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【人と向き合う国家公務員】「刑務官」の仕事内容を徹底解説

「刑務官」は、法務省に所属する国家公務員の専門職で、全国にある刑務所や拘置所・少年刑務所にて、保安警備や受刑者に対する指導などを職務とします。本ページでは、その「刑務官」になる方法やその関連情報について解説します。

2017年06月27日更新

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目次
国家公務員「刑務官」とは?
勤務先の刑務所・少年刑務所・拘置所の役割・仕事内容
刑務官の各役職別の仕事内容
刑務官の1日・夜勤など
刑務官の研修について
刑務官の昇進について
刑務官役職・階級別仕事内容と役割
「刑務官」と「法務教官」の違い
まとめ - 平和を守るために縁の下で、国家を支える国家公務員
【人と向き合う国家公務員】「刑務官」の仕事内容を徹底解説

国家公務員「刑務官」とは?

刑務官とは、刑務所、少年刑務所及び拘置所において施設の保安警備、受刑者の処遇などを行う国家公務員(法務事務官)です。また、刑務官には公安職俸給表(一)が適用され、行政職俸給表(一)が適用される多くの国家公務員より高めの給与が支給されています。

刑務官と似ている公務員職

同じく刑務所などで勤務し公安職俸給表(一)が適用される職員には、ほかに法務技官(受刑者に対して作業の指導をする職員等)や法務教官(受刑者に教科教育等を行う職員)がいますが、これら職員には階級が付されない点で刑務官とは異なります。また、刑務官には規律違反者を摘発したり、武器を使用したりする権限がありますが、法務技官や法務教官にはありません。

刑事司法の「最後の砦」

刑事司法的には、懲役刑等の自由刑に服する受刑者にその刑罰を執行するとともに、その改善更生に向けた働きかけもする刑事司法の「最後の砦」の役割を担うのが刑務官です。

勤務先の刑務所・少年刑務所・拘置所の役割・仕事内容

刑務官が勤務する「刑事施設」

刑務官が勤務する刑務所、少年刑務所、拘置所を総称して刑事施設と言います。刑務所と少年刑務所は自由刑(懲役刑、禁固刑)が確定した者を収容し、刑の執行をする施設であり、拘置所は裁判中の人(未決被収容者といいます)を収容する施設です。

刑務所について

刑務所は成人の受刑者を収容し、少年刑務所は主に未成年の受刑者を収容することになっていますが、未成年の受刑者が少ないこともあって、成人の受刑者も相当数収容されています。

刑務所には男性と女性を分けて収容し、女性の受刑者だけを収容する刑務所は女子刑務所と称されます。また、専門的な医療を施す刑務所もあり、医療刑務所と称されます。無期刑など長期の刑に服する受刑者を集めた刑務所は長期刑務所と呼ばれています。さらに、美祢社会復帰促進センターなど、官民共同で建物を造り運営する形態の刑務所もあります(「刑務所」の名称は付きませんが、法律上は刑務所です)。

刑務所の使命その1「刑務所の運営」

刑務所は、受刑者を収容し、その改善更生を促して社会に復帰させる役割をもった施設であり、その施設そのものに使命があります。

そこには、受刑者を社会から隔離することで社会の平穏を確保するとともに、社会正義(被害者)を満足させるという役割が含まれています。

ですから、受刑者が刑務所から逃走することは絶対に許されません。また、自殺も許されません。彼らは決められた期間自由刑に服すことによって社会正義が実現され、被害者は納得します。ですから彼らにはそれを全うさせなければいけないのであり、自殺することはその義務を履行しないことになるからです。受刑者の中には「いっそ死んだ方がまし」と考える人もいますが、刑務所はそれを許しません。

このように、受刑者の逃走、自殺を防ぎつつ刑務所内の平穏を保つ(暴動などを起こさせない)ことが刑務所の大きな使命の一つであり、主に刑務官がその任に当たります。

刑務所の使命その2「改善更生」

刑務所のもう一つの大きな使命は「受刑者の改善更生を促すこと」です。

これは刑務所だけで完結できるものではなく、出所後における保護観察所や保護司、地域自治体などの努力によって果たされるものですが、刑務所は1日24時間、365日彼らを拘束し、改善更生に向けての働きかけができるので、その役割は重大です。

刑務所における改善更生の働きかけについては、平成18年以前の監獄法時代は「矯正教育」といって、受刑者の希望に応じる形で行われていましたが、同年に成立し翌年施行された「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」以降、受刑者は「矯正処遇」(作業、改善指導、教科指導)を受ける義務があることが明記されましたので、改善更生を行うための環境が整備され、刑務所はかつてないほど彼らの改善更生・再犯防止に力を入れるようになってきています。

