はじめに
「公正取引委員会」は、東京都千代田区霞が関にあり、内閣府の外局として内閣総理大臣の所轄の下に設置される合議制の行政委員会です。
「公正取引委員会」の略称は、「公取委」または「公取」で、「公正取引委員会」の事務総局の職員の定員は、799人です。
なお、「公正取引委員会」は、行政機関として、外務省(1869年設置)、会計検査院(1880年設置)に次いで、古くから名称が変更されていません。
今回は、「公正取引委員会」の公務員を目指す方に押さえておいてほしい基本的な情報と役割について解説します。
「公正取引委員会」について
「公正取引委員会」は、東京都千代田区霞が関にあり、1947年に設置された日本の行政機関で、内閣府の外局として内閣総理大臣の所轄の下に設置される合議制の行政委員会です。長は、公正取引委員長です。
「公正取引委員会」の役割について
「公正取引委員会」の役割は、日本の自由経済社会で、公正かつ自由な競争が行われるよう、事業者が守るべき基本ルールを定めた独占禁止法を運用することです。
また、「公正取引委員会」は、独占禁止法の執行をはじめとする競争政策の推進によって日本経済の活性化を図り、消費者利益の確保を目的としているため、「市場の番人」とも呼ばれています。
「独占禁止法」の運用
「公正取引委員会」は、「独占禁止法」を運用するために設置された機関です。
なお「独占禁止法」とは、資本主義の市場経済において健全で公正な競争状態が維持できるよう、独占的・協調的な行動や競争方法としての不公正な行動を防ぐことを目的とする法令の総称です。
「下請法」の運用
また、「公正取引員会」は、「独占禁止法」を補完する法律である「下請法」の運用も行っています。
「下請法」とは、大規模な親事業者から小さな下請事業者を守るための法律です。
具体的には、親事業者と下請け事業者の間での取引が公正に行われるよう、また、下請事業者の利益が保護されることを目的として定められた法律で、正式名称は「下請代金支払遅延等防止法」です。
「公正取引委員会」の組織構成
「公正取引委員会」は、委員長および4名の委員で構成され、他の機関から指揮監督を受けることなく独立して職務を行うことに特色があり、国の行政組織上では内閣府の外局として位置づけられています。
また、「公正取引委員会」には、事務処理のための官房、経済取引局および審査局の2局、取引部および犯則審査部からなる本局、北海道・東北・中部・近畿および九州の5地方事務所・中国および四国の2支所で構成される事務総局が置かれています。
「公正取引委員会」の年間予算は約110億6900万円
「公正取引委員会」の2018年度の予算は、総額約110億6900万円でした。
その主な内訳は、厳正で実効性のある独占禁止法の運用費用や中小企業の不当な不利益を与える行為の取締り強化費用、消費税転嫁対策費用や競争環境の整備費用、競争政策の運営基盤の強化費用や既定人件費などです。
内訳についてはこちらの予算概算要求をご参考ください。
https://www.jftc.go.jp/soshiki/kyotsukoukai/yosan/yosankessan/h30_files/170831_1.pdf.pdf
「公正取引委員会」の「内部部局」について
「公正取引委員会・事務総局」は、その下部組織に「内部部局」を置いています。
「内部部局」とは、日本の行政機関において、府・省・庁・委員会などに置かれる組織の細目の一つで、府省庁内の本体部分を構成する組織のことを指します。
「公正取引委員会」は、「内部部局」として、公正取引委員会事務総局官房(官房)、総括審議官、審議官、サイバーセキュリティー・情報化参事官、参事官、経済取引局、審査局、地方事務所・支所として沖縄総合事務局総務部公正取引室を置いています。
さらに、「官房」は、公正取引委員会の所掌する行政事務に関し、統一性・一体性をもたらすための総合調整を主な業務としており、その下部組織に「総務課」「人事課」「国際課」を置き、総務課の下部に「会計室」「審決訴務室」「企画官」「政策調査専門官」を、「人事課」の下部に「企画官」を、「国際課」の下部に「企画官」を設置しています。
まとめ
いかがでしたか?
「公正取引員会」は、「独占禁止法」を運用するために設置された機関であり、競争政策を推進する「市場の番人」とも言われています。
ちなみに、公正取引委員会の英語名称は「Japan Fair Trade Commission」で、略称は「JFTC」です。
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