市役所の若手職員の年収、給与は?手取りなどのリアルな金額を大公開!

実際のところ市役所で働く若手職員はどの程度の給与を受け取っているのでしょうか?をテーマに元・公務員の井上さんに回答してもらいました。


はじめに

「公務員は楽して高給をもらっている!」

公務員の給与については、定期的にニュースなどで取り上げられていますが、紹介されるのは“平均”ばかり。

若手職員は「そんなにもらってないよ…」と心の中でつぶやきながら、日々の仕事に励んでいます。

では、実際のところ若手職員はどの程度の給与を受け取っているのでしょうか?

市役所で働いた経験を持つ、元市役所職員の井上さんに答えてもらいましょう。

質問)市役所の若手職員はどれぐらい給与をもらっているんですか?

ニュースや周りの話を聞いていると、「公務員は高給だ」という意見を耳にすることがあります。

ですが、紹介されている給与額などは平均であることが多いため、若手の給与のイメージがわきません。

私は、将来市役所への就職を希望しているのですが、実際若手の間はどれぐらい給与を受け取れるのでしょうか?

回答)1~5年目で考えると、月の手取りの平均は16~18万円程度です。

市役所の職員には、時間外手当(いわゆる残業代)や住居手当などいくつか手当がつきますが、何もなければ5年目以下の職員の手取りの平均はおよそ16~18万円です。

今回は、私が1~5年目までに実際に受け取っていた給与額等を本音でご紹介します。

市役所の若手職員(1~5年目)の給与事情を大公開

まず、全国の市役所職員等の給与の平均を参考として見ておきましょう。


総務省が公表している「各団体区分別の給与状況」によると、全国の市区町村の平均給与月額は「387,746円」となっています。(令和2年分)

今回は、私が1~5年目までに実際に受け取った金額を「基本給」、「年収」、「最高月収」、「最低月収」、「賞与」に分けてご紹介します。

ただし、私は5年間で2つの部署を経験しましたが、いずれも比較的残業の多い部署に配属されていました。

そのため、平均で毎月40~50時間ほど残業していたので、一般的な市職員よりも頂いている金額は多かったのではないかと思います。

また、公務員では賞与を「期末手当・勤勉手当」と呼ぶのですが、ここではわかりやすさを重視して、あえて「賞与」で統一させていただきます。

それを踏まえて、ご覧いただければと思います。

なお、1年の区切りは年度(4月~翌年3月)のほうがわかりやすいので、その区分ごとにご紹介していきます。

それでは、具体的に見ていきましょう。

市役所で働く公務員1年目の給料内訳

・基本給
185,024円

・年収
額面:3,593,015円
手取り:2,944,406円

・最高月収
額面:318,764円
手取り:256,484円

・最低月収
額面:226,292円
手取り:188,005円

・賞与
【夏】
額面:119,708円
手取り:99,292円

【冬】
額面:427,224円
手取り:353,332円

・コメント
まずは、1年目の収入を項目別にご紹介しました。


当時、私は一人暮らしだったので、住居手当として毎月約2万円が給与に加算されていました。

また、初年度の割に最高月収が高いと思われるかもしれません。

私が入庁した頃は大型公共施設の建設が進んでおり、はじめに配属されたのがその中心となる部署だったので残業が多かったんです。

最高月収を頂いた月は毎日22時ごろまで残業していたのをよく覚えています。

市役所で働く公務員2年目の給料内訳

・基本給
192,200円

・年収
額面:4,015,362円
手取り:3,107,636円

・最高月収
額面:467,625円
手取り:393,533円

・最低月収
額面:221,542円
手取り:158,584円

・賞与
【夏】
額面:428,389円
手取り:354,318円

【冬】
額面:459,111円
手取り:375,606円

・コメント
この年度の最高月収はかなり高くなっていますが、この給与を頂いた月は大型公共施設の建設がいよいよ完成に迫り、国への補助金申請のための資料作りなども重なった結果、丸々1ヶ月土日祝日を含めて1日も休みを取れませんでした。

毎日朝7時には市役所に到着し、深夜0時前まで帰れないという日々が40日連続で続いたのを鮮明に覚えています。

その結果、残業時間は130時間を超えるほどだったので、給与が高くなっているわけです。

一方、最低月収は低くなっていますよね。

公共施設の建設も無事に終わり、定時で帰れるような日々が訪れた結果、手取り16万円ほどの給与となりました。

この金額ぐらいが一般的かと思われます。

市役所で働く公務員3年目の給料内訳

・基本給
199,900円

・年収
額面:4,512,701円
手取り:3,391,703円

・最高月収
額面:366,593円
手取り:327,579円


・最低月収
額面:235,435円
手取り:165,500円

・賞与
【夏】
額面:458,200円
手取り:374,874円

【冬】
額面:366,593円
手取り:327,579円

・コメント
引き続き、繁忙期には60時間を超える程度の残業が続く月がありました。

ただ、3年目ともなると仕事にもだいぶ慣れ始め、精神的には安定し始めた記憶があります。

市役所で働く公務員4年目の給料内訳

・基本給
206,600円

・年収
額面:4,579,177円
手取り:3,473,313円

・最高月収
額面:341,333円
手取り:255,364円

・最低月収
額面:258,229円
手取り:206,600円

・賞与
【夏】
額面:475,851円
手取り:389,053円

【冬】
額面:510,250円
手取り:416,217円

▼・メント
この年度は、人事異動により部署が変わりました。

変わった先の部署も忙しい部署だったため、定時で帰れた記憶がありませんね。

市役所で働く公務員5年目の給料内訳

・基本給
215,400円

・年収
額面:4,702,370円
手取り:3,626,769円

・最高月収
額面:381,927円
手取り:304,672円

・最低月収
額面:272,582円
手取り:195,817円

・賞与
【夏】
額面:508,074円
手取り:414,419円

【冬】
額面:543,938円
手取り:442,978円

・コメント
5年目にもなると、かなり市役所の業務に慣れてきます。


忙しさは変わりませんでしたが、少しずつ効率を追い求めるようになり、残業を減らすことができるようになってきました。

その結果、給与の伸び率だけ見ると前年以前の伸び率よりも下がっていますが、家で過ごせる時間が増えるなど、得られるメリットは大きかったと思っています。

まとめ

今回は、私が1~5年目までに受け取っていた給与を公開しました。

公務員の基本給などは、法律や条例で決まっているので、どの自治体でも似たような金額です。

ただし、私のように時間外手当や住宅手当などの諸々の手当がつくことで、実際に受け取れる金額は人によって大きく変わってきます。

ここには載せていませんが、7年目になったときには、かなり残業も減り、前年より年収が減ってしまったことをよく覚えています。

今回紹介した私の給与はあくまで一例です。

市役所の職員を目指されるのであれば、給与にとらわれずに「市役所で何がやりたいか」を追い求めていただければと思います。

本記事は、2021年6月24日時点調査または公開された情報です。
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