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「労働基準監督官」になるには? - 働く人たちを守る国家公務員の専門職

全国約410万の職場の約5300万人の働く人を守る。それが労働Gメンこと「労働基準監督官」の使命です。労働厚生省の国家公務員の専門職です。「労働基準監督官」になるために押さえるポイントや「労働基準監督官採用試験」について解説します。

2018年11月07日更新

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目次
「労働基準監督官になるため」に押さえる3つのポイント
労働基準監督官になるには
「労基」の仕事内容(概要)
「労働基準監督官」が所属する厚生労働省について
「労働基準監督官採用試験」について
「労働基準監督官」の初任給や福利厚生、勤務時間について
「労働基準監督官」に必要な専門知識と1年目の研修
まとめ
「労働基準監督官」になるには? - 働く人たちを守る国家公務員の専門職

「労働基準監督官になるため」に押さえる3つのポイント

1)国家公務員の中でも、国家専門職の区分にあたります。
2)特別司法警察職員として司法警察官として逮捕、送検することができる権限をもっています。
3)採用試験は大学卒業程度の扱いです。

労働基準監督官になるには

「労働基準監督官」になるには、人事院・厚生労働省が実施する「労働基準監督官採用試験」を受験し、合格し採用される必要があります。「労働基準監督官」は通称「労基(ろうき)」と呼ばれたり、労働Gメンと呼ばれたりする、厚生労働省の国家公務員の専門職です。

採用試験は、大学卒業程度の試験で、受験資格は、年齢(受験年度の4月1日時点)が21歳以上30歳未満であること、または、21歳未満でも大学を卒業しているか、受験年度の3月までに卒業する見込みがあることが条件とされています。もしくは人事院が同等の資格があると認めた場合も受験が可能です。

3月頃から受験申し込み受け付けが始まり、6月に第1次試験(筆記試験)、7月に第2次試験(人物試験)、8月に合格者の発表があり、採用内定は10月以降というスケジュールになっています。

ちなみに、「労働基準監督官」は英語でいうと、Labour Standards Inspectorです。

採用区分は2つ

「労働基準監督官採用試験」は大学卒業程度の試験で、2種類の職種の採用をしています。「労働基準監督A(法文系)」と「労働基準監督B(理工系)」に分かれていて、平成29年度の採用予定数230名で、内訳は、労働基準監督A(法文系) が約185名、労働基準監督B(理工系) が約45名の予定で発表されています。

労働基準監督Aと労働基準監督Bの違いは?

「労働基準監督A(法文系)」と「労働基準監督B(理工系)」は、働く内容は変わりません。入り口の採用試験の内容と採用の人数が異なり、研修時点でA、Bお互いに必要な研修を受けるようになっています。

採用の倍率は?

また、平成28年度国家公務員採用試験の「労働基準監督官採用試験」の倍率は約9倍で、第一次試験の受験者約1000名の中から400名が採用されました。違法な長時間労働や若いものの使い捨てなどのブラック企業・ブラック労働などが社会問題化する中で、非常に活躍が期待されている国家公務員です。

「労基」の仕事内容(概要)

「労働基準監督官」は、働く人を守る国家公務員です。働く人を守るというのは、彼らを雇用する「事業主」が、国の定める労働基準法などの労働基準関係法令が守られているか監督することで実現します。

「労働基準監督官」は、会社を取り締まる「警察」です!

具体的には、事業主(企業)が労働法に違反していないか調査しもし法令違反が判明したら、逮捕・送検することができます。

例えば、未払い給料はないか、最低賃金を守っているかどうか過剰な残業はないか、不当解雇などの事案はないかなど、適法な労働条件が確保されているかどうか厳しく調査します。

会社の経営不況や、労働者の弱みに漬け込んだ搾取型のブラック企業問題など、労働者と事業者との間で起こるトラブルが増加傾向にあり、労働基準監督官の重要性は増し、業務は増えている傾向にあります。

東京労働局、大阪労働局には、長時間労働の削減や過重労働による健康被害の防止を図り、働く方が安心して活躍できる職場環境を確保を目的とした専門チーム「過重労働撲滅特別対策班(かとく)」が2015年に設置され話題になりました。

ちなみに、逮捕・送検といった権限は、特別司法警察職員という国家公務員でも、一部の職のみにあたえられるものです。

「労働基準監督官」が所属する厚生労働省について

厚生労働省は、1官房11局6部2政策統括官で構成される「国民生活の保障・向上」と「経済の発展」をめざす省で、医療・保健・社会保障などを所管していた厚生省と労働者の福祉と職業の確保をもって経済を発展させる労働者のための省であった労働省が2001年の中央省庁再編によって一つになり、生まれました。

その2つの役割があわさったことにより、まさしく、日本人が安心して、この国で生きるための、あらゆる面での安定や安心をもたらすセーフティーネットとしての役目をもった省になりました。