この改善更生・再犯防止に向けた働きかけについては、法務教官や法務技官の専門家と刑務官が連携しながらいます。

死刑について

なお、以上は自由刑に服する受刑者のお話ですが、刑罰の一つである死刑については基本的に拘置所で行われます。死刑確定者の刑は「死」ですから、死刑の執行までの間は受刑者ではありません。したがって、死刑執行までの間は裁判中の人と同様に日々を送ることになります。

刑務官の各役職別の仕事内容

刑務所等刑事施設の組織形態は、その規模等によって異なります。その中で最も多く標準的なタイプが2部制庁ですので、この稿ではこの2部制庁を取り上げて役職者の仕事の内容を説明します。

2部制というのは、所長の下に「部」が二つ置かれていることから使われる呼称です。総務部と処遇部がそれです

総務部について

総務部というのは一般の官庁と同じような組織であり、庶務課、会計課、用度課の三つの課があります。役職としては部長と課長が置かれ、そのほか中間監督者としての係長と技術専門職のスタッフが配置されています。

処遇部について

一方の処遇部は、受刑者や裁判中の人(総称して被収容者といいます)の身柄を確保しつつ、被収容者の処遇に当たります。つまり、受刑者には刑を執行し、裁判中の人(未決被収容者)については、円滑な裁判が行われるように配慮した処遇が行われます。

この処遇部には、総務部と違って専門官制が敷かれています。専門官制というのは、課制にありがちなセクト主義を排し、臨機応変・柔軟に仕事ができるように作られた組織形態のことで、具体的には、処遇部長の下に二人の首席専門官が置かれ、それぞれの首席専門官の下に統括専門官が置かれます。その下には中間監督者(主任矯正処遇官)や一般の刑務官が配置されます。

その他の部署・課

以上の総務部と処遇部のほか、いずれの部にも属さない医務課もあります。課長はお医者さんで、その部下は看護師さんと刑務官です。

以上が2部制の刑事施設の組織の概略です。これを基に、それぞれの役職別の仕事の内容を説明しましょう。

「所長」の仕事内容

所長は法務大臣に直結する独任制官庁と呼ばれる官職です。刑務所等刑事施設の意思決定などは所長だけが持つ権能であり、部長以下はその補助機関、手足に過ぎません。ですから、所長の判断は絶対ですし、まさに鶴の一声で刑事施設は動きます。

逃走、火災など、刑事施設ではいつ何時重大な事案が発生するとも限りません。そのような時、所長の指揮によって迅速に対応できるようにすべての権能が所長に集中しているといってもいいでしょう。当然ながら、それだけに責任もまた重大です。

「総務部長」の仕事内容

総務部長は、上記のとおり、庶務課、会計課、用度課の各課長を指揮して総務部内を統括します。また、総務部長は刑務所等刑事施設のナンバー2のポストとされており、所長の代決処理をしたり、所長が不在のときには刑事施設としての意思決定をしたり、外部機関等との応接などを行います。

(1)庶務課長

庶務課長は、庶務課の所管する事項を所掌します。庶務課が所管する主なものは、公文書処理、人事、名籍、指紋、統計といったところです。このうち名籍と指紋は刑事施設独特のものでしょう。名籍というのは、受刑者等被収容者の身分関係を記録・保存するといったものです。いわば被収容者の戸籍係みたいなもの。指紋というのは、被収容者が入所した際に指紋を採取して、記録・保存することです。

(2)会計課長

会計課長は、会計課の所管する事項を所掌します。会計課が所管する主なものは、経理と領置物に関する事項です。経理とは一般の官庁と共通するものであり、刑事施設が購入した物品等の経理処理や職員に対する給与の支給などを指します。一方の「領置物」に関する事項は刑事施設ならではのもので、被収容者の私物を保管することです。入所した際にそれらを預かり、出所する時などに返します。

(3)用度課長

用度課長は、用度課の所管する事項を所掌します。用度課が所管する主なものは、予算の執行、営繕、給養、被服管理です。予算の執行は一般の官庁と共通するもので、刑事施設で必要とされる物品等を予算の範囲内で購入したりします。被服管理とは被収容者の衣服の管理のほか、職員の制服の管理もします。

