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コロンビアの交通事情

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目次

はじめに

本記事では、コロンビア、特にボゴタ周辺における公共交通、車や道路状況などについて、私自身の経験も含め、日本と比較しながらお話ししていきます。

コロンビアの公共交通機関について

ボゴタ周辺は公共交通機関が発達しており、地域などにもよりますが、車がなくてもさほど困らないと感じています。ボゴタ人の足の中心となっている「TransMilenio」というバスについてお話しします。

公共交通機関1:TransMilenio(トランスミレニオ)

「TransMilenio」とは、ボゴタを走る、大型バスの名前です。バスというよりは、路面電車と言う方が近いかも知れません。ボゴタの主要道路を網羅しており、歩いたり車に乗っていたりすると、道路の真ん中を走る、2~4両ほどが繋がった赤い車両を必ず見かけるでしょう。ボゴタ民の足の中心となっている、とても重要でかつボゴタを象徴する公共交通機関です。

後述する路線バスも同様ですが、「TransMilenio」の利用には、「tu llave(トゥ ジャベ=君の鍵 という意味)」というチャージ式の専用カードが必要です。日本のSuicaやPasmoなどと同じ仕組みですね。無記名式と記名式、62歳以上向けのシニア用があります。5,000ペソでカードを購入し、必要な分だけ専用の機械や窓口で現金チャージします。1回の乗車は2,500ペソで、どこまで行っても、1時間半の間なら何度乗り換えても料金は変わりません。

改札口で「tu llave」をタッチし、入場します。出場のときには、タッチは必要ありません。駅は縦に長く、ターミナルのような駅だと、自分の乗りたい路線のホームまで延々と歩く必要があることも。路線はABCなどのアルファベットで区別されていて、どのホームにどの路線が来て、どこで待っていれば良いのかがとてもわかりやすくなっています。

駅によっては、「あと何分で来ます」と表示される電光掲示板のようなものがあるところもありますが、時刻表は一度も見かけたことがありません。駅員さんのような人たちも多く、わからなければすぐに尋ねられますが、英語はあまり通じません。

駅では、日本のように綺麗に整列して待っていることも、自分が乗る電車ではないからと道を空けてくれることはとても少ないため、お目当ての車両が来たら、さくさくと乗り込むのがコツです。日中はとても混雑しており、日本の満員電車並みのことも多いため、荷物から目を離さないようにすること、かなり揺れるため、立っている場合はつかまれるところを見つけて、しっかり身体を支えておくことが重要です。

車内では、次と、さらにその次の駅の名前がアナウンスされ、案内表示もあるため、慣れていなくても降りる駅を間違えてしまうことは少ないでしょう。降りるときも、扉付近は人が詰まっているため、我先に、くらいの気持ちで降りましょう。

専用レーンを走るため、渋滞にひっかからないのもポイントです。よっぽどへんぴなところなどでなければ、観光するにはこのTransMilenioの利用だけで十分です。

公共交通機関2:路線バス

住宅地など「TransMilenio」が通っていない、狭いエリアの移動には路線バスが便利です。「TransMilenio」と同じSITPという会社が運営しており、「tu llave」で利用できます(日本のバスのような、現金払いはできません)。

大きなバス停ではほぼ100%停まると思いますが、小さなバス停の場合は、お目当てのバスが来たら手を挙げて、乗りたいという旨を運転手に伝える必要があります。降りるときも、目的のバス停が近づいてきたら降り口に向かい、ここで降りる旨をアピールします。降車用ボタンは付いているのですが、機能しないのか、なぜか誰も使っていません。


実は、バス停でなくても道端で手を挙げれば停まって乗せてくれ、降りるときも「ここで降ろしてくれ」と言うと、ルート内であればどこでも停まってくれるのですが、旅行者や不慣れな人にとってはちょっとハードルが高めの技です。

公共交通機関3:都市間移動バス

ここまで紹介してきた交通機関は、ボゴタ市内のものです。

私が住んでいるような、「ボゴタから少し離れた郊外」に行くには、「Flota(フロータ)」と呼ばれる大型バスが便利です。「TransMilenio」の「Portal de Norte」という駅から、いろいろな他の都市へのバスが出ています。

