公立幼稚園の先生は、地方公務員です
公立幼稚園の先生は、その幼稚園を運営する自治体に所属する地方公務員、という位置付けとなります。
ですので、公立の幼稚園を志望する場合は、該当の地方公務員の幼稚園教諭の採用試験に合格し、その自治体に採用される必要があります。
その年の募集要項や人数は、各自治体によって異なります。一般的にはホームページ上で公開されていますので、それを確認しましょう。
公務員の幼稚園教諭採用試験を受けるには?幼稚園教諭免許状取得、または取得見込みが条件
公立幼稚園の幼稚園教諭採用試験を受けるためには、「幼稚園教諭一種免許状」「幼稚園教諭二種免許状」「幼稚園教諭専修免許状」などの「幼稚園教員の免許資格」を取得しているか、取得する見込みであることが必要です。
「幼稚園教諭」に必要な資格である「幼稚園教諭免許状」は、定められた大学・短大などで所定の課程を修了することで取得できます。
公立幼稚園、私立幼稚園関係なく、「幼稚園の先生」として就職する場合はどちらも「幼稚園教諭免許状」が必要ですので、まずは、カリキュラムが整っている大学や短大への入学を目指しましょう。
幼稚園教員の免許を取得することができる大学や短期大学、通信課程については、文部科学省のホームページで確認することができます。
》参考URL:文部科学省|幼稚園教員の免許資格を取得することのできる大学
(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/daigaku/detail/1287039.htm)
「幼稚園教諭免許」の種類と取得方法
「幼稚園の先生」の免許には、3種類あることはご紹介した通りです。免許の種類は、免許を大学院・大学・短大・専門学校など、どの学校で取得したかによって変わります。
まず「一種免許状」は、4年制大学で「幼稚園教諭養成課程」に入学し、決まったカリキュラムの単位を取得し、養成課程を修了して大学を卒業すると取得できます。
次に、「二種免許状」は、短期大学や文部科学省が定める専門学校・養成学校などで「幼稚園教諭養成課程」に入学し、決められた単位を取得した上で養成課程を修了し、学校を卒業すると取得できます。
「専修免許状」は、大学院修士課程または専攻科の「幼稚園教諭養成課程」で学美、幼稚園教諭免許の取得が認定されている課程を修了することで取得できます。
免許の種類には優劣があるわけではないので、実際に就職をする際に、「二種が不利である」とか、「専修が優遇される」というケースはあまり無いようです。
ただし、短大卒業と大学院修了では、卒業時の年齢が大きく異なるのが一般的ですので、初任給を比べると「専修免許状」を持つ人の方が、「二種免許状」を持っている人より高くなるというのが一般的なようです。
地方公務員の「幼稚園教諭採用試験」について
公立幼稚園の「幼稚園の先生」は、地方公務員に該当します。採用試験は、自治体ごとに行われており、新卒の「幼稚園教諭」については、他の公務員と同じように夏にかけで応募から試験までが行われ、秋には採用が決まる、というのがざっくりとした採用スケジュールです。
また、秋から冬にかけて、追加募集のある自治体もありますので、希望する自治体の採用情報については、秋の時点で諦めずに、こまめにチェックすることが大切です。
また、欠員が出た場合に、中途採用試験が行われる場合もあります。採用予定数に対して応募者が集中し、狭き門であることは考えられますが、公務員の幼稚園教員を目指す方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
私立幼稚園から公立幼稚園に転職を目指している方はもちろん、ブランクがあるけれど、現在受け持っている園児がいない方にとっては、公務員の幼稚園教諭の中途試験は、ほかの現役の先生より受験しやすい環境にあると考えられます。
》参考URL:東京都特別区人事・厚生事務組合|特別区立幼稚園教員採用候補者選考について
http://www.tokyo23city.or.jp/kindergarten.htm
「幼稚園教諭」・「幼稚園の先生」に求められる力
幼稚園に通う、3歳から小学校入学前の子どもたちはとても活発です。興味があると夢中になるばかりに、思わぬ行動をとることもあります。
「幼稚園の先生」を目指す場合、子どもが好きなのはあくまでも最低条件で、元気で活発な大勢の子どもと毎日生活ができる体力は必須です。
また、まだ幼いばかりに、友達同士のやり取りや先生との会話でも大人たちとはまったく違う発想をする子どもたちに対し、感情に流されず、冷静に目標へと導く忍耐力と責任感が必要です。
その他、あらゆる世代の保護者とも毎日接するので、異年齢とのコミュニケーション能力も必要です。送迎をお母さんが担当する、お父さんが担当する、おじいちゃん・おばあちゃん、それ以外の保護者が対応するなど、園児の家庭環境によってさまざまですので、接し方が公平になるよう、またクレームにつながるような対応にならないよう意識している先生も多いようです。
技術的な面ではピアノ演奏や、折り紙・絵画・体育などの指導力も必要です。幼稚園によっては英語を取り入れている幼稚園もありますので、その場合には英語力も必要となります。
幼稚園内の季節の装飾である壁面制作や、保護者への配布物、役所に提出するような書類作成なども多いため事務処理能力も必要です。
まとめ
このページでは、公務員の「幼稚園教諭」になるには、どのような試験があるのか、どのような資格が必要かについてご紹介しました。
公務員である公立幼稚園の先生になる場合は、私立幼稚園の先生と同様に、まず「幼稚園教諭免許状」を取得することが必要です。
さらに、「幼稚園教諭免許状」を取得・または取得見込みの状態で、自治体ごとに行われる「職員採用試験」の「幼稚園教諭」部門を受験したり、「幼稚園教諭採用試験」を受験したりする必要があります。
また、試験の内容だけでなく、「幼稚園教諭に求められる力」についてもご紹介しました。これは、私立幼稚園の先生にも共通して求められる力でもあります。
ただ、公務員の幼稚園の先生の場合には、園にいる園児の他にも、地域にとっての「幼稚園の先生」として、地域の子どもや子育て、教育環境についても専門家であるという立場があり、子育て相談や、未就園児との交流等、地域との関わりが多い園もあるようです。
地方公務員である公立幼稚園の先生になるには、そのような私立幼稚園との違いについても意識して理解しておくことも大切かと思います。
また、以下の記事では、幼稚園の先生の仕事体験談について述べています。あわせてご参照ください。
》【幼稚園の先生の仕事内容】幼稚園教諭になるまでと1年目の仕事体験談
近年、少子高齢化が問題視されていますが、まだまだ保育園や幼稚園に入れず待機している児童は多くいます。そのため、幼稚園の先生も需要が高いのですが、小さな子供を相手にする職業ゆえの苦労も多くあります。今回は、短大を卒業してから私立幼稚園に4年間勤めた女性に、その時の経験を語っていただきました。
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