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【発達障害は病気じゃない】生き辛さからの脱却、大人の発達障害について

職場・学校など毎日の生活を過ごしている中で、人間関係のトラブルに良く合ってしまう、一つの物事に集中できないなど、いわゆる「普通の人」ができている事が苦手な人を見かけたりするかもしれません。

もしかしたら、それは「発達障害」かもしれません。今回は、現役世代の、大人の発達障害について解説します。

2018年01月25日更新

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目次
発達障害とは
発達障害は大きく分けて3つの型がある
発達障害かを見分ける為の取り組みとは
診断されずに育った大人たち…大人の発達障害とは
生き辛さを感じたら、発達障害かもしれません
【発達障害は病気じゃない】生き辛さからの脱却、大人の発達障害について

発達障害とは

特性によって色々な形がある

発達障害とは、先天性の脳障害の事です。病気ではありませんので、完治はしません。けれども、投薬や療育で、特性を押さえる事や、良い所を伸ばす事はできます。

知的障害の有無や、得意な事苦手な事も、発達障害の型によって異なります。また、中には自閉症スペクトラムとADHDの併発型などもあります。

100人に1人が発達障害を発現すると言われていますので、決して低い確率ではありません。

先天性のもので、原因は不明

かつては、発達障害といえば親のしつけや本人の気質、また育った環境や予防接種のワクチンが原因と言われていました。けれども、現在では発達障害は先天性の脳障害という事が判明し、これらが原因でない事が分かっています。

また、遺伝性があると言われていますが、複雑な要因が絡まった上で発現する脳障害の為、具体的な遺伝性や原因についても分かっていません。

発達障害は大きく分けて3つの型がある

自閉症スペクトラム(ASD)

以前は「アスペルガー症候群」と呼ばれていました。Autism Spectrum Disorderの略でASDとも呼ばれます。

対人関係での距離の取り方や、場の空気を読むといった事が苦手で、社会性の欠如や人とのコミュニケーションを取る上でトラブルを起こす事が多いです。人との適切な距離が取れず、自分のペースで相手に接する積極奇異型、人と関われないので自分の存在を消してしまう受動型、そして人がそこにいないように振舞う孤立型にも分けられます。

また、独自のこだわりがあるのもASDの特徴です。その為、自分の中で定めたルールに反する事を受け入れない、変化を嫌う特性もあります。

また、ASDの場合には知的障害を伴っていない場合が多く、逆にIQが120を超える、知的レベルが高い人が多いのも特徴です。その為、自分のこだわりに適したひとつのものを極める傾向も高く、研究職など特性を生かした天職を見つけて社会で活躍している人も多いです。

ADHD(注意欠如多動性障害)

そそっかしい、忘れ物が多い、思い付きで行動してしまうのでミスが多い、などの特性を持つのがADHDです。

Attention Deficit Hyperactivity Disorderの略です。ADHDの人の頭の中は、いつでも忙しい状態にあるので、落ち着きがない、物事の優先順位を付けるのが苦手で、やらなければいけない事を後回しにしてしまう事もあります。

ADHDのイメージでもある、落ち着きがない特性を持つのは多動/衝動性優勢型と言われています。衝動的な行動が多い、順番が待てないなど社会のルールが守れない問題行動をおこしてしまう事もあります。常に体の一部を動かしている状態である人も多いです。

一方で女性のADHDに多いのが不注意優勢型です。動作における多動性はありませんが、忘れ物や予定を忘れてしまう事が多く、うっかりミスも多いです。段取りや時間管理ができず、遅刻をしてしまうこともしばしばあります。また、整理整頓が苦手で、いわゆる「片づけられない女」もこれに当てはまります。

また、他の発達障害は療育がメインとなりますが、ADHDはコンサータとストラテラという薬の投薬によって、衝動性や多動性を押さえる事もできます。療育に加えて投薬も上手く組み合わせる事によって、ADHDの人の生き辛さの解消に繋がります。

LD(学習障害)