さらに、その発展的な役目として、「国民生活の保障・向上」「経済の発展」を実現するたえに社会福祉、公衆衛生、労働環境の整備や人材育成などを通じて、国民一人ひとりに対する自立支援や、能力を発揮する機会の提供といった施策を行っています。

今、日本で直面している大きな課題「超少子高齢化」が進む中で、厚生労働の役割がますます重要になってきています。

「労働基準監督官」は、その構成動労省の職員として、働く人たちを守る専門的な仕事を担う国家公務員です。

「労働基準監督官採用試験」について

労働基準監督官は、社会的なニーズも増える中、受験者が平成25年以降、上昇しています。各試験や合格倍率についてご説明します。

第一次試験について

第1次試験は公務員として必要となる基礎知識を問う選択式の試験、労働基準監督A(法文系)と労働基準監督B(理工系)の2区分に分けられ、専門知識を問う選択式と記述式の試験があります。専門試験には法文系、理工系のどちらか得意な方を選択することができます。基礎能力試験では法律分野の知識を問う問題が多く出題されるので、法学部生にとっては有利かもしれません。労働基準監督官を目指すなら、法律関係の科目やゼミを受講するなど対策をしておくとよいでしょう。

第二次試験

第1次試験に合格すると、2次試験では、人柄や対人能力を見る人物試験と、身体検査が行われます。区分別は採用されてからの配置にはほとんど関係がなく、どちらの試験で合格しても、オールラウンドプレーヤーであることが求められることには変わりがありません。

また、採用試験に合格すれば必ず職に就けるわけではなく、上位合格者から採用されるシステムとなっています。したがって、労働監督官の職に就くには、優秀な成績で合格しなければなりません。試験勉強は、過去問を徹底して研究して、面接対策も万全にしておきましょう。

平成27年度の合格者数

平成27年度の合格者数は、417人のうち男性が276人、女性が141人。合格者男女比率はおよそ7:3です。合格倍率は9.3倍でした。

補足、試験種目の身体測定が廃止されました

平成25年の採用試験から、これまで第2次試験で行っていた身体測定が廃止となり、下記試験がなくなりました。

・裸眼視力がどちらか1眼でも0.6に満たない方(1眼でも矯正視力が0.7に満たない方)
・2000、1000、500各ヘルツでの検査結果をもとに算出した聴力デシベルが片耳でも50デシベル以上

「労働基準監督官」の初任給や福利厚生、勤務時間について

初任給は、大学卒業後すぐに働いた場合に行政職俸給表(一)の一級の26号俸が適用され179,900円が基本給となり、それに手当がつきます。

労働基準監督官の勤務時間は原則8時間と定められています。休日は、週休2日制で祝日なども原則はカレンダー通りで、公務員の中でも一般的な内容です。事業所や工場などに出向き、事業主や労働者と対面して検査などを行わなければならないので、勤務時間内は外出が多くなるのが特徴です。福利厚生も一般的な国家公務員の内容が適用されています。

仕事柄、特別な勤務もあります。

年末年始など多忙な時期や、相談件数が多いと、残業せざるを得ないこともあります。また、管轄地域によっては、深夜営業をしている事業所に立ち入る場合は、通常の勤務時間外に仕事をする必要がでてきます。

「労働基準監督官」に必要な専門知識と1年目の研修

労働基準監督官は、労働関連法を扱う専門職なので、労働法はもちろん、刑法、民法、商法、刑事訴訟法といった法律知識が求められます。

労働基準監督Aの試験科目には、労働法、憲法、行政法、民法、刑法などが含まれているので、労働基準監督官になるには基本的な法律の知識を身につけておく必要があります。

採用後は、1年かけて計画的な研修を受けます。内容は、監督関係業務に関する基礎的な研修と実地訓練、そして、労働大学校による中央研修です。研修のスケジュールは、実地研修(前期)→中央研修(前期)→実地研修(後期)→中央研修(後期)→実地訓練となっています。

まとめ

働く人たちを守る労働Gメン「労働基準監督官」は、マンガで、ドラマ化された「ダンダリン 労働基準監督官」で、お茶の間にもその存在が届けられました。

常に労働者と事業主の間に立って、法律違反が行われていないかを冷静に判断しなければなりません。

個人的な感情を抑えて、強い正義感と優れたバランス感覚で問題を解決していく意識の高さが求められます。悩みや苦労が多く大変ですが、労働者の権利を守るという社会的意義の高い職業です。

労働者を助けることができたときの喜びや充実感には代えがたいものがあり、非常にやりがいを感じることができるでしょう。

現場に出向き、多くの人と関わることが多いので、経験と実践を積むことで若手でも重要な仕事を任せてもらえる環境です。労働問題のプロフェッショナルとして、安心・安全な職場の実現や労働者の権利保護といった世の中のためになる仕事は誇りを感じることもできます。男性に比べるとまだまだ少ないですが、女性の労働基準監督官の割合も増えてきています。

待遇面では男女の差はなく、女性が活躍できる職場です。

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