公務員の服装は何が適切なのか?

2019年に市役所の「事務系職種」に現役合格した小林英介さんに、「公務員として適切な服装」についてお聞きしました。

いざ公務員として働き始める際に、服装のことで悩まなくていいように、ぜひ参考にしてください。


元・市役所職員が回答!公務員試験や実際に働く際にふさわしい服装とは?

これから公務員試験を受験しようとしている皆さんの中では、試験はもちろん公務員として働くときにどのような服装で働くべきか悩んでいる人が多いと思います。

今回の記事では、公務員試験を受けるときの服装から、内定をもらって実際に公務員として働くときの服装についても解説します。

「服装の大前提」は相手に不快な思いをさせないこと

服装マナーを語るにあたって、大前提となることは、マナーの本質である「相手に不快な思いをさせない」ということが大切になります。公務員の行政職・事務職でも市役所勤務などの窓口業務がある職種では、市民の方とお話をすることが多々あります。

そもそも人はまず第一印象を1番大切にします。第一印象が悪ければあまり良い気持ちにはならないでしょうし、穏やかな気持ちで窓口に来ることができなくなってしまうでしょう。

そういった小さなことがトラブルの元になったり、それらの蓄積によって大きな事件に発展してしまうこともあります。

相手に不快な思いをさせない服装とは何か?

前述のことを踏まえた上で、相手に不快を与えない服装とは何なのかについて解説します。

公務員だけにとどまりませんが、就職活動において私服といわれるものは、いわゆるオフィスカジュアルなどと表現されます。

オフィスカジュアルって何?

オフィスカジュアルは、イメージをしやすいもので表せばユニクロのワイシャツやスラックスです。スーツではないけれどもスーツに似たような雰囲気を持った服装。いわゆるビジネスに適した服装をオフィスカジュアルと呼びます。

近頃はスーツを着る機会が少なくなり、大企業・中小企業共にオフィスカジュアルに切り替えていくという企業が多い印象です。

ただし、すべての会社がオフィスカジュアルになったというわけではないので、自分の勤務するする職場がオフィスカジュアルなのかどうか、必ずしっかりと確認するようにしましょう。

学生特有の私服についての勘違い、普段着ではない私服

大学生や高校生の皆さんにとっては、この私服という言葉がよくわからないという人も多くいらっしゃいます。私服は前述した通りオフィスカジュアルのようなものを意味するのですが、一部の学生の中には全く違う解釈をする人がいることも確かです。


例えば、「Tシャツに短パン」「Tシャツにスウェット」など、普段着ている服のことを「私服」だと思ってしまう方もいます。

私服というのは普段着というわけではなく、会社で働くことを想定した服装のことです。大学とは違うのです。服装という面からも社会人であることを意識して行動しなければなりません。

他にも、「ピアス」「ジャラジャラとした貴金属を身にまとう」「過度な茶髪」なども、慎むべきだと思います。

茶髪に関しては地毛が茶髪という人もいるので一概にいけないとは言えません。しかし地毛が黒色だったのにもかかわらず、大学時代に色を茶色に染めたなどの理由があり、そのまま就職活動に臨むというのは言語道断です。

ピアスや貴金属についても、避けるべきでしょう。このような貴金属をつけた社員が目の前にいたら不快に思うのは当たり前です。窓口を訪れる人の気持ちにもなって、第三者の立場から考える必要があります。

公務員の服装、男女別の服装の違い

さて、それではここからは男女別に見た服装の違いを見ていくことにしましょう。

公務員の服装「女性の場合」

女性の場合は、基本的にスーツを着ている人をあまり見かけた印象がありません。私の部署では女性が1人だけいましたが、普段着でした。

ただし、新入職員や若い人は私服ではなく、スーツを着ていた印象があります。慣れるまではスーツで通勤し、少しずつ業務に慣れてきたときに私服に移行するという考えも一つあると思います。

女性の職員で多かった服装の印象としては、ブラウスを着ていることでした。スーツを着ている人も一定数いましたが、比較的スーツ以外が多かったです。

普段着といってもあまり華美な服を着てはいけなません。華美な服装というのは例えば、ミニスカートやジーパンなどです。勘違いをしてそのような服装になってしまわないよう、充分注意してください。