一方、営繕と給養はいかにも刑事施設らしいものです。まず営繕ですが、これは施設の建物の維持管理をすることです。不具合が起きれば修繕をし、簡単なものなら自分たちで作ります。受刑者の作業の一形態として彼らの労力を使って行うことも多くあります。もう一つの給養とは、被収容者の食事を作り提供することです。献立を作り、食材を購入し、刑事施設内の「炊場」という所で調理します。調理は職員の監督の下で受刑者が行います。

処遇部長

処遇部長は、上記のとおり二人の首席専門官を指揮して処遇部内を統括し、受刑者等被収容者の処遇を行います。総務部と比べて圧倒的に部下の数が多く、また、刑務所等刑事施設の根幹をなす被収容者処遇をつかさどるので、その権限は強く、責任も重大です。

(1)首席矯正処遇官(処遇担当)

2部制の刑事施設には二人の首席矯正処遇官が置かれますが、その一人が処遇担当の首席であり、部下数も多く、被収容者処遇の全般をつかさどるので、権限・責任ともに大きいものがあります。

この処遇首席が所管する主なものは、警備、保清、作業等の処遇の実施です。警備とは刑事施設内外を警備して刑事施設の保安を維持することです。保清とは刑事施設内外を清潔に保つことで、被収容者が居住する部屋を始め、構内・構外も対象となります。刑事施設内は一般の人がびっくりするくらいきれいに保たれています。作業等の処遇の実施とは、懲役受刑者に対して刑務作業を行わせるほか、あらゆる処遇の実施を受け持っているということです。

処遇首席の下には通常3人の統括矯正処遇官が置かれます。それぞれ、第1担当、第2担当、第3担当の統括と呼ばれ、処遇首席の所掌事務を分担します。

(2)首席矯正処遇官(企画担当)

2部制の刑事施設に置かれるもう一人の首席矯正処遇官です。その主な所管は

①作業の企画・立案・指導等
②改善指導・教科指導・余暇活動に関すること
③分類・作業の指定・仮釈放審査・保護に関すること

で、相当範囲が広いです。

①の作業関係は、処遇首席が作業の実施を所管するのに対して、企画主席は「企画・立案・指導等」を所管します。例えば、民間業者と契約して材料を刑務所に持ち込んで受刑者に組み立てさせるといったことまでが企画首席の仕事で、実際に受刑者に作業をさせるのは処遇首席の仕事、というふうに分担するわけです。また、企画首席の下には職業訓練指導の資格を持つ作業専門官がいて、彼らが受刑者に作業の仕方を指導します。

②の「改善指導・教科指導・余暇活動」とは、受刑者の改善更生に向けた働きかけや、余暇活動の企画などをすることです。再犯の危険性を低減・除去するための訓練等を受けた法務教官や教員免許を持つ法務教官が部下におり、彼らが中心となって行います。余暇活動とは様々なクラブ活動や運動会などの行事、慰問などを指します。

③の「分類・作業の指定・仮釈放審査・保護」というのは、受刑者の生活史・性格・犯罪に至った原因などを調査し(心理学の専門官である法務技官などが担当)、受刑者の適性に合った刑務作業の指定案を作成し、また、仮釈放に向けて審査をし、保護観察所などと連携し、出所後のケアをするといった仕事のことです。

企画首席の下には通常3人の統括矯正処遇官が置かれます。それぞれ作業担当、教育担当、分類担当の統括と呼ばれ、企画首席の所掌事務を分担します。

なお、拘置所の場合は、二人の統括が置かれ、それぞれ指導担当、分類担当と呼ばれます。刑務所と違って被収容者の大部分は裁判中の人なので、刑務作業に関する仕事が少ないからです。

(3)医務課長

上記のとおり、医務課は総務部にも処遇部にも属さない部署です。医務課長には医師が充てられ、保健、衛生、防疫、医療、薬剤に関する仕事をします。医務課には正看護師や准看護師が置かれ、このうち准看護師については、刑務官が一定期間養成所に入って学習・訓練を重ねて資格を取得し配置される場合があります。基本的に刑務官ですので、一人二役をこなす貴重なスタッフとなっています。

刑務官の1日・夜勤など

刑務所等刑事施設は1日24時間、365日稼働している特殊な施設ですから、そこで働く刑務官の勤務形態も基本的に交替制勤務となります。朝出勤して夜間に仮眠を取って翌日の朝まで勤務します。このような昼夜勤務に服する班が3~4班あって、交替して勤務に就くわけです。1昼夜勤務すると翌日は非番であり、その翌日がまた昼夜勤務となったり日勤勤務(日中だけの勤務)となったりしますが、これらの刑務官にも週休二日制が適用されますから、非番以外に1月当たり8回程度の休日(週休日)が割り振られます。

