MENU

新型コロナで「全国知事会宣言」を出した「全国知事会」について

当ページのリンクには広告が含まれています。


目次

「全国知事会」の成り立ちについて

「全国知事会」はその名の通り、日本全国47都道府県の知事で組織する団体です。それぞれの地域の発展のため、幅広い分野で様々な活動を行っています。

「知事」は国の選出から「選挙」での選出になり、国から独立した役職

「全国知事会」の前身である「全国地方自治協議会連合会」が設立されたのは、昭和22年のことでした。前年の昭和21年に、それまで国が決めていた「地方長官」を公選制で選ぶことになり、46名の公選知事が誕生します。

公選知事は従来とは異なり、国から独立し、政府に対して住民の利益を守る、という積極的な役割を持つことになりました。そこで、国に対抗し、また円滑な地方自治の実施のためにも、都道府県相互の連絡提携を持つ必要が生じたため、地方ブロック別に知事の協議機関としての「地方自治協議会」が結成されました。

「地方自治協議会」が集まってできたのが「全国知事会」

そしてその「地方自治協議会」を全国的に束ねた組織が「全国地方自治協議会連合会」であり、昭和25年に「全国知事会」と改称しました。

現在の「全国知事会」の会長は徳島県の飯泉知事であり、副会長には全国6ブロックからそれぞれ6名が選出されています。

「地方自治法」に守られている「全国知事会」の活動

「全国知事会」は発足当時はその活動に法的根拠を持ちませんでした。しかし、昭和38年の地方自治法改正によって「全国知事会」は地方自治法に基づく全国的連合組織として認められます。

そして平成5年に再び実施された地方自治法改正によって、内閣や国会に意見を申し出ることができる団体となったようです。

現在では、地方自治の立場から一定の発言権がある組織として、国政にも影響を与えるようになっています。

「新型コロナウイルス感染症」の対策について「全国知事会宣言」を発表(2020年4月2日)

上記のように国政にも影響力を持っている「全国知事会」は、2020年4月2日に「新型コロナウイルス感染症」の対策として、政府とは異なる立場で「全国知事会宣言」を公表しました。

「全国知事会宣言」では、2日にオンライン会議として行われた「全国知事会合」の内容を受けて、全国でも感染者が増えている地域を中心に、「不要不急の外出自粛」や「夜間外出自粛」のほか、「多くの人が密集する場所、換気の悪い密閉空間を避けることで爆発的な患者急増を防ぐ」ことなどを掲げています。

国での議論と重なるところはありますが、すでに感染が拡大している地域と、まだ医療機関に余裕がある地域とが連絡を取り合い、協議を重ねることで、日本全体の状況の把握と対策の強化・共有ができるものと思われます。


「全国知事会」の主な活動が目指すのは「情報の共有」や「地方自治の改善」

「全国知事会」では、通常では次のような活動が行われています。

「全国知事会」の活動

一 各都道府県の事務に関する連絡調整
二 地方自治の推進を図るための必要な施策の立案及び推進
三 国と地方の協議の場に関する法律に基づいて行う、地方自治に影響を及ぼす国の政策の企画及び立案並びに実施に関する関係大臣との協議
四 地方自治法第263条の3第2項の規定に基づき、地方自治に影響を及ぼす法律又は政令その他の事項に関する内閣に対する意見の申し出又は国会への意見書の提出

このように、「全国知事会」は都道府県知事同士の横のつながりをつくるだけでなく、知事同士が連帯して国に意見する縦の動きも可能にしています。

上記の活動を推進するために、具体的には「会合」や「研究会」を定期的に開いているほか、「政策バンク」といって、他の都道府県の取り組み事例や成功事例としての政策を収集、共有するといった役割も「全国知事会」は担っています。

まとめ

このページでは、全国の都道府県知事が所属する、知事による連合組織の「全国知事会」についてご紹介しました。

「全国知事会」は、知事という役職が国から独立して公選制になった時から、地方別に前身組織が発足し、その後全国的に連携して現在の体制になったことをご説明しました。

地方自治法の改正により、現在では法的にも内閣に対して意見を申し出ることができる組織へと進展しており、国と地方が対等であることを目指す地方分権の実現にも重要な役割を担う組織だと言えそうです。

また、今回の新型コロナウイルス対策については、都道府県によって拡大のしかたに差があるため、これから拡大を迎える地域と、すでに拡大が始まった地域とが協力し、情報共有することが重要になりそうです。

「全国知事会」の活動が、今後のそれぞれの対策にも活かされることが期待されます。

「新型コロナウイルス感染症(covid-19)」に関する記事一覧はこちら

本記事は、2020年4月6日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

コメント

コメントする

目次