また女性については特に化粧に気を使わなければなりません。化粧が濃すぎるとやはり見た目で印象が悪くなってしまうので、比較的落ち着いた色のものを使って化粧するなど、各自工夫をすることが必要だと思います。

公務員の服装「男性の場合」

男性の服装は基本的にスーツです。私自身もスーツを着て通勤していましたし、周りの職員の方を見てもほぼ全員がスーツを着用していました。

ネクタイについては真夏を除いて締めている人が多い印象でした。ネクタイの色もあまり華美なもの(明るすぎる色)をしている人はあまり見かけず、落ち着いた色のネクタイをしている人が大半だったように思います。

髪型については特に指定はありませんでしたが、丸刈りの人や坊主の人、少し長い人など比較的自由だった印象があります。

男性は特に髭が生えます。髭については毎日剃るなど、自己管理をする必要があるということも付け加えておきます。


公務員のクールビズについて

少し聞いたことがある人もいるかもしれませんが、クールビズという制度が主に夏に行われます。

▼参考URL:環境省|令和2年度 クールビズについて

2005年度から始まったクールビズは、冷房を使いすぎないなどの理由で行われています。冷房を使うことによって発せられる熱などが地球温暖化の進行等に影響するといわれていたからです。

クールビズは冷房の削減だけではなく、服装にも顕著に現れました。快適に夏を過ごすためには服装の工夫などもする必要があったためです。特に近年は連日30度を超える気温が観測され、クールビズだけでは成り立たないという新しい問題が現れているのも事実です。

本当にクールビズがこの時代に必要なのかという意見もある事は確かですが、クールビズ制度のPRによって少しでも夏を快適に過ごそうという考えが浸透したことも確かだと思います。

それではクールビズの服装というのはどういったものを表すのでしょうか。こちらも男女別で見ていくことにしましょう。

女性のクールビズ

女性のクールビズは、半袖や七分袖のブラウスやシャツ、ポロシャツ等、もしくは、七分のパンツやスカート等を指します。

男性のクールビズ

男性のクールビズは、半袖のワイシャツ、ポロシャツ、スラックスといったところでしょうか。

クールビズは男女共にあまり変わったところはなく、いかに快適に過ごしかつ好印象を与えるかを主眼に置いて服装を選ぶ必要があります。

公務員採用試験時の服装について

ここまで勤務時の服装について触れてきましたが、最後に公務員採用試験を受けるときの服装についても触れておきたいと思います。

基本的に公務員試験は筆記試験とその他の試験で服装が大きく違います。この点については比較的勤務時の服装とは異なるということがあります。

公務員試験:筆記試験日の服装

公務員採用試験の筆記試験は、比較的私服で受けることが多いです。

もし試験要項に私服と書いてあれば普段着で行ってもいいですし、スーツで行っても構いません。ただし、筆記試験時にスーツで行くのか私服で行くのか迷う人が多いということは確実に言えます。

ちなみに私は、筆記試験についてはスーツを着て行くことはありませんでした。なぜならスーツを着て試験を受け、緊張しすぎてしまうということがあまり好ましくないと判断したためです。

せっかく試験を受けるのですから、自分の力をしっかりと発揮できるよう、普段通りの服装で試験を受けたほうが無難だと考えたということが一番大きかったと思います。

公務員試験:面接時の服装

公務員採用試験の面接試験では、服装指定されるときと指定されないときがあります。

まず服装をその都度指定された場合は、スーツで行きましょう。指定されなかった場合もスーツで行きましょう。

ただし、スーツではなく私服と指定された場合は、オフィスカジュアルで行くかそこで仕事をすると想定した服装で面接を受けた方が無難でしょう。

公務員の服装まとめ

今回は公務員の服装および公務員試験の際の服装について解説しました。


これから公務員試験を受験しようとしている方々にとってはいくつかイメージが広がったのではないでしょうか。

適切な服装で好印象を与え、合格に少しずつ近づいていきましょう。

編集部コメント

以上、「公務員の服装は何が適切なのか」でした。

勤務時の服装、クールビズ、そして公務員試験当日の服装など、実際の経験から多くの有益な話を聞くことができました。

公務員としてどのような服装が適切なのか判断する際に、ぜひ本記事を参考にしてください。

本記事は、2020年9月30日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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