私がよく利用するフロータは、はとバスのような、長距離バスや観光バスのような作りです。座席は左右に2列ずつ、全て前を向いていて、ちょっとふかふかしていて快適です。ここではtu llaveは使えません。運転手とは別に、アシスタントのような人(たいていは若いお兄さん)が乗っており、座席に着いてしばらくすると徴収に来るので、行き先を告げて現金で支払います。行き先によって乗車賃が違いますが、30分ほど走ったところまでで4,000ペソくらいです。

路線バス同様、目的地に近づいてきたら自分から降り口に向かいます。ただ、アシスタントが停留所の名前を車内で叫んでくれることもあり、また「●●に着いたら教えてくれ」と頼むのも、路線バスよりはしやすいと思います。郊外からボゴタへ仕事に出ている人が多いため、通勤・帰宅ラッシュの時間はぎゅうぎゅうになることもあります。

「TransMilenio」や路線バスに乗っていると、急にスピーチのようなものが始まったり、実演販売や音楽の演奏が行われたりすることがあります。みんなバス会社とは無縁の一般人で、私はこれまでに、お菓子や文房具の販売、リコーダーやギターの演奏、親子でのラップ披露、などに巡り会ったことがあります。

トラブルになることもあるので、最初のうちは無視をするのがおすすめですが、慣れてくると「今度はこんなのが来た!」と半ば楽しめるようになってきます。

コロンビアの個人所有の交通手段

個人所有の交通手段1:自家用車

日本とは反対の、左ハンドル右側走行です。トヨタ、日産、マツダ、ダイハツ、三菱など日本車を非常によく見かけます。高級車ではBMW、VWなどです。ただ、運転は全体的に荒く、交通事故もよく起こっています。

道路状況は極めて悪く、舗装されている大きな道でも、凸凹があったり大きな穴が開いていたりすることはしょっちゅう。事故や渋滞の原因と思われることが、そこかしこにあります。

日本ではあまり見かけないラウンドアバウトがあることや、信号待ちを狙ったお菓子や飲み物の販売、ジャグリングなどのパフォーマンスが行われること、信号機が赤から青に変わるときは、赤→赤+黄色→青 となるのが、日本と異なる点です。

なお国際免許は使用できないため、コロンビア国内で運転するためには、コロンビアで運転免許を取り直す必要があります。

個人所有の交通手段2:バイク

ボゴタ周辺では、車よりもバイクが人気です。その理由は、渋滞がひどいことにあります。通勤・帰宅ラッシュの時間帯はもちろん、平日の昼間でも車がスムーズに進まないことが多いのです。理由は、人がボゴタに集中していること、交通事故が多いこと、道路状況が悪いことなどが挙げられるでしょう。

平日のピークタイムには「Pico y placa(ピコ イ プラカ)」と呼ばれる、ナンバーによる走行規制があるのですが、バイクはその対象外だったこと(コロナ騒ぎにより、今はルールが流動的なようです)と、細い道でもすいすい進めることなどから、バイクで移動する人が多いのです。

バイクも、ヤマハ、カワサキ、スズキなど日本ブランドは人気。同乗者も含め、ヘルメットの後ろ側には、バイクのナンバーを貼り付ける必要があるのが、日本と違うルールです。

個人所有の交通手段2:自転車

コロンビアでは、学生を中心に、自転車も多く利用されています。本格的なサイクリストもよく見かけますし、歩道には自転車専用レーンがあるところも多いです。日本のママチャリのようなものはあまりなく、ほとんどがマウンテンバイクスタイルです。必ず、ヘルメットを着用しなければいけません。


個人所有の交通手段3:徒歩

基本的に、道はとても歩きにくいと感じることが多いです。凸凹や段差が多く、狭い歩道でもお店の看板が置いてあるなどするうえ、住宅街周辺だと犬のフンが本当に多いです。

横断歩道も非常に少なく、道を渡るには、車やバイクが来ないタイミングを見計らって走る、という方法がメジャーです。

特に旅行者は、スマホを見ながらや電話をしながらの歩行はとても危険。一瞬で持って行かれますので、必ずカバンの中に入れて歩きましょう。

まとめ

以上、「コロンビアの交通事情」でした。

交通事情に関しては、日本ほど正確で安全なところはないのかもしれません。ここで暮らすと、日本で自分がいかに何も考えずに道を歩いていたか、ということに気付きます。そして、日本にはない不確実さや不便さに寛容になれたとき、この土地に馴染んできたと言えるのかもしれない、とも思っています。

本記事は、2020年9月5日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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