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「大学教授」になるには?必要なのは忍耐力?非常に険しい大学教員事情

「大学教授」になるためにはどうしたらいいでしょうか?現在の大学教授・大学教員の採用の仕組みや大学教授になるために必要なことや最近のトレンドである任期制度について、そして、現在なぜ厳しい状況にあるかという背景について解説します。

2017年04月23日更新

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目次
年々厳しくなる、教授への道。理由はもちろん…
大学教員の現場と文部科学省の存在
教授になるために知っておくべき「大学教員の採用の仕組み」
教授へのキャリアルート カギは採用数と団塊世代からの世代交代
最近の教員採用の動向ポイント「任期制度」
最後に ー 教授になるための資質とは?
大学教授になるには

年々厳しくなる、教授への道。理由はもちろん…

正直なところ近年の動向みると、大学の専任教員になることは以前よりも難しくなってきているように思えます。

その理由は国内における少子化傾向と大学数のバランスが崩れてきており、大学経営事情に何がしかの問題を生じてきているからに他なりません。

全国での小・中学校の統廃合が進み、その後利用が地域の課題になっているように、大学も例に漏れず過剰な設立の抑制や経営の健全化が問われてきており、文部科学省によって厳しく大学の経営や運営を管理することで健全化を図られ、様々な問題に関する厳しく具体的な指導が行われているのです。

大学教員の現場と文部科学省の存在

皆さんもご承知の通り、学校教育の全ては文部科学省によってコントロールされています。現在は、ひと昔前の大学のように学部創設や教員採用などにおける大学側の自由度は高くなく、かなり厳しく細かな指導が入るようになってしまっているのです。この厳しい状況の中で他校よりも優位な環境を作り出すために、新学部や学科創設を試みる訳ですが、それらを申請する際には、構成する科目の内容や採用する教員にまで文部科学省の指摘が入ります。つまり「シラバス」と呼ばれる科目毎における15回分の授業内容にまでその指摘は及んでしまいます。

ある大学では、新設する学部の教員を選出し終えて申請しても、文部科学省からその教員に対し不適格の指導が入り、一度決定した教員を変更させられたといったことも耳にします。

このような背景から考えると、これから大学教員になるのは結構大変なのです。従来であれば大学側が戦略的に採用することが難しくなかった教員でも、今日では、採用する科目に関係する論文の実績が求められます。いくら教科に関わる実績を有するような人材でも論文実績がなければ大学の希望のみで採用することはできません。

教授になるために知っておくべき「大学教員の採用の仕組み」

教員の採用は、教授の退任などによって空席ができるか、新規科目に構成変更が生じた場合などに採用のきっかけが訪れます。つまり何らかの都合で教員に空席が生じなければ採用のチャンスは訪れないわけですが、特に教員候補の多い人気科目などでは、採用のチャンスが少なくなるかもしれません。

逆に新たな分野が学生募集の目玉となる画期的な教育ジャンルが生み出されたような場合には、それまで全く芽がないと思われていた分野でも一気にチャンスが訪れることがあります。

英文学や国文学など一般教養科目ともいえる英語、数学、国語などの分野は、必要科目でありながらも、科目数は限られるため、教員候補は数多く厳しい状況にあると聞いています。また、一般体育などもクラブ指導を前提としている教員は数多く、激しい競争状況となっています。体育分野も比較的科目数は多いのですが、潤沢に専任教員を採用することはなく、多くは非常勤講師で賄われます。ですから体育系の非常勤講師の割り当ては、他の科目から見れば多い方かもしれません。

医学系の学生は優秀な人材の宝庫ですが、大学に残れる可能性は極めて低いと言われています。その中でも優秀であるか、教授に目をかけられているような学生でなければ、手元に置くことは少ないようです。医学の分野は少々一般大学の世界とは事情が異なるようですから、ここでの大学事情とは別に考えた方が良さそうです。

教授になりたいと努力される方の数も相当数に上りますが、大学の教員を目指しても15年から20年もの間、専任教員の空席を待って応募し続ける方も少なくないのです。

教授へのキャリアルート カギは採用数と団塊世代からの世代交代

まずは数多くの学校で非常勤講師となり、実務実績を積みながらチャンスを待つというケースはスタンダードなのかもしれません。その間に博士課程を修了し、同じ境遇の方に差をつけておこうとするのですが、いくら博士課程を修了しても論文実績が修士論文と博士論文だけの場合は、チャンスは少ないといえます。

