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【地方六団体】「全国市長会」ってどんな組織?

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「全国市長会」のメンバーは、全国の市長と東京特別区の区長

「全国市長会」は、全国の792市の市長と、東京都の特別区23区の区長、併せて815市区長で構成されている「全国的連合組織」の1つです。

「全国市長会」は関西が発祥地で、全国的に広がっていきました

「全国市長会」の前身組織は明治時代に発足した「関西各市聯合(れんごう)協議会」です。「関西各市聯合協議会」はまず、1889年(明治22年)の4月1日に、日本では「市制町村制」の施行され、全国に31市が誕生したことに始まります。

その後、1898年(明治31年)に岐阜市で当時の関西各市の代表が集まり、「関西各市聯合協議会」を設置することが決まりました。「関西各市聯合協議会」では、毎年1回会議を開催して、それぞれの市が抱えている地域的にも共有が必要な諸問題などについて協議することとされました。 会議は毎年1回、各都市の持ちまわりで開かれました。

「関西各市聯合協議会」は、関西だけでなく徐々に全国の市も合流し、1930年(昭和5年)には現在の「全国市長会」という名称となり、現在のような全国的組織へと拡大しました。

「全国市長会」は法的にも認められた組織です

1963年(昭和38年)には、地方自治法の改正によって「全国市長会」が市長による「全国的連合組織」として当時の自治大臣(現在の総務大臣)への届出団体となりました。

これは、地方自治法第263条の3に基づいた届出であり、これによって「全国市長会」の活動は法的にも裏付けられたことになりました。つまり国は「全国市長会」から要請などがあった場合、万が一にも無視などをしてはならず、重く受け止めなければならないという立場になったと言えます。

▼参考:全国市長会ホームページ
http://www.mayors.or.jp/

「全国市長会」の目的は各市の連携によって地方自治を繁栄させること

「全国市長会」の組織としての目的は、全国の各市間の連絡協調を図ることで、それぞれの市政が円滑に運営され、進展することとされています。

そして、「地方自治の興隆繁栄に寄与すること」を目的ともしており、必要がある場合は全国の市長の意見を取りまとめ、内閣に要請・提言をすることもあります。

「全国市長会」の組織や会長の任期について

「全国市長会」の会長は任期が2年と決まっている交代制です。現在は第30代の福島県の相馬市長である立谷市長が会長を務めています。

「全国市長会」の役員にはそのほか、若干名の副会長、74名の理事、64名の評議員、9名支部長、3名の監事で構成されており、会長以外のポストはすべて任期1年となっています。


「全国市長会」は「地方六団体」のひとつです

「全国市長会」は「地方六団体」の1団体です。

「地方六団体」とは、「全国市長会」のほか、全国知事会、全国町村会、という全国の地方公共団体の首長からなる3団体と、全国都道府県議会議長会、全国市議会議長会、全国町村議会議長会という、全国の地方議会の議長による3団体の、計6団体のことを指します。

「地方六団体」はすべて地方自治法に定められた「全国的連合組織」であり、その活動や、政府への要請が、法的にも認められています。

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「地方六団体」による連合組織「地方自治確立対策協議会」もあります

「全国市長会」などの「地方六団体」による連合組織もあります。それは1963年に設置された「地方自治確立対策協議会」です。

「地方自治確立対策協議会」では、「地方分権改革推進本部」を設置して、健全な地方分権の確立を目指して活動しているようです。

「全国市長会」のみでは難しいような国との交渉についても、「地方分権改革推進本部」では地方六団体が一致団結することによって、より対等に交渉できることが期待されます。

地方六団体は、政府に対し「国と地方の協議の場」を設けて、意見の提出などを定期的に行なっているようです。

▼参考:地方六団体 地方文献改革推進本部
http://www.bunken.nga.gr.jp/index.html

「全国市長会」の活動について

「全国市長会」の活動は、「市政に関しての中央・地方の連絡調整」や、「地方自治に影響を及ぼす法律・政令・その他の事項に関して、内閣に対する意見の申し出や、国会への意見書の提出」などがあります。

地方六団体による「国と地方の協議の場」に関する法律に基づいて、地方自治に影響を及ぼす国の政策の企画や立案、そして関係大臣との調整などの交渉ごとも担います。

また、地方行財政に関する「調査研究」であったり、市長の「研究会」や「講習会」などの開催、そして「機関誌」や「市政に関する図書」の刊行頒布なども行います。

「新型コロナウイルス感染症」についても政府へ提言

2020年に流行している「新型コロナウイルス感染症」については、国や都道府県からの要請はあるものの、最終的には市町村単位での対応が迫られています。


また、地域経済への影響も大きいものの、各市の状況に合わせた政策というのは、国レベルでは策定が難しいという現状もあります。

そこで「全国市長会」と「全国知事会」「全国町村会」は2020年4月2日に内閣官房長官に合同で要請を行なったようです。

要請の内容について「全国市長会」の立谷会長からは、地域の実情に応じてきめ細やかな事業を実施できるような「地方の裁量度が高い交付金の創設」と、固定資産税の減免を行う場合には、市町村財政に影響が生じないよう、「固定資産税減免分は全額国費による補填をすること」を求めました。

そして、国民への現金給付等の事務を行う場合は、市町村の職員に過度な負担が生じることのないようにすることと、その事務費についても国費で対応することなども要請したようです。

全国の市が巻き込まれるであろう「新型コロナ」に対する国策について先手を打ち、市町村職員の事務の負担を減らすように要請することも、「全国市長会」の大切な役割のひとつであると言えます。

まとめ

このページでは、全国の市長で組織されている「全国市長会」という団体について解説しました。

「全国市長会」は地方自治法で定められている「全国的連合組織」のひとつで、国に対して地方の声が小さくなりすぎないよう、政府と対等な立場で要請や提言を行うことができる力のある組織です。

「新型コロナウイルス感染症」の対策については、国が一斉休校の要請や緊急事態宣言などを発表しますが、実際の市民の生活状況に即した最終判断を行うのは知事や市町村長など地方公共団体のリーダーであることが浮き彫りになっています。

そのような状況の中で、全国の市区長の声を集めて政府方針に反映させたり、地方裁量の高い交付金を獲得し、地域に合わせた使い方を提案したりすることは、各市民へのきめ細かい行政サービスに欠かせない活動だと言えるでしょう。

公務員を目指す方は、「全国市長会」や「全国知事会」など、地方のリーダーによる団体が政治や行政に与える影響についても、注目しておくことをおすすめします。

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本記事は、2020年4月15日時点調査または公開された情報です。
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公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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