刑務所の保安維持する国家公務員「刑務官」の訓練について

国家公務員専門職である「刑務官」。刑務官は、刑務所や拘置所などで、保安警備や受刑者に対する指導などの職務を全うするために、様々な訓練が実施されます。今回は、そんな「刑務官の訓練」の中で、主なものについて解説します。

刑務官礼式

刑務官が制服を着た場合に行う基本的な礼式の訓練です。例えば、敬礼の仕方(着帽している場合、脱帽している場合、警棒を持っている場合、歩行中の場合、個人ではなく部隊の場合等)、辞令の受け取り方など。

点検

刑務官が勤務の開始前などに行う「点検」の要領についての訓練です。整列の仕方、人員点呼の仕方、報告の仕方、物品(刑務官手帳、捕じょう、呼子笛等)検査の仕方などを学びます。階級が最も下の看守の場合は専ら点検を受ける側になりますが、階級が上がるにつれて点検をする側に立つことも多くなりますので、それぞれの立場で訓練する内容が異なってきます。

刑務官操練

刑務官の集団の動かし方の訓練です。刑務官は時に部隊として行動する場合がありますので、その部隊の整え方、人員確認の仕方、動かし方などを学びます。これは、受刑者などの集団をコントロールする方法にもつながるので重要な訓練の一つです。

矯正護身術・武道

刑務官が受刑者などから襲われた場合に自らの身を守り、相手に必要以上のダメージを与えないようにしつつ制圧することはとても重要ですので、この訓練は採用直後から退職するまで継続して行われます。その技術レベルに応じて初級、中級、上級に分かれ、上級者は指導者となります。

また、柔道と剣道の訓練も行われ、自分の所属する刑務所等の柔道部か剣道部のいずれかに入部して継続的に訓練します。この武道の訓練は職務として行われるので、勤務時間外に行われれば超過勤務手当がつきます。

警備用具

刑務官は、受刑者等が所内の規律・秩序を害する行為などをした場合には様々な警備用具を使用してこれらを抑止します。例えば、警棒、警じょう、さすまた、盾、催涙弾、催涙スプレーなどです。警棒の操法は採用直後から訓練しますが、その他は徐々に、又はその配置部署などに応じて訓練します。

捕縄、手錠、拘束衣、保護室収容

捕縄と手錠は受刑者等を護送する場合などに使用します。拘束衣は受刑者等が自傷・自殺行為を繰り返してやめないときなどに使用します。また、大声を発し続けたり他人に危害を加えるおそれがあるときなどには保護室に収容しますが、いずれの場合も、適正に行わないと受刑者等を傷つけたりするので、特にしっかりマスターしなければならない訓練です。

武器

受刑者等が暴動を起こしたりした場合にこれを収束させるため、刑務官は小型武器(けん銃)を使用することができるので、その訓練をするものです。これも、その使用を誤った場合には重大な事態を招きますので、特に心して受けるべき訓練となります。

特別警備活動

受刑者等の集団が刑務所に対して不法行為を行った場合などにおいて、これを阻止したり排除したりする場合には、刑務官も隊を編成して対応する必要があります。特別警備活動とはそのような場合を想定して行う訓練です。

消防操法

刑務所の中で火災が発生した場合は、消防署からの到着を待たずに自ら消火活動を開始します。したがって刑務官は、消化器の操作の仕方はもちろん、施設内に設置されている消防ポンプの操法の訓練も受け、万一に備えます。

救急法

受刑者等がけがをしたり急病になったりした場合に、医師による診療を受けるまでの間に救急救命措置をすることが重要です。そこで刑務官は、救命手当、応急手当、AEDの操作法などについて訓練を受けます。

まとめ

刑務所とひとくくりに言っても、施設で働く人、事務職をする人、矯正局で働く人、他省に出向する人など様々ですが、基本的には刑務官は警察や自衛隊と同じく保安や警備を主な業務としています。そのため、刑務官の訓練は護身や武道などであることが多く、日々実践的でハードな訓練を積んでいるのです。

本記事は、2017年8月27日時点調査または公開された情報です。
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