文字を読んだり書いたりが難しい、ディスクレシアと呼ばれる読み書き障害や、数の概念が理解できない為、時計が読めない、計算ができない算数障害などの障害が、LDです。Learning Disabilityの略です。

LDは、LD単体で発言する事は珍しく、多くがASDやADHDと併発している事が多いです。学校での勉強ができないなど、子供時代は苦労する事が多いですが、大人になると計算機を使う、タブレットで仕事を進めるなど、代替できるものがたくさんあります。とはいえ、具体的な仕事の進め方を学ぶ時に頭に入ってこないなどの問題にぶつかる事もあります。

発達障害かを見分ける為の取り組みとは

今は診断方法もたくさんある

発達障害で必要なのは、療育や場合によっては投薬など、必要なケアを行う事です。また、その人の持つ特性を理解した上で必要なケアを行えば、発達の凹凸を少なくし、また得意な事をより伸ばす事もできます。

今は、できるだけ早く発達障害と診断されるために色々な取り組みが行われています。赤ちゃんの時の乳児健診から、幼児健診、就学前診断などです。また、自治体によって健診の判定が甘く、軽度の発達障害の場合には見逃されてしまう事もありますが、保護者が違和感を感じた時には、小児神経科などを受診して、WAIS-3(ウェイス・スリー)などの心理テストを受けさせるなど、発達障害が疑われる際の受診もできるようになっています。

診断後も療育を受けられる

健診の結果、発達障害が疑われる時には親子教室や療育施設の紹介を受ける事もできます。また、自宅での子供との関わり方を学ぶ事もできます。

例えば、ASDの場合には指示が通りにくい特性があります。そして、発達障害を持つ人は、視覚優位の場合と聴覚優位の場合があります。視覚優位の場合には、何度声がけしても通らなかった指示が、指示の内容が書いてある絵カードを見せると、指示が通るようになる可能性があります。発達障害と言えど、ひとりひとりで特性も微妙に異なりますので、それらを理解した上で、適切な関わり方を学べば、保護者にとっても、そして子供本人にとっても生活がしやすくなります。

特性に合った進路を選ぶ事もできる

発達障害の子供は、特性に応じて進路先を選ぶ事もできます。支援学級や学校、通級制度を使用する、フリースクールを併用するなどです。

少しずつですが、発達障害の人も生きやすい社会が出来上がってきています。

診断されずに育った大人たち…大人の発達障害とは

昔は見逃される事も多かった

今は、発達障害と分かれば必要なケアを受ける事もできるようになりました。また、見逃されやすい発達障害でも、できるだけ判明できるような取り組みが行われている事も分かりました。

ところが、発達障害に対する社会的な取り組みが行われるようになったのは、つい近年の事です。その為、現役世代の中では、発達障害と診断されずにそのまま育ち、大人になってからトラブルを起こしてしまうケースもあります。

以前は、自閉症は後天的な物で、親のしつけや関わり方の悪さなどが原因であると言われていました。もちろん、今でも過度の虐待や不適切な環境下で生育をした場合には、子供に発達障害と似た傾向が出てしまいます。それとは別に「できるだけ多くの子供に関わらせないと、自閉症になる」など当たり前に言われていたのです。

発達障害は、100人に1人の確率ですので、決して少なくありません。昔は、「ちょっと変わった子供」として見逃され、そのまま成長する事も多くありました。

社会に出てからトラブルを起こす事もある

発達障害が見逃され、必要なケアを受けずに大人になると、とたんに行き辛さを感じる人がいます。例えば、仕事を何度言われても覚えられない、優先順位がつけられないので仕事が片づけられない、周囲の人間とトラブルになりがちなどASDの特性、忘れ物やうっかりミスも多く、仕事に支障が出る、遅刻が多い、自宅だけでなくデスク周りの整理整頓もできないなどのADHDの特性などです。

ひとつの仕事に就かずに職を転々とする、引きこもりとなる、会社の中でいじめの標的になる事もあります。また、衝動性から高い買い物を繰り返して借金を作ってしまう、詐欺に引っかかってしまうなどの犯罪被害に合う事もあります。発達障害の本人が犯罪を犯してしまう事もあります。

