「防犯ブザー」が救護の合図として活用できることを提案した桐生市消防本部
群馬県桐生市の消防本部は、救命率の向上のために「防犯ブザーの救急的活用」の推進を呼びかけています。
これは、桐生市消防本部の独自の取り組みとして注目されています。
この取り組みが注目されるきっかけとなったのは、2019年5月29日に開催された「第42回全国消防職員意見発表会」という全国の消防職員が集まる場で紹介されたことでした。
意見発表会では、桐生市消防本部の職員が、発表テーマ「音で繋がる救命の輪」の中で「防犯ブザーの救急的活用」について提言し、最優秀賞を受賞したそうです。
▼参考URL:桐生市|【レポート】第42回関東支部消防職員意見発表会で最優秀賞を受賞しました
(http://www.city.kiryu.lg.jp/anzen/shobo/oshirase/1015265.html)
救命のために「防犯ブザー」を鳴らして助けを呼ぶ様子を動画で紹介
桐生市消防本部では、全国の消防職員に情報発信するだけでなく、一般の市民にも「防犯ブザー」での救護の方法を伝えようと、YouTubeでも動画を公開しています。
子どもや高齢者にもわかりやすい内容となっており、「道で倒れている人を見つけた時」と「自身の具合が急に悪くなった時」に、周囲の人や、別室の家族など、助けを呼びたい時の使用例が紹介されています。
▼出典:桐生市ホームページ
http://www.city.kiryu.lg.jp/anzen/shobo/oshirase/1015666.html
「防犯ブザー」をどのように使う?そもそも「防犯ブザー」とは?を解説
「防犯ブザー」とは、危険を察知した時に、ボタンを押したり、紐を引いたりする事で大音量が出て、周囲に緊急事態を知らせる携帯用のブザーのことです。
キーホルダー型やリストバンド型、キャラクターがついたものなど、さまざまなタイプの商品があります。
桐生市消防本部によれば、救急目的で防犯ブザーを活用することのメリットとして、まず「操作が容易であること」があげられます。「防犯ブザー」は、ボタンを押すか紐を引くだけで、瞬時に大音量で周囲へ知らせることができるため、小学生でも簡単に操作することができます。
また「安価で手に入ること」もメリットのひとつです。種類が多く、手軽なものであれば100円ショップでも手に入るので、壊れても再購入が気軽にできます。子どもに持たせる場合はどうしても壊れやすいので、定期的な点検は欠かせません。その際に、すぐに買い直しも可能です。
そして、操作が簡単で安価ということから、「普及率が高いこと」に繋がっていることもメリットのひとつです。例えば、ランドセル購入時にサービスとして無料で付属しているケースも多く、地域によっては交通安全協会やPTAなどが小学生に配布しているため、小学生の防犯ブザー所有率はとても高いようです。
桐生市の動画内でも「防犯ブザー」の音を聞くことができます。また警察庁のホームページでは、「防犯ブザー」の音のサンプルについて紹介しているので参考にしてみてください。
▼参考URL:警察庁|性能基準に適合する防犯ブザーのサンプル音について
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki67/index.html
「防犯ブザーの救急的活用」では何ができる?さまざまな効果を紹介
「防犯ブザー」を救急的に使用した場合の具体的な効果についても、桐生市消防本部が紹介しています。
まず、「防犯ブザー」を使用することで、駆けつけた人によって早期の119番通報に繋がります。その結果、応急手当ての開始が早まりますので、救命率の向上が期待できます。
また、災害発生時には、建物内に閉じ込められた時や、一人での避難が難しい時などに、緊急の救難合図として使用できます。防犯ブザーを鳴らし続けて置くことで
音を聞いたレスキュー隊員が救助しやすい状況が生まれます。
そして、マラソン大会やお祭りなど、多くの人が集まるイベントでは、救護が必要な人を助けるための人材を、すばやく集めることができます。人混みの中で、救助したい人がいる場所の合図にもなりますし、多くの人の注目を集めることで、居合わせた医療関係者などにいち早く急病人の存在を知らせることができ、迅速な初期対応を可能にします。
さらに、小学生の普及率が高いので、交通事故や災害など、子どもが巻き込まれやすい事件・事故への応用が期待できます。「防犯ブザー」は、子どもたちの安全を守るために、子どもたちとって最も身近なツールのようです。
まとめ
このページでは、桐生市消防本部が発案した「防犯ブザーの救急的活用」についての紹介動画を取り上げました。
「防犯ブザー」といえば、不審者対策としての使い方が一般的で最も知られている使用方法だと思いますが、それ以外にも急病人を発見した時、自分自身が怪我をして助けを呼びたい時など、「救急的活用」にも応用することができます。
また、桐生市のリーフレットでは、道でお母さんが倒れてしまった時に、子供が防犯ブザーを使って助けを呼ぶというケースが紹介されています。
日頃から、このような「防犯ブザー」の使い方を知っておくことで、いざという時、子どもであっても人を助けることができます。
また、高齢者も自身の身に異変を感じた際に鳴らすことで、自分では動けなくなってしまっても、気づいてもらえる可能性が大きくなります。
このような桐生市が発信する「防犯ブザーの救急的利用」については、群馬県のみならず、また消防職員のみならず、全国の一般市民や子どもたちに普及していくことが期待されます。
▼参考URL:桐生市|防犯ブザーの救急的活用リーフレット
http://www.city.kiryu.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/015/666/bouhanbuzzer_leaflet_2.pdf
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