似ているけど全然違う、連邦国家と国家連合
連合も連邦も元々は独立していた国などが一つのグループになったことを指しますが、どこまで密着したグループなのか、また主権はどうなっているのかという点に違いがあります。
連邦は正式名を連邦国家といい、2つ以上の独立した国または州が一つの主権のもとに、ほぼ一つの国のように構成される国家のことで、たくさんの独立国家や州や自治区などで構成されるロシア連邦共和国、また50の州政府が、国の政府である連邦政府によってまとめられている、アメリカ合衆国などが連邦国家として挙げられます。
それに対して連合は正式名を国家連合といい、独立した国同士が独立したまま手を取り合っている状態を指します。連合した国の主権はそれぞれ完全に独立しています。しかし、E U(ヨーロッパ連合/欧州連合)のように加盟している各国が、国家連合としての決まり事(欧州連合条約)をみんなで守るといった形で存在します。
同じ連合国家でも違いがあるイギリスとEU
イギリスはイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの国が連合した国家で、正式名称をグレートブリテン及び北アイルランド連合王国といいます。4つの国それぞれに歴史と独自の文化があり、かつては別々の国だった4カ国が、イングランドを中心に合併を繰り返しながら200年以上の長い時間をかけて、連合国家となりました。
そのため同じ連合国家でもイギリスを構成する4カ国の繋がりには歴史があり、近代、条約によって連合したE U諸国よりも密接なつながりがあるといえます。
日本も州が集まって一つの国になったアメリカやほかの連邦国のように、47都道府県が集まって一つの国を形作っているように見えますが、日本の都道府県は国を行政区分で分けたものなので、日本は連邦や連合国ではありません。
まとめ
連邦や連合など国号が付いている国は、いくつかの国がグループ化していることを示し、同じ国号でもさまざまな政体をとっている国々が存在します。
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