はじめに
小規模病院で正規雇用で働く、女性の「栄養士」によるキャリア体験談レポートです。
ちなみに、その方は、調理師と栄養士の資格を持っているそうです。
「栄養士」を目指した理由
高校生時代から食べること、料理することが好きだったので、将来は食に関連した仕事をしたいと思うようになり、栄養士を目指すようになりました。
「栄養士」の仕事内容について
主に、糖尿病や、腎臓病、脂質異常症の患者さんに対しての食事を作る仕事です。
医者からもらう食事箋を元に、一日のカロリー・除去するもの・食事の形態を決めて、食札を作り、食札を参考にしながら栄養士や調理師全員で情報を共有します。その食札を見ながら、病気別に盛り付けや、食事の内容、刻み食やミキサー食などの食事の形態を替えながら個人対応をしていきます。調理師も同じ作業をするのですが、食札と食事内容があっているのかを確認するのは栄養士の仕事になります。
また、患者さんに食事を提供する前に、検食といって医師にも同じ食事を試食してもらい、検査してもらいます。これを朝食・昼食・夕食と3回繰り返すので、早番と遅番に分かれて勤務しています。
食事を作る以外には、献立作成も行います。1か月単位で献立をサイクルしていて、前の月には献立会議を栄養士同士で行い、気になる点などを話し合います。献立は去年のものを少しづつ訂正していき、行事食などは日にちを合わせるようにします。
「栄養士」の1日の仕事の流れ
早番
5時 起床
5時半 自宅を出て電車通勤(通勤時間30分)
6時 職場到着
6時半 業務開始
8時 朝食提供
8時半~9時 食器洗浄
9時半~ 昼食準備
12時 昼食提供
14時 休憩(60分)
15時 休憩終了
~16時 事務作業、清掃
16時 退社
遅番
7時半 起床
8時 自宅を出て電車通勤(通勤時間30分)
8時半 職場到着
9時 業務開始
~9時半 清掃
9時半~ 昼食準備
12時 昼食提供
14時休憩(60分)
15時 休憩終了
15時 夕食準備
17時 事務作業
18時 夕食提供
18時半 食器洗い等厨房内片づけ、床掃除
19時 退社
「栄養士」の給料・残業・有給休暇について
私の場合ですが、月給は20万円で、ボーナスは年間70万円でした。残業はあっても1時間程でした。ちなみに、年収は400万円でした。
週休2日制ですが、連休はなかなか取りにくかったです。しかし有給は取りやすい方です。小さい病院だったので、職員の人数が少なかったこともあり、急な休みが取りにくかったです。
この仕事で、働いているときに困ったこと
個人対応をどこまでするべきかの判断が難しかったです。
アレルギーの場合はもちろん除去食を提供するのですが、単なる好き嫌いの場合でも、食事が全く進んでいない人には、なるべく食べてもらいたいので、嫌いなものは除去したり、好きなものを選んで作るようにはしていました。しかし、人それぞれ違うので提供する方はとても大変でした。
病院だとしょうがないと思うのか、なるべく患者さんには喜んでもらいたいので対応するのかの線引きがとても難しいです。
この仕事や職場でよかったこと
小さめの病院だったので、調理業務の中でも、食器洗いから、食事の準備、掃除、納品、在庫チェック、そして、献立作成など、全ての業務を行う事ができたので全体を見る目がついたと思います。
もし大きな病院で、何千食も作るところで働いたら、切込みしかできない、食器洗いしかできない、などよくある事だそうです。もしくは、事務作業しかできないので、栄養士なのに調理ができないということも大きな病院の栄養士ではよくあります。
「栄養士」の仕事エピソード
感動したことは、患者さんに「食事が美味しかった」と手紙や、直接伝えてもらったときです。
栄養士は患者さんと直接会う機会が少ないのですが、行事食などで、たまに病棟などに行ったときに患者さんの笑顔が見れた時はうれしく思います。やはり、患者さんもお正月などの行事食はいつもと違った食事がでるので、楽しみにされています。作る方もとても作り甲斐があるので、大変ですが、お互いに楽しめる食事の日です。
失敗したことは、食事の載せ忘れです。細心の注意を払っていますが、1品載せ忘れていたりすることがあるので、最終チェックは特に気を付けなければいけないと思います。
「栄養士」の職場恋愛について
職場での恋愛はほぼありません。
栄養士や調理師は他の職種の方と関わることが少なく、なかなか話す時間もないので、栄養士は独身が多いといわれます。私は結婚していますが、職場恋愛ではもちろんなく、友達の紹介で知り合った方とお付き合いをし、結婚しました。
周りもほとんどそうですが、調理の仕事の方は半分以上は独身です。時間も、休日も不規則なので、なかなか出会いがないのが原因かなと思います。しかし、自分から積極的に出会いを探していればみつかります。
まとめ ー「栄養士」を目指す方へメッセージ
大変なこともたくさんありますが、やりがいはとてもあります。
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