また、仕事だけでなく結婚生活や育児にも弊害がでます。片付けができずに自宅はいつでも散らかっている、予定の管理ができずに子供の通院や行事を忘れる、家事が決まった時間に終わらない、などです。

二次障害を起こす事もある

自分自身が発達障害である事が見逃されて成長した人は、普通の人と同じようにふるまう事を求められます。ところが、本人はそれができません。それは発達障害の特性ゆえのことですが、周りにはそれが分かりません。その為、本人の努力不足や能力の低さなどを指摘されてしまいます。

「普通の人ができる事ができない」という事から、自己肯定感が低くなり、殻に閉じこもりになります。その結果、鬱などの精神障害などの二次障害の原因ともなります。

生き辛さを感じたら、発達障害かもしれません

発達障害は恥ずかしい事ではない

仕事が続かない、人間関係のトラブルを繰り返すなど、生きていく上で色々な困難がある時には、とりあえずそれを解消するための対策を行う人がほとんどです。うっかりミスが多いならメモを取る、チェックリストを作成するなどです。人との距離の近さを指摘されたら、人が不快にならない距離を取るように努力するなどです。

自分自身で努力をしても、生き辛さの解消につながらない時には、自分自身が発達障害かもしれない、という事を考えてみても良いでしょう。

発達障害、というと恥ずかしさなどから認めない方も少なくありません。けれども、発達障害は決して低くない発現率を持つ、先天性な脳障害です。

特性を生かして活躍できるチャンスも

今は、自らが発達障害である事を公表している有名人も多くなりました。そして、特性を生かして活躍している人も沢山います。自分が発達障害である事が分かれば、それを受け入れて、生き辛さの解消につながるだけでなく、自分の新しい可能性の発見になるかもしれません。

例えば、研究職はIQの高いASDが多いといわれています。持ち前の知的能力の高さを生かしつつ、人とコミュニケーションを取らずに研究に没頭できる環境が用意される事が多い為、存分に自分の良い所を発揮できる仕事です。

また、積極性や行動力の高さがあるADHDは、ASDと比べてコミュニケーション能力が高い事も多いため、自ら起業して社長になる人も多いです。うっかりミスや忘れ物の多さは、人柄の良さや行動力に惹かれた、周りの優秀な部下がカバーしてくれます。

気軽にチェックできる所もある

今は、インターネット上でも発達障害か気軽にチェックできるページもたくさんあります。チェック内容も、簡単な質問に答えていくだけのものです。

また、チェックの結果発達障害の可能性があるという結果が出た時には、その後の受診の方法などを調べることもできます。

そのまま医療機関へ行って診断を受ける事もできますが、いきなり病院は敷居の高さを感じる、という方は、インターネットの簡単なチェックを利用してみても良いでしょう。

子育てをしながら、自分の発達障害に気が付くことがある

自分自身が父親や母親になり、子育てをしている中で育てにくさを感じ、子供の発達検査を受けようとしたら、自分にもたくさん当てはまる項目がある事に気付く人がいます。

そして、子供と一緒に発達検査を受けた所、自分自身も発達障害だった事に気がつくケースもあります。

療育は早いにこしたことはないが、手遅れもない

発達障害の判明や、それに対する療育や投薬などの適切なケアは、早ければ早いほど有効です。そして、発達障害の発見が遅れて適切なケアを受けていない場合には、社会に出てから問題を起こしてしまう可能性が高い事も分かりました。

けれども、発達障害の判明と、それに対するケアを受ける事に、決して手遅れはありません。前述の通り、子供と一緒に発達検査を受けて自分の発達障害が分かるケースもあります。その時でも、子供の関わり方と一緒に、自分が生きやすくなる方法を学ぶ事もできます。

ケアや対応は、早ければ早いほど良いですが、手遅れになる事はありません。大切なのは、発達障害を見つける事、そして受け入れる事です。大切なのは、発達障害を抱えながらもそれに気づかず、生き辛さを抱えている人を少しでも減らす事ではないでしょうか。

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