ある統計データによると、毎年博士課程を修了される方の数は17,000人弱であり、博士課程在学中の学生数は74,000人とされています。また、博士課程を修了し、就職された方は1万人で、そのうち6割以上が医師ではないかといわれています。そう考えると毎年7,000人規模の博士課程修了者が積み重なっていっているわけで、仮に20年分と考えると、単純計算でも14万人以上が専任教員を目指して待機中であるということになります。ですから専任講師という任期付教員を公募しても応じる方が減らないのです。

とはいえ、大学という職場環境でも一般社会と同様に「団塊の世代」の引退が進んできています。大学という社会は、一般社会と異なり定年が遅いのも特徴的です。多くは65歳を定年としており、長いところは70歳が定年の学校もあります。ですから「団塊の世代」の引退は一般社会に3年から5年遅れ、近年一気に多くなってきています。その分採用も多くなってきているのですが、前述の数を一気に吸収できるレベルではありません。その穴埋めを非常勤講師や期限付きの専任講師などで穴埋めをしているのが現状です。

しかし、大学が必要としている科目の該当者であることを前提として、クラブの監督やコーチなどに空席が生じている場合には、科目の担当以外に持ちうる特殊技能によってチャンスをつかむことができる可能性もあります。これにはクラブを指導するに相応しい能力や実績を有していること、知名度の高さやその分野において唯一無二の存在であるという条件がつきます。時には自身の出身校であることなどもアドバンテージになるかもしれません。

また、オーナー系の大学などでは、特任教授(特任准教授共)、客員教授であれば、比較的簡単にポストを得る可能性があるかもしれません。特にオーナーのお気に入りになるとか、クラブ強化策などで戦略的に採用する場合に多くみられますが、有名タレントやオリンピック出場選手、経験豊富な実務経験者などを学生募集の目玉として採用するケースがそれに該当します。オーナー系の大学ではそのような経営者の独断で文部科学省の配置基準に沿うことを前提としながらも、採用が進められるというケースがあるようです。

そう考えますと地道に助教、講師から准教授、そして教授と登っていくことがスタンダードとなりますが、なかなか多くの例を見ない特殊な経験や実績を持つことで、教授採用されることもあるため、一旦社会へ出て、稀有な存在になるべく努力を重ねることも一つの道となります。これらはあまり一般的ではなく、どのくらいのレベルになれば教授の道が開かれるという保証はありませんが、「将来を大学教員で」、もしくは「夢は大きく大学教授に」と考える方には是非チャレンジしてもらいたいところです。

幸運にも助教や講師として専任教員に採用された方は、学校の内規にもよりますが、多くの場合、無事に進んでも3年から4年のうちに公表論文8本以上(例外もあります)を必要とし、さらに担当教授等の審査委員会によって准教授へ昇進が審査されます。そして各大学の内規によって定められた資格審査基準を満たし、委員会で妥当性が認められた後には、教授会にて承認されるのです。もしこの段階で承認されない場合には、また論文の書き直しとなり、この審査過程を何度もチャレンジし続けることになります。仮に無事通過し、准教授になれた場合は、それから3年から5年のうちに論文実績(公表論文10本以上)をもってさらに審査され、教授会にて承認された末にようやく教授になれるのです。ですから日頃から教授を強力にマークし、然るべきタイミングで有利に進められるようポジションをキープすることに熱心な准教授の方々もいらっしゃるわけです。

これも大学の特徴や学部などによっても条件が異なるようですが、単純に講師から教授になろうと思えば専任教員になってから順調にいって最短でも8年ほどは必要となるわけです。

最近の教員採用の動向ポイント「任期制度」

また、近年の教員採用の特徴としては、任期を規定した採用が主流になってきています。つまり、講師や准教授などの採用には3年や5年の任期が設けられるケースが多くなってきているのです。これは、採用した教員に学校側の採用意図に沿わないケースが増えてきていることや、雇用する側の経営問題が顕著になってきていると考えられます。任期雇用の割合は全体の40%にも上っており、若手研究者雇用の不安定感を生んでいます。ですから3年任期ではなかなか踏み切れないといったケースも多く見られ、任期なしという公募にも多くの応募があるというような状況になっています。

このような環境では教授を目指すといっても相当険しい道となるわけで、何とか教員にはなったものの、昇進がままならず志半ばで退任される方も少なくありません。さらに、教員としての優秀さは、教授、准教授としての資格には関連づけられていませんので、いくら学校で学生に支持されているような教員でも資格審査とは紐づけられていないのです。

最後に ー 教授になるための資質とは?

これらから教授になるための資質としてあげられるのは、強い学問へのこだわりと、研究の特殊性や希少性、論文を書き続けるひたむきさ、審査を担当する可能性のある教授との良好な人間関係形成に必要なコミュニケーション能力、論文テーマを選定するための豊富なリソース、長い期間ひたすら我慢をし続ける「おしん」のような忍耐力などではないでしょうか。

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