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市役所で出世するメリット・デメリットは?

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目次

はじめに

組織で働いていると、切っても切り離せない“出世”。

市役所職員が出世するメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?

市役所で働いた経験を持つ、元市役所職員の井上さんに答えてもらいましょう。

質問)市役所職員として出世するメリット・デメリットはありますか?

市役所で働き始めて5年が経ちます。

まだ入庁した頃と役職は変わりませんが、市役所は基本的に年功序列で出世していくので、これから少しずつ役職が上がっていくのかなと思っています。

しかし、直属の課長を見ていると大変そうなことも多く、市役所職員として出世するメリットがあるのか疑問に思うことがあります。

出世するメリット・デメリットにはどんなものがあるのでしょうか?

回答)出世にはメリット・デメリットの両方があります。

組織で働くうえで、“出世”できるかできないかは重要ですよね。

まず、近年は人事評価制度に基づいて出世する職員が決まる、試験を設けて合格した職員のみ役職が上がるなど、質問者さんがおっしゃるような「市役所は基本的に年高序列で一律に出世していく」という時代からは少し変わってきています。

市役所で出世するにあたっては、メリットとデメリットの両方があるので、今回はそれぞれを詳しく説明していきます。

ご自身が出世する立場になったときに、本当にこれから出世していきたいのかを判断する参考にしてください。


市役所職員が出世するメリット

メリット1:給与が上がる

市役所の職員は不祥事を起こさない限り毎年昇給し、役職が上がれば上がるほど昇給の上がり幅も増えます。

また、役職が高いほうが基本給も高く、管理職になると「管理職手当」が給与に加算されるので、出世のメリットとして「給与が上がる」ことが挙げられます。

例えば、大阪市を例に見てみると、係長級で年収が「約700万円」、課長級になると「約1,000万円」にもなります。

※参考「大阪市職員のモデル年収額(令和3年度見込)」
(https://www.city.osaka.lg.jp/jinji/cmsfiles/contents/0000156/156120/moderu3.pdf)

「年収1,000万」は1つの大台で、それを超える年収を受け取れるのは魅力的ですよね。

ただし、管理職になると「時間外手当」がもらえなくなることが多い、ということは頭に入れておきましょう。

メリット2:扱える仕事が増える

若手の間はやりたいことがあっても「上司の許可がおりなくてできない」ことが多いのですが、出世することで裁量権が大きくなり、自分の判断で動かせる仕事が増えます。

行政運営はスケールが大きいので、出世すると扱える事業の規模も拡大し、仕事のやりがいにつながるでしょう。

また、今までの働き方の悪い部分を改革するのも、役職が上がるからこそできること。

若いうちから組織を改革しようとすると、市役所では煙たがられてしまうのが現実です。

メリット3:世間体が良い

「市役所の管理職」という肩書きは、なんだかんだ世間体が良いものです。

やはり市役所は安定した職場だというイメージが強く、そこで出世していくと本人が思っている以上に社会的地位が上がっていきます。

周りの人から信頼されるのはもちろん、例えばローンを組むときなども社会的な信用があることを実感できますよ。

メリット4:出世欲が満たされる

こちらは自己満足的な部分が大きくなりますが、「出世している=職場に求められる人材」なので、出世することは自己肯定感の向上に直結します。

「仕事ができる人」と思われること自体に魅力を感じる人にとっては、出世することは大きなメリットになるでしょう。


 

市役所職員が出世するデメリット

デメリット1:給与以上に責任が重くなる

管理職になると、業務に対する責任はもちろん、部下が不祥事やミスを起こした際は一緒に懲戒免職を受けることもあり、今まで以上に責任が重くなります。

業務内容によっては市民に訴訟を起こされる可能性もあるので、個人で保険に入っている管理職もいるほどです。

デメリット2:仕事が増える

市役所には「仕事のできる人に仕事が集まる」という悪しき伝統があります。

出世する人は、一般的に仕事ができる人なので、たくさんの仕事が舞い込んでくることになります。

部署内の仕事が滞ると管理職としてのマネジメント能力も問われるので、あまり自分で仕事を抱え込まないようにし、チームで仕事を回していくという視点を持つことが重要です。

デメリット3:気を使う場面が増える

出世すると、気を使う場面や相手が多くなります。いわゆる“忖度”ですね。

職場で上司や部下の板挟みになってしまうこともありますが、特に影響を受けるのが「議員」と「地域の有力者」。

市役所の仕事は、どうしても地域で力を持っている人の意思が強く反映される部分があります。

法律に基づいて業務を遂行するのはもちろんですが、相手によって臨機応変な対応を求められることも多く、今まで以上に気を使う場面が増えてしまうのが辛いところです。

デメリット4:交際費が増える

管理職になると、職場の飲み会時に会費とは別に「寸志」を出す風習があります。

他の市町村の職員と交流することも増えたり、部下の結婚式に呼ばれることが増えたりと、想像以上に交際費がかかる場面が増えてしまうのです。

 

まとめ

以前は「組織で働くなら出世をめざすのは当然」と考えられていた時代もあったかと思いますが、現在は働き方も多様化しており、出世への考え方はさまざまです。

若手職員の中では「出世をしたくない」と考える人が増えているのも事実。

あなたがこれから市役所職員として働くうえで、今回お伝えしたメリット・デメリットを参考に、ぜひ今後の出世について考えてみてください。

本記事は、2021年6月10日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研のライター「井上 樹」です。市役所職員として7年間勤務した後、フリーライターとして独立しました。市役所職員や市役所職員に興味のある方に「面白い!」と思ってもらえるような記事を書けるよう頑張っています。

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