はじめに
公務員試験は早いところで春先から始まり、遅くとも年末までに終わるのが一般的。
実際に入庁するのは翌年の4月からになることが多いため、最終合格から期間が空くと、どう過ごせばいいのかわからなくなりますよね。
公務員試験に合格した後は、入庁までどのように過ごすのが良いのでしょうか?
実際に市役所で働いた経験を持つ、元市役所職員の井上さんに答えてもらいましょう。
質問)公務員試験の合格後はどんな過ごし方をすべきですか?
この度、働きながら市役所の試験を受験し、無事に最終合格まで至ることができました。
しかし、実際の入庁は来年の4月からで、今からまだ半年ほどあるので、どのように過ごせば良いのか迷っています。
今の仕事は年内で退職する予定なのですが、入庁までにやっておいたほうが良いこと、勉強しておいたほうが良いことがあれば教えてください。
回答)まずは、自分のやりたいこと、好きな事をやりましょう。
公務員試験の合格、おめでとうございます。
これから自分の人生がどのように変わっていくのか、期待と不安が入り混じったような気持ちになっているのではないでしょうか。
入庁までにやっておいたほうが良いこと、というご質問ですが「まずは、やりたいことをやるべき」だと、私は思います。
年内に退職されるとのことなので、入庁まで3ヶ月以上お休みの期間があるかと思います。
市役所に入庁すると、そこまでまとまったお休みはなかなか取れません。
まずは、自分がこれまでできなかったことや、やりたいと思っていたことをやってみましょう。
ただし、今まで勉強してきただけに、何もしないというのも不安になるかもしれませんね。
今回は、私の経験を踏まえて、公務員試験合格後のおすすめの過ごし方をご紹介します。
公務員試験合格後のおすすめの過ごし方
新聞を読む
市役所の業務は、社会の流れと密接に関わっています。
地方自治とは言われつつも、市役所では国や都道府県の動きに合わせて業務の方針が変わっていくことが多々あります。
そのため、新聞を毎日読んで「今、社会がどう動いているのか」を把握しておくことは、市役所の職員として非常に重要です。
4月になっていきなり読み始めても、それまでの流れをわかっていないと意味がわからない内容も多いので、早め早めに新聞を読む癖をつけておくと良いでしょう。
Word・Excelの使い方を学ぶ
市役所はどの部署に配属されても、事務作業がメインになります。
そのため、Word、Excelの知識は必要不可欠です。
特に、Excelはよく使う割に使いこなせる方が少ないので、グラフや表を作れるだけでも業務効率は高まります。
自分でマクロを組んで作業できるような方であれば、部署内で尊敬されるかもしれません。
法律や条文を読む練習をしておく
市役所の仕事は、基本的に法律や条例に基づいています。
自分が行っている仕事が法律や条例のどの条文に基づいているのかは、常に意識しておく必要があります。
市民の方に何かを説明する際も「根拠は何なのか」と問われることがあるので、法律や条文に基づいていることを説明できるような力が必要になります。
法律の読み方は、詳しい解説本などもあるので、ぜひ参考にしてみてください。
免許を取得する
地域に密着して仕事をする市役所では、現場職でなくても車に乗って市内を移動することが多々あります。面接で自動車免許を持っているか聞かれることもあるぐらいです。
もちろん、免許がないからと言って不採用に直結するわけではありませんが、それだけ市役所の業務において車に乗れるかどうかが重要なことだとわかるでしょう。
合格した自治体の地理を学ぶ
私が合格した自治体は比較的小さい市だったので、市の地図を買い、1週間程度かけて市内を歩き回りました。
最初の配属が土木関係の部署だったので、現場に出ていくことが多かったのですが、事前に市内を歩き回っていたおかげで「地元じゃないのによく知ってるね!」と驚かれたことを覚えています。
そこまでする必要はないかもしれませんが、上司や先輩、市民の方などは、地理について知っていることを前提で話をしてくることもあります。
地元出身でない場合は、どの地域がどのあたりに位置するのか程度は事前に知っておいたほうが、市役所の業務にスムーズに入りやすいでしょう。
まとめ
今回は公務員試験合格後のおすすめの過ごし方をご紹介しました。
1つ言えるのは「入庁前から特定の知識を学ぶ必要はない」ということです。
市役所で働くうえで、どの部署に配属されるかはまったくわかりませんし、部署によって必要な知識は異なります。
「市役所への就職が決まったから年金や税のことを学んでおこう」と勉強しても、配属がまったく違う部署になって、せっかく勉強したことを忘れる可能性も十分にあります。
市役所での実務に必要な知識は、仕事の中で学んでいくものと割り切って、今回ご紹介したようなポイントを押さえておく程度で良いでしょう。
合格後にゆっくりできる期間があるのであれば、それはかけがえのないものです。
入庁までの時間を有意義に過ごしてください。
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