【街を守るヒーロー】消防官・レスキューになる方法まとめ

全国の地方自治体の地方公務員である「消防官」になるにはどうすればよいか、採用試験などについてまとめました。 地方公務員の「消防官」になるには、まず地方自治体ごとに行われる「消防官」の採用試験を受験することが必要です。今回は「消防官」になるために必要な採用試験の内容や倍率についてご紹介します。

「消防官」は「地方公務員」

消防士・レスキュー隊員の 試験の流れ イメージ画像
公務員総研作成

「消防官」は「地方公務員」の一職種です。そのため、「消防官」は地方自治体ごとに採用され、その自治体の消防組織に所属します。

「消防官」の配属先としては、基本的に市町村ごとに消防署が設置されています。例外として東京都では都の組織である「東京消防庁」が都内の消防署を統括しています。

ちなみに、中央省庁のひとつ「総務省」の「消防庁」に勤務する「消防技官」も消防の仕事を担いますが、「総務省」の職員は「国家公務員」であり、「地方公務員」の「消防官」とは採用方法が異なります。

>火消しだけじゃない!「消防士」の仕事内容

マチを守る地方公務員「消防士」、幼児や児童の「将来の夢」としても挙げられる、子供たちのヒーロー!消防士と言えば、火災を消すイメージが強い職業ですが、実際の仕事はそれだけではありません。

▼参考:総務省消防庁ホームページ
https://www.fdma.go.jp/

「消防官」の正式名称は「消防吏員」

一般的に使用されている「消防官」という職業名は通称であり、「消防吏員」というのが正式名称です。また、「消防官」と同じように使用されていることが多い「消防士」という名称は「消防吏員」の中でも最も下級の役職名を指します。

このページでは、正式名称の「消防吏員」ではなく、一般的に使用されることが多く、すべての役職の消防吏員全般を表す「消防官」という名称を用いて解説します。

採用面接等では、「消防官」「消防吏員」「消防士」とどの名称で受け答えしても良いと思いますが、「消防官」になる人は各名称の意味と違いについては、最低限理解しておくとよいでしょう。

また、「消防団員」という仕事もありますが、こちらは「消防官」と違って資格や採用試験があるわけではなく、基本的に誰でもなれる職業です。「消防団員」については下記のページもご覧ください。

【知ってる?「消防団員」と「消防士」の違い】その役割と仕事内容

一般の人に区別されにくい「消防団員」と「消防士」の役割の違いや仕事内容について解説します。消防団員も実は地方公務員だったり、気になる年収などについても解説します。

「消防官」になるには

「消防官」になるには、各自治体が実施する採用試験に合格し、研修を受ける必要があります。「消防官」の採用試験や研修について解説します。

「消防官採用試験」を受験し、合格する

「消防官」になるには、地方自治体で行っている消防官採用試験に合格する必要があります。試験内容・区分や初任給や福利厚生などは地方自治体ごとに異なりますが、基本的な採用までの流れについて解説します。

採用試験名については、「消防官採用試験」や「消防職員採用試験」、「消防吏員採用試験」など、「消防官」以外の名称が使われることもあり、この点も自治体によって異なります。

例えば東京都の場合は、東京消防庁が実施する「東京消防庁職員採用試験」のうち「消防官区分」を受験し採用されると「消防官」としてのキャリアがスタートします。

一方、各市町村では「消防職員採用試験」などという名称の試験が実施されるのが一般的なようです。

「消防官採用試験」の試験区分について

「消防官採用試験」の試験区分には、高校卒業程度の方を対象とした「初級」もしくは「I型」など、短大卒業程度の方を対象とした「中級」または「Ⅱ型、」など、そして、大学卒業程度の方を対象とした「上級」または「Ⅲ型」に加えて、各部門の専門的な知識が試される「専門」の4タイプの採用試験がある場合が多いようです。

試験区分の設定のしかたについては、自治体によって異なりますが、「大卒」の方が「高卒」より初任給が高く、昇進が早い傾向にあり、役職者には「大卒区分」で採用された職員が比較的多いと言われています。

ただし、出世を目指すよりも早く現場で「消防官」として消防の仕事に関わりたいという場合は、「高卒」からでも採用試験に挑戦することができるため、様々な学歴の人が活躍できる仕事だと言えます。

