啓発業務も「麻薬取締官」として大切な業務のひとつです。

「麻薬取締官」の仕事はその業務上、一般には公開されていない部分も多いため、具体的な仕事内容については、「業務説明会」や「インターンシップ」も開催されているようですので、積極的に活用し、仕事内容への理解を深めるといいでしょう。

▼厚生労働省 地方厚生局 麻薬取締部ホームページ「採用情報」
http://www.ncd.mhlw.go.jp/saiyou.html

本記事は、2019年12月4日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

麻薬取締官
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