2022年2月24日:ロシアがウクライナへ侵攻軍事攻撃開始
2022年2月24日、ロシアはウクライナに対して侵攻軍事攻撃を開始しました。
それによってウクライナの国としての機能も止まりつつあります。ウクライナがこのような状態になってしまったことで欧州(ヨーロッパ)やその他各国にどのような影響が出るのか考えてみました。
影響が考えられる5項目とその理由を解説します。
1.食料品の値段があがる。
ウクライナは豊富な黒土(チェルノーゼム)に恵まれており、『欧州の穀物庫』と言われる程で、農業は重点産業となっています。そのため、今回のロシアの侵攻軍事行動により、欧州にウクライナから輸入していた穀物や食用油などが入ってこなくなる恐れが出始めたからです。
欧州では、主食はパンやパスタなどの小麦粉製品ですから、イタリア南部では多くの消費者が買い占めに走るような行動が見られています。既に中国はロシアに対して、小麦輸入の拡大を申し出ました。(2022年2月25日)
2.光熱費の値段があがる。
ロシアから供給されている欧州への石油、天然ガスなどのエネルギー供給の7〜8割がウクライナ経由ですので、今回の戦争によって供給が滞る可能性が出てきています。
3.石油を原料とした化学製品の値段があがる。
ロシアからウクライナ経由で石油、天然ガスなどのエネルギーの供給が滞ればそれを原料として生産されている商品の値段もあがります。
4.物価が上昇する。
ロシアの領土、領空、領海が利用できなくなることで、これまでより遠回りしないと目的地に着かなくなります。長く輸送すれば当然輸送費が高くなります。商品の流通コストが高くなればその分商品価格に上乗せされるため、物価高に繋がる可能性が高いと考えられます。
なぜなら、欧州から日本までロシア領空を航路としているため、これからはヨーロッパと日本間の飛行機が運航停止され、結果として、ヨーロッパと日本間を行き来するにはいくつもの国を通過しなければたどり着けないということになります。
すでにイギリスではロシア船籍(ロシアの国で登録されている船。船の国籍のようなもの)の港利用の禁止を議論しています。ロシア間の物流以外にもロシア船籍を利用した他国間の物流にも影響が出ます。
5.多くの難民がやってくる。
ウクライナから安全な場所へと近隣国に逃げ出す人が多くでるためです。戦争で命の危険があることは明白ですので近隣国は難民として受け入れなければなりません。
まとめ
日本から遠く離れた国の戦争ですが、世界のどこかが戦争をするとその影響は巡ってきます。日本も中国・ロシア・韓国と隣接し、領土についての問題や懸念が戦前・戦後、継続して残っています。ロシアのウクライナ侵攻は、対岸の火事ではないととらえている方が多いのではないでしょうか。
参考資料サイト
Ukraine Exports By Country (tradingeconomics.com)(外部サイト)
Ukraine’s Top 10 Exports 2020 (worldstopexports.com)(外部サイト)
在ウクライナ日本国大使館:ウクライナ概観(日本語) (emb-japan.go.jp)(外部サイト)
Why Europe depends on Russia for natural gas (cnbc.com)(外部サイト)
Russian wheat: China lifts restrictions on imports as prices rise – CNN(外部サイト)
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