「消防官採用試験」の受験資格について

「消防官採用試験」の受験資格は、上級やI型などの試験区分によって自治体ごとに設定されています。

一般的に、初級区分などと呼ばれている区分では、高校卒業しているか、高卒認定などを利用して、高卒と同程度の学力を有している事が認定されていること、が受験の条件となります。

これに加えて、年齢や身長制限などの条件があり、自治体によって異なりますので、自分が受験したい自治体の試験要項を確認しておきましょう。

学歴の条件としては、高卒以上から受験が可能ですが、例えば「消防官」の中でも「救急隊」に配属希望の場合には「救命救急士」の資格を取得しておくと有利になります。そのため、医療系の専門学校を卒業後に中級やII型などの試験区分で「消防官」を目指す人も多くなっています。

「救急救命士」のページ

「消防官」の採用後の研修・消防学校について

「消防官」として採用後は各自治体が設置する「消防学校」などで半年程度の消防業務について研修を受けます。

「消防官」の仕事は人の命が関わる重要な仕事です。この研修をしっかり受け、消防などの知識や技術を習得することで「消防官」として出動できるように鍛えられます。

一般的に「消防官」として最初に配属されるのは「ポンプ隊」や「消火隊」と呼ばれる、消防車に乗って火災現場の消火活動を行うチームのことが多いようです。

また一定のキャリアを積んだ後に、さらに専門の研修を受けて選出された人だけで組織される「特別救助隊」などの組織もありますので、さらに技術を磨き、精鋭部隊を目指すこともできます。

消防士としての一歩からキャリアアップまで「消防の教育システム」について

【地方公務員の消防官】各自治体の消防局に属し、「消防職員」としての実際の勤務が始まる前に消防に関する知識の教育や訓練を受ける施設「消防学校」です。

「消防官採用試験」の内容について

「消防官」の採用試験は、第一次試験(筆記試験)、第二次試験(体力測定や適性検査)に分かれています。

「消防官採用試験」の内容は、自治体によって少し異なる場合がありますが、一般的には一次試験で「筆記試験」や「論文試験」が行われ、二次試験で「身体・体力測定」や「面接」試験が行われます。

「消防官採用試験」の二次試験の「身体検査」では、身長や視力などに基準がありますので、基準に合致しているかを確認してから応募することをおすすめします。ただし基準はあくまで目安ですので、あと1センチ身長が足りないという場合も、他の試験の成績が良ければ合格することもあるようです。

それに対し、「消防官採用試験」の受験資格の「年齢要件」については厳密にクリアしなければ受験は難しいようです。

「消防官」は体力が必要な仕事ということもあり、受験できる年齢は限られています。もし、いつか「消防官」に転職したいと考えている方は、なるべく若いうちに挑戦することがおすすめです。

「消防官採用試験」の倍率について

「消防官」になるための採用試験の倍率について「東京消防庁」を例にご紹介します。

「東京消防庁」の「消防官採用試験」の倍率

参考までに、「東京消防庁」の「消防官採用試験」の倍率についてご紹介します。

平成29年度の「東京消防庁」の倍率は、大卒程度を対象とした試験区分は「I類(1回目)」と「I類(2回目)」と2度違う日程で行われましたが、1回目は17.5倍、2回目は21.4倍といずれも高倍率となりました。

短大卒程度を対象とした「Ⅱ類区分」については、ほかの区分に比べて比較的定員が少ないこともあり32.1倍、高卒程度を対象とした「Ⅲ類」区分は20倍でした。

東京消防庁の場合は他にも「専門系区分」といって大学や大学院で「法律」「建築」「電気」「電子・通信」「化学」「物理」「土木」「機械」などの分野を専門的に学んだ人を対象とした試験区分があります。

平成29年度の東京消防庁の「専門系」の採用予定者数は10名と少数でしたが、倍率は7.7倍だったので、倍率で見ると最も低い採用枠だったようです。

「専門系区分」で採用されると将来東京消防庁の中核を担う人材としてキャリアを積めるようですので、大学で得た知識を活かしたいと考えている方は「専門系消防官」になる道も検討してみてはいかがでしょうか。

その他の市町村の場合、政令指定都市の「消防職員採用試験」は倍率が高い傾向があり、10倍以上だというところがほとんどのようです。

ただし、複数の自治体で併願している受験者も多いことから、倍率が高いからといっても、すでに他の自治体で採用が決まり、受験をしない場合や、合格しても最終的には辞退するいるケースもあります。

