「あおり運転」とは? 法律では「妨害運転」などに当てはまります
「あおり運転」について、実は明確な定義はありませんが、三井住友海上のホームページによると、「あおり運転とは、前方の車との車間距離を詰めたり、周囲の車を威嚇、挑発したりする危険な運転のこと」を指すと説明されています。
道路交通法などの法律には「あおり運転」という書かれ方はされておらず、10類型の危険な運転が「妨害運転」として禁止されています。
▼参考URL:三井住友海上|あおり運転の定義とは?妨害運転の種類と罰則を紹介
「妨害運転(あおり運転)」として道路交通法違反になる危険な運転の種類
道路交通法で禁止されている「妨害運転(あおり運転)」についてご紹介します。
あおり運転(1)対向車線からの接近や逆走(通行区分違反)
センターラインを割って、対向車線へはみ出す行為は「あおり運転」とみなされる場合があります。
あおり運転(2)不要な急ブレーキ(急ブレーキ禁止違反)
危険回避を目的としない急ブレーキは「あおり運転」とみなされる場合があります。
あおり運転(3)車間距離を詰めて接近(車間距離不保持)
前を走る車の後ろに車間距離を詰めて接近することや、接近したままぴったりと速度を合わせて走行したりするような運転は「あおり運転」とみなされる場合があります。
あおり運転(4)急な進路変更や蛇行運転(進路変更禁止違反)
急な進路変更や、急な進路変更を繰り返す蛇行運転は「あおり運転」とみなされる場合があります。道交法では、進路変更をむやみやたらに行うことを禁止しています。
あおり運転(5)左車線からの追い越しや無理な追い越し(追越し違反)
基本的に右車線からとされている追い越しについて、左車線からの追い越しや強引な追い越し、追い越しが禁止されている場所で追い越しをするような行為も、「あおり運転」とみなされる場合があります。
あおり運転(6)不必要な継続したハイビーム(減光等義務違反)
後方などから威嚇や嫌がらせなど、妨害を目的としてパッシング(ハイビームを複数回点滅させること)をしたり、継続的にハイビームを照らし続けることは、「あおり運転」に該当します。
あおり運転(7)不必要な反復したクラクション(警音器使用制限違反)
執拗なクラクションの使用は、「あおり運転」に該当します。
あおり運転(8)急な加減速や幅寄せ(安全運転義務違反)
急な加速・減速を行い、威圧目的で蛇行運転をすることや、幅寄せし、相手に恐怖心を与えることも「あおり運転」です。
あおり運転(9)高速道路などの本線車道での低速走行(最低速度違反(高速自動車国道))
後方車両に嫌がらせをする目的で、高速道路で最低速度の時速50km以下で走る行為も「あおり運転」に該当します。
あおり運転(10)高速道路などにおける駐停車(高速自動車国道等駐停車違反)
高速道路上での駐停車も、他の車の妨害目的の場合は「あおり運転」になります。他の車の走行を妨げたり、他の車を停車させ、車から降りて文句を言うなどの目的のために、自分の車を停車させたりするというケースがあるようです。
▼参考URL:三井住友海上|あおり運転の定義とは?妨害運転の種類と罰則を紹介
もし「あおり運転」に遭遇したら?なるべく早く通報することが大切!
もしも自分が「あおり運転」に遭遇してしまったらと不安に思う人も増えてきています。そのため、ドライブレコーダーを車に設置していることを知らせるステッカーを車に貼って、事件に巻き込まれることを未然に防いでいるというドライバーもいます。
また、ドライブレコーダーに「あおり運転」の証拠が残る場合もあり、その際にはドラレコが撮影していた映像を警察に提出することがあるようです。ただ、映像が不鮮明でナンバープレートなどが確認できない場合、「あおり運転」と認められずに逮捕してもらえない、という場合もあります。
「あおり運転」に遭遇したときは(1)即時通報することが大切
「あおり運転」に遭遇した時は、まず「緊急通報」をすることが大切です。運転中の携帯電話の使用は禁止されていますが、緊急時の使用は認められていますので、ためらわずに110番へ通報するのが良いようです。
早めに通報すると、ドライブレコーダーの映像や位置情報から、犯人の足取りを割り出しやすくなるようです。
「あおり運転」に遭遇した時は(2)車種やナンバーを控えておく
運転しながら何かを書くのは、メモであったとしても難しいので、車種やナンバーを控えておくと安心です。携帯電話のカメラ機能で撮影できそうであれば、メモではなく写真を残すのも良いかと思います。
「あおり運転」に遭遇した時は(3)絶対に窓を開けない。全てのドアのカギは閉めておく。
窓やドアなど、相手が車に乗り込める状況にはならないように、閉め切ってしまうことも大切です。降りてきた相手がこちらに罵声を浴びせたり、暴行を加えてきたりする可能性があるので絶対にドアや窓は開けないようにしましょう。
「あおり運転」に遭遇した時は(4)停車する時には、まず安全な場所に移動する
相手の車が止まったからといって、どこに停車しても良いかというと、そうではありません。後続車を巻き込んだ追突事故に発展しないよう、車を停める際に周りの安全を確認して路肩に寄るか安全な場所へ移動してから停車するようにします。
「あおり運転」に遭遇した時は(5)どれだけ煽られても、とにかく冷静に
「あおり運転」によってどれだけ煽られたとしても、冷静にいることが大切です。冷静さを失って応えてしまうと、相手の行動もエスカレートしてくるので、とにかく冷静に対処することを心がけると良いようです。
▼参考URL:グーネット|煽り運転の通報は後日でも対応してもらえる?通報すべきタイミングについて
「あおり運転」の啓蒙動画6選(YouTubeより)
「あおり運転(妨害運転)」について、各警察でも啓蒙動画を公開していますのでご紹介します。
【蓬莱さんの交通安全教室(あおり運転編)】ー兵庫県警察公式チャンネル
あおり運転(妨害運転)に関する動画の作成 生田署ー兵庫県警察公式チャンネル
あおり運転、これはイカん!ー大阪府警察交通部公式チャンネル
ダメ!あおり運転〜妨害運転ー新潟県警察公式チャンネル
なくそう!あおり運転!ー愛知県警察公式チャンネル
淡路人形浄瑠璃による交通安全啓発動画ー南あわじ市広報情報課公式チャンネル
まとめ - 「あおり運転」の対応は、素早く冷静に
このページでは「あおり運転」にはどのようなものがあるのか、その10種類をご紹介しました。
また実際に「あおり運転」の被害者になってしまった時の対処法についても、まとめました。
最近では、「あおり運転」を撮影し投稿する動画投稿サイトや、個人的に「通報」として動画を公開しているサイトもありますが、個人情報が絡んできますので利用する際には慎重に各サイトの信用性を確かめて利用することが大切です。
「あおり運転」への罰則は、事故が起きていない場合でも「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」に処されることがあります。また、事故が起きてしまった場合は「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」に処されることがあります。
「あおり運転」に遭遇したら、相手の車のナンバーなどをチェックし、とにかく冷静に緊急通報できるように、心構えしておきたいところです。
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