はじめに
総合病院手術室で働く、キャリア6年の看護師(正社員)によるキャリアレポートです。
「総合病院手術室の看護師」の仕事内容について
「総合病院手術室の看護師」の主な役割は、医師・病棟看護師・臨床検査技師・臨床工学技士などの他の医療職と連携し、患者さんに安全安楽な手術環境を提供する事です。
その為に手術の準備はもちろんの事、術前訪で個々の患者さんの情報収集を行い、手術の対策を練ったりします。
同じ手術でも、患者さんのパーソナルデータによって起こりうる危険は千差万別です。その為の情報を患者さん本人やご家族、担当の医師や看護師、カルテ等から得てアセスメントを行います。
手術中は主に手術の状況を考え、医師に適切な器械の準備を行う「器械出し看護師」と、器械出し看護師のサポートを行いつつ、麻酔科医と協力して患者さんの状態悪化から守る「外回り看護師」に分かれます。
手術後は術後訪問を通して、手術中の患者さんへの看護が適切であったかなどを振り返ります。必要あれば病棟看護師に情報を申し送り、共有します。
その他、手術中に使う衛生材料や医療機器の管理、各科のマニュアルなどの管理を行う病院もあります。
「総合病院手術室の看護師」の1日の仕事の流れ
基本は日勤業務で、呼び出し当番(oncall業務)があります。
日勤
8:20 出社
8:30 申し送り
9:00 手術準備
9:10 手術対応
※手術終了から順次
次の手術
↓
次の日の術前訪問
↓
以前の手術の術後訪問
※昼休憩は不定期ですが11:00~15:00の間で1時間入ります。
17:00 終業
※oncall時は平日は17:00~次の日の8:30。
on callとは、予約を組んで行う検査において、具体的な時間は指定せずに、 依頼者側からの連絡(コール)によって検査を開始することです。特別な予約枠のことをいいます。
※土日祝日は9:00~次の日の9:00まで。
上記時間は病院から30分圏内の場所で待機。呼び出されたら出勤し手術に対応します。
「総合病院手術室の看護師」の給料・残業・有給休暇について
「総合病院手術室の看護師」の月収は42万円(残業代込み)です。ボーナスは50万円×2で、年収が600万円ほどでした。
残業は手術の状況により不定期です。oncallの呼び出し時も残業勤務扱いになります。
平均すると月20時間くらいだと思います。有給休暇は病棟よりも取りやすいですが、年間10~15日位だと思います。
この仕事で、働いているときに困ったこと
患者さんが、持っている病気を隠している事は少し困りました。特に、本人が自覚なく「いや、言う必要はないと思ったので…」と、服用している薬や既往を言ってもらえないというのが多かったりします。
あとは、医師との関係性が難しいところです。医師はこういう手術をしたいけれど担当看護師には伝わっていなく、当日にバタバタすることもあります。
そのため、入念な手術準備としての医師とのコミュニケーションが必要なのですが、医師も忙しく、なかなか連絡しても捕まらないことに困っています。
この仕事や職場でよかったこと
昔は手術室の看護師さんは怖いというイメージがありましたが、とてもやさしく、丁寧に教えていただけました。
今は指導体制やカリキュラムもしっかりしているし、相談事などのサポート体制も充実しているので新人や中途採用者の方にも大きなストレスなく成長できる点は恵まれていると思います。
あとは、院内保育室が完備されています。延長保育も融通が利くので助かります。週1回はお泊まりもできるので、夜勤をしたいママさん看護師にもうれしい院内保育室です。
「総合病院手術室の看護師」の仕事エピソード
ぶっ通しで29時間働いたことが印象に残っています。その時は巨大な脳腫瘍の手術で、前々から担当医師に「かなり時間がかかるから頑張ろう」と、言われていました。
当時は全然手術時間を予測できなかったために『遅いと言っても12時間くらいかなぁ』と思っていました。
ところが、予想を反してなかなか手術は進みませんでした。大事な血管や神経が腫瘍の中に入ってしまい、1ミリメートル進むのにも1時間かかるような状態になっていたからです。
患者さんが退室したのは次の日の12時30分。準備の時間を合わせると29時間病院にいました。
本当にヘトヘトになりましたがいい経験になりました。ちなみに、その患者さんは無事に退院されました。
まとめ ー「看護師」を目指す方へメッセージ
ぜひ、手術室看護師も考えてみてください!
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