「消防官採用試験」は倍率が高いからといって諦めることなく、試験対策を進めていくことで、合格につながる可能性があると思われます。

▼東京消防庁ホームページ「採用案内」
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/bsy/index.html

「レスキュー隊員(救助隊員)」になるには

「消防官」の中には、人命救助を専門とする「レスキュー隊」に所属する隊員がいます。

この「レスキュー隊」になるには、「消防官」に採用された後、1年以上「ポンプ隊(消火隊)」として消火活動の経験を積んだ後に、本人が異動の希望を出すことから始まります。

その時に所属している消防署の人員配置の都合にもよりますが、本人が希望し、上司の推薦が得られると、「レスキュー隊」に配属されます。

「レスキュー隊」にはより高度な救助技能を持つ上位部隊として「スーパーレスキュー」や「ハイパーレスキュー」と呼ばれる特別な「救助隊」などを組織している自治体もあります。

「特別高度救助隊」への配属を希望して厳しい入隊条件等をクリアし、そのメンバーに選出される隊員はほかの「消防官」にとっても憧れの存在といえるようです。

【レスキューになるには】消防組織の「救助隊」の任務やなる方法

消防組織の担う役割のひとつに「救助活動」があります。救助活動を行う消防組織のスペシャリストが、オレンジの活動服でおなじみの救助隊です。

「消防官」に向いている人物像について

「消防官」になるには、どのような人が向いているのかをご紹介します。

ただし、この人物像は一例に過ぎません。当てはまらないからといって、「消防官」になることを諦めるのではなく、「消防官」としてどのような心構えや覚悟が求められるのか、参考にしてみてください。

体も心も強い人

「消防官」の仕事は、とにかくハードです。事故や災害現場では重たい装備をつけたまま救助活動を行う事もあります。そして、勤務体制は24時間勤務の交代制の為、精神的な負担も大きくなっています。

現場で最適な訓練を行う為には、厳しい訓練にも耐えなければいけないので、体力がなければこなせない仕事です。また、風邪などをひいている時には救急車への搭乗ができなくなりますので、病気に強い体つくりや、自己管理も必要となります。

また、事故や災害現場では人が負傷している姿など、ショッキングな物も目にします。それでも、任務を遂行できる強い精神力も必要になります。

冷静な判断力

「消防官」は、事故や災害現場で多数の要救助者がいる場合など、どの救助や活動を再優先に行うのかを冷静に判断する必要があります。

また、人を助ける事に重きを置き過ぎて、仲間や自分の命を粗末にするような事があってはいけません。事故や災害現場で優先するのは「自分が生きて帰ること」です。いつでも、冷静な判断ができる力が求められています。

いつでも心に正義を持つ

「消防官」は、任務を遂行する為には、強い正義感を持たなければいけません。

また、「消防官」は公務員として、市民のお手本でもいなければいけない存在です。地域の子供たちと触れ合う機会もたくさんあります。子供にとってのヒーローであるために、常に品行方正な行動ができる人が望まれます。

まとめ

このページでは、全国の地方自治体の地方公務員である「消防官」や「レスキュー」になるにはどうすればよいか、採用試験の情報などや、向いている人物像についてご紹介しました。

地方公務員の「消防官」は、所属する自治体によって組織の形態が異なっており、用意されている研修課程なども自治体によって様々です。まずはご自身がどの町の「消防官」になりたいのかを考え、その自治体の募集案内等を確認してみましょう。

「消防官」には主に消火活動に従事する「消防士」としてキャリアを積む方もいれば、「救急救命士」や「レスキュー(救助隊)」としてキャリアを積む方もいます。

いずれの道に進むにもまずは自治体ごとに行われる「消防官採用試験」に合格することが第一歩となります。

全国的に倍率が高い「消防官」の試験ですが、しっかり準備して臨むことで難関を突破することも夢ではありません。「まちのヒーロー」として活躍できることを目指してみてはいかがでしょうか。

「消防官・レスキュー」のページ

本記事は、2019年1月13日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

気に入ったら是非フォローお願いします!
NO IMAGE

第一回 公務員川柳 2019

公務員総研が主催の、日本で働く「公務員」をテーマにした「川柳」を募集し、世に発信する企画です。

CTR IMG