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市役所へのクレーム・苦情ってホントに多いの?元市役所職員がお答えします!

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目次

はじめに

誰もが避けたいと思う、“クレーム”。

しかし、市役所の職員として働くうえで、一度もクレームを受けたことがない方はいないのではないでしょうか。

市役所へのクレームは本当に多いのか、またどんなクレームがあるのかを、市役所で働いた経験を持つ元市役所職員の井上さんに答えてもらいましょう。

質問)市役所へのクレームや苦情は多いのでしょうか?また、どんな内容のクレームがあるのですか?

先日、税金のことで相談があって市役所を訪れたところ、隣の窓口で職員の方に対して暴言を吐いている人を見かけました。

私が順番を待っている間から帰るまでずっといたので、30分以上にわたって職員の方を怒鳴りつけていたのではないかと思います。

市役所ではクレームが多いと聞いたことはあったのですが、本当なのでしょうか?

また、そういう人たちはどのような内容のクレームを言っているのでしょうか?

回答)部署にもよりますが、クレーム・苦情は多いかと思います。

市役所の仕事は、法律や条例に基づいて行われるため、どうしても市民の方のご要望にお応えできない場合があります。

その場でご理解いただける方もいれば、中には納得いただけずに職員を怒鳴りつけるような方も実際にいます。

私自身、市役所に就職した時点である程度覚悟はしていたのですが、入庁して2日で理不尽に暴言を吐かれたことがあり、少し面食らった部分があったことを覚えています。

また、クレームはその場でだけでなく、電話やメールでも言われることがあります。


今回は、市役所でクレームの多い部署よくあるクレームの定番フレーズなどをご紹介していきたいと思います。

クレーム・苦情の多い部署

市民課

市民課は住民票や戸籍謄本の写しなどを発行する部署で、「市役所」として最もイメージしやすい部署ではないでしょうか?