これら昼夜勤務に服する刑務官がいる一方で、通常の官庁のように日勤勤務にのみ服する刑務官もいます。特に、役職者や総務部と医務課の職員は日勤者のみで構成されます。勤務時間は、例えば朝の8時半から夕方の5時までで、その間に30分の休憩と同じく30分の休息が入ります。通常は、昼休みとしてこれらをまとめて1時間割り振られます。これは、いわゆる官執勤務者と呼ばれる職員と同じです。

昼夜勤務職員の勤務開始時間や終了時間は一定しておらず、その刑事施設の被収容者の日課時間などに応じて、過不足なく刑務官を確保できるようにしています。具体的には、「配置盤」などと呼ばれる職員の勤務配置盤を見て、自分の翌日の出勤時刻、勤務内容などを確かめて勤務に就くことになります。

したがって、一人の刑務官の仕事の内容も一定しておらず、例えば昼間は工場(受刑者の作業場)の交代勤務に就いたかと思うと面会立会い勤務に就いたり(受刑者が面会する際に面会所に連れて行き面会内容などを書き取る仕事)、受刑者の運動や入浴時の警備に就いたりします。

勤務内容が一定しないので、最初は不安に思う刑務官もいるようですが、配置担当のベテラン刑務官(配置主任と呼ばれる人)が、その刑務官の経験や適性を見ながら勤務箇所を決めていくので、まさに適材適所が実現されているとも言えます。また、多くの勤務を経験することで、刑務所等刑事施設の業務全体の理解が進むというメリットもあります。

刑務官の研修について

刑務官に対する研修には、通常の官庁でも行われる職務知識等の付与等を目的として行われる研修のほか、昇任研修と呼ばれる研修があります。

このうち前者については他の一般官庁と基本的に同じですので、後者の昇任研修について説明しますと、これは研修と昇任・昇進が連動しているタイプの研修なのです。具体的には、初等科研修は新採用になった刑務官が全員受講する研修ですが、その後の中等科研修と高等科研修は昇任研修となっています。どちらも競争試験で合格した者だけが受講できて、中等科研修を卒業すれば副看守長の階級まで昇進する資格を得ることができます。副看守長とは、警察に例えると警部補クラスなので、職名で言うと係長や主任矯正処遇官というクラスまで昇任できるということになります。

もう一つの高等科研修にも合格し、卒業すると、看守長以上の階級まで昇進できる資格が得られ、統括矯正処遇官や首席矯正処遇官、課長、部長、所長クラスまで昇任できます。

これら昇任研修は、競争試験に合格すれば入れるので、学歴は全く関係ありません。実力だけが求められます。したがって、高卒で刑務官になった人が高等科研修を卒業した結果、東大卒の人を部下にするような高いポストに就くということもあり得ますし、実際にそのようなケースがあります。このような昇任研修制度によって、刑務官の人事管理の公平性と実力主義が担保されているのです。

刑務官の昇進について

「昇進」とは、刑務官の世界では階級が上に上がることを指します(係長から課長へ出世するように、職名が上の段階に上がることは「昇任」と言います)。

刑務官には7つの階級があります。看守、看守部長、副看守長、看守長、矯正副長、矯正長、矯正監の7つです。これらのうち、実際に辞令に記載されるのは看守長までで、それ以上の階級については発令されません(職名で発令されます)。また、看守と看守部長の間に「主任看守」という名称の職位がありますが、これは「公の名称」といって、階級ではありません。

刑務官の階級は、基本的には上記した昇任研修(中等科研修と高等科研修)を受講し、卒業しなければ上に上がれません。しかしながら、例外として、それら昇任研修とは別に行われる研修の入所試験に合格し、修了すれば上位の階級に上がれる場合もあります。例えば、中等科研修卒業者について、既に副看守長まで昇進しており、勤務成績が優秀であり、入所試験に合格した者には特別の研修を受ける機会が与えられ、それを修了した者については看守長に昇進させ、統括矯正処遇官以上の官職に昇任させることができる制度などがあるのです。

刑務官役職・階級別仕事内容と役割

刑務官の役職の種類とその仕事の内容や階級が7つあることなどは上記のとおりです。ここでは、仮に刑務官が100人いる刑務所を想定して、その中での刑務官たちの階級の分布や仕事の内容をもう少し詳しく見てみましょう。

まず、このような刑務所における看守長以上の役職者の数を数えてみると、14人になります(所長、部長2、課長3、首席2、統括6)。中間監督者(係長又は主任矯正処遇官の職名で、階級は副看守長)は大体20人くらいでしょう。すると残りの66人が看守部長以下の職員となります。刑務所は階級組織ですから、このように7割ほどが看守部長と看守が占めるという強いピラミッド型の構造をしています。

そしてまた、これら看守部長以下の大半が処遇首席の下で受刑者等被収容者の処遇に従事していますので、それらを見てみましょう。

懲役受刑者は刑務作業に服する義務がありますので、工場(受刑者の作業場)で仕事をさせます。この刑務官100人の刑務所の場合、工場の数は10個と想定しますと、それぞれの工場の担当職員(工場担当と言います)が10人となります。また、病気になったり規律違反を犯して懲罰(謹慎罰)になった人とか、人間関係のトラブルなどのため工場で働けない受刑者は病棟や居室棟で1日を過ごしますので、それら病棟などに配置する担当職員も必要です。これに3人を充てたとします。これら担当職員が休憩・休息を取る場合には交代職員が必要ですし、刑務官の全体を指揮する事務所(処遇首席がいる建物)には様々な事務をする刑務官もいます。面会のために受刑者を面会所まで連れて行く刑務官や規律違反を犯した受刑者を調べる刑務官もいます。運動、入浴の際の連行・警備の職員も必要です。これら多様な仕事を処遇部門の刑務官はこなしているのです。

なお、前日夜勤した職員は非番ですので日中は刑務所におりませんし、受刑者の護送のために出張中の刑務官や研修中の刑務官も刑務所にはおりません。

「刑務官」と「法務教官」の違い

国家公務員の「官名」は3種あります。法務事務官、法務教官、法務技官の3種です。そして、刑務官の官名は法務事務官です。ですから、刑務官として採用されると「法務事務官(看守)甲野太郎」というような辞令が渡されます。刑務官には必ず階級が付されますので、官名のほかにかっこ書きで階級名が書かれるわけです。

他方、法務教官や法務技官については、階級職員ではないので階級名の付記はなく、「法務教官甲野太郎」といった具合の辞令になります。

刑務官の仕事については既述したとおりであり、総務部・処遇部・医務課のいずれにも配置されていますが、法務教官の場合は専ら処遇部の企画首席の下に配置され、教育部門担当の統括矯正処遇官の指揮命令を受けて受刑者に対する教育・指導を担当しています。

例えば、法務教官の大半は教員免許を取得していますので、その能力を生かして受刑者に教科教育を施します。受刑者の学歴は低く、多くは中卒であり、その義務教育すら満足に受けずに文字を書けない人すらいます。それらの受刑者が社会生活を送る上で困らないように基本的な教科教育を行っているのです。

法務教官は、受刑者の余暇の過ごし方のメニューも考えます。彼らに見せるビデオを選んで全館での放送や慰問のセッティングなどもします。そして最も重要なのは改善指導。これは、受刑者を更生させ、再犯を防止するために行う指導であり、その成否は受刑者の再犯率という形で目に見えることもあって手抜きはできず、かつ難しい仕事です。覚せい剤事犯者や性犯罪者は特に再犯率が高いとされることから、特別なメニューが用意されており、本省の監督を受けながら法務教官が担当します。

まとめ - 平和を守るために縁の下で、国家を支える国家公務員

刑務官が働く場所は刑務所等刑事施設の中がほとんどなので、一般国民の目に触れることはまずありません。しかし、刑務官は、罪を犯した人を刑事施設に収容し、その収容を確保することで社会に平穏をもたらし、犯罪被害に遭うことから国民を守っているのです。

同時に、受刑者の処遇を通じてその更生を図り、再犯を防ぐ仕事にも従事します。特に工場担当職員の彼らへの影響は大きく、日常的に行われる訓話、指導などによって更生する受刑者が多数に上るとも言われています。

こうして彼らが出所してから再び罪を犯して新たな犯罪被害が出ることから国民を守っているわけです。端的に言えば、刑務官は国民を2度守る仕事をしている国家公務員です。

もちろん、人を相手にする仕事ですから思うようにいかないこともあります。暴力団などもいますので危険とも隣り合わせです。ですから決して楽な仕事ではありません。それでもあるベテラン刑務官は言いました。「刑務官になって、確かにきついこともあるけれど、つまらないと思ったことは一度もない。そんな刑務官の仕事を選んでつくづく良かったと思う。」と。

そんなやり甲斐のある刑務官に、あなたもなってみませんか?

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