多くの市民の方が訪れるので、やはりクレームは多くなりがちです。

対応に関する誤解や、書類の不備への指摘などがクレームにつながります。

税務課

税務課の前を通りかかったとき「こんな高い税金、納得できない!」といったクレームをよく耳にしました。

税金は国民の義務と言っても、できるだけ払いたくないと思っている方が多いのは事実でしょう。

払うべき税金が自分の思っている金額より高かったり所持している資産の評価額が低かったりすると、クレームにつながりやすくなります。

土木課

土木課が管理しているものは、道路や街路灯、公園や街路樹など目に見えるものが多いため、クレームにつながりやすい傾向があります。

「道路が陥没している」などはありがたいご連絡なのですが、「道路の陥没につまずいて怪我をした。治療費を払え」など、予想しにくいクレームも実際にありました。

人事課

人事課と聞くと、職員の採用や給与計算などを行っているイメージが強いかもしれませんが、かなりクレームの多い部署です。

人事課のことについて直接クレームが来るというよりも、他部署の職員に関するクレームを人事課で聞くことが多いでしょう。

秘書課

少し意外かもしれませんが、秘書課もクレームが多い部署です。

こちらも人事課同様、秘書課に対するクレームというよりは、他部署の職員のことや市政全般についてのクレームが多くなります。

理由としては「上司を出せ!」という方は最終的に市長に会おうとして秘書課に訪れるため、秘書課の職員がクレーム対応を受け付けることになるわけです。

よくあるクレームの定番フレーズ

「上司を出せ!」

市役所だけではありませんが、窓口の担当者では話が進まないと感じた際に、上司と話をしようとする方が一定数います。


しかし、市役所の業務は基本的にアナウンスが統一されているので、担当者であろうと上司であろうと、判断は変わりません。

間違ったことをしていなければ、「上司を出せ!」と言われても「私が担当します」と堂々と伝えれば良いでしょう。

「良いと言うまで帰らない!」

自分の要望が通らない場合に、意地になって「良いと言うまで帰らないからな!」と言い張る方もいます。

あまりにもひどい場合は、何らかの罪になることもあるため、職員としてはどの時点で警察に連絡を入れるかなどを共有しておくと良いでしょう。

「訴えてやる!」

自分に不利益があった場合に「訴えてやる!」とおっしゃる方もいます。

市に落ち度がある場合は、もちろんお詫びするべきですが、論理が通っていない主張だと感じる場面も実際にありました。

「私たちの税金で給料をもらっているくせに!」

市役所へのクレームの中でも、かなりよく聞くフレーズです。

税金から給料が出ることと市民の方の要望をお聞きすることは、全く別問題です。

クレームでこのフレーズが出てきたら、真摯に受け止めつつも、問題の本質を引き出すことに力を入れるほうが重要です。

「議員に言うぞ!」

「上司を出せ!」と近いものがあるかもしれませんが、「議員に言えば、全て解決してくれる」と思っている方が一定数いらっしゃる印象がありました。

確かに議会などで議員の方から指摘されると、職員としては苦しい場面もあります。

しかし、市役所の業務方針が相手によってブレるのは、あってはならないことです。

毅然とした態度で対応することが重要です。

まとめ

今回は、「市役所へのクレーム・苦情」というテーマのもと、クレームの多い部署とよくあるクレームの定番フレーズを紹介しました。

市役所で働くうえで、クレームを受けることは避けられないでしょう。

ある程度割り切って受け止められるようにすることが大切かと思います。

ただし、クレーム・苦情と“ご意見”を混同しないように注意が必要です。

本当に市がよくなるためにお伝えいただける貴重なご意見もたくさんあるので、市への意見を全てクレームととらえるのではなく、内容を見極める力を養っていくことが求められるでしょう。

本記事は、2021年12月13日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研のライター「井上 樹」です。市役所職員として7年間勤務した後、フリーライターとして独立しました。市役所職員や市役所職員に興味のある方に「面白い!」と思ってもらえるような記事を書けるよう頑張っています。

コメント

コメント一覧 (1件)

  • クレーム言われても仕方ないというのもありますね。例えば令和5年3月3日に勤務先の市役所から下城しようとすると(私は会計年度任用職員なので正規職員より下城が早い。)、丁度案内板の前で右往左往されている来庁者の方をお見掛けしました。当庁の服務規程4条に「職員の執務については、次に掲げる事項を基本としなければならない。」と定め、その4号に「外来者または電話の応待等は親切を旨とし、決して相手に不快の感を与えないよう言語、態度に注意し窓口事務の明朗化を図ること。」と定めていることから、「失礼します。何かお困りでしょうか。」とお声がけしました。すると、マイナンバーカードの申請に必要な書類が判らないとのことだったので市民課へご案内しました。
    ところが、市民課窓口で私が「失礼します。こちらの方がマイナンバーカードの申請に必要な書類等についてお聞きになりたいそうです。」と言った処、マイナンバーカード交付申請書ある?」というまさかのため口から始まり、当該来庁者の方に対して発せられる言辞の半分以上がため口という、服務規程4条4号も何も有ったもんじゃない言語道断の無礼千万の振舞いで、恥ずかしくてとても見ていられませんでした。
    当庁の総合案内では市民からの声が貼り出されますが、その中に「市民課窓口の態度が悪い」というのが有りました。
    この件に遭遇するまではとても信じられませんでしたが、今では満更嘘でもないだろうと思うようになりました。
    次に、貴ブログ本文の人事課へのクレームというのは主に「○○課職員が勤務時間中であるにも関わらず雑談に興じている。何年何月何日何時何分のことである。地方公務員法35条は「職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。」と定めている。当該職員の行為は明らかに地方公務員法35条に反する。証拠として動画を送付するので、地方公務員法29条1項1号及び同2号に則り厳正に処断されたい。」という感じのが多いんでしょうね。

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