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【目指せ!外交官】世界遺産とパスタの国「イタリア」の基本知識(2018年10月調査情報)

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目次

イタリアってどんな国?

「イタリア」の日本語の正式表記は「イタリア共和国」で、漢字による当て字では「伊太利亜共和国」と表記し「伊」と略されることもあります。正式名称はイタリア語で「Repubblica Italiana(レプッブリカ・イタリアーナ)」、通称「Italia(イターリア)」です。公式の英語表記は、「Italian Republic(イタリャン・リパブリク)」で、通称は「Italy(イタリ)」です。

面積・場所について

「イタリア」の国土の広さは、約30万平方キロメートルで、日本領土の約5分の4程度の大きさです。

「イタリア」の場所は、ヨーロッパのアルプス山脈の南で、地中海に突き出した長靴のような形の半島と、地中海に浮かぶサルデーニャ島、シチリア島などの周辺の島からなる国です。

そして「イタリア」は、西側をフランス、北側をスイスとオーストリア、東側をスロヴェニアと国境を接していますが、東側のアドリブ海を挟んでクロアチア、アルバニア、ギリシアなどと隣接しています。

都市について

「イタリア」の首都は「ローマ(イタリア語:Roma、英語:Rome)」で、約287万人が住む政治、経済、文化の中心地であり、世界都市でもあります。このローマの中には、カトリック教徒の中心地「バチカン市国(独立国)」があり、そこにはローマ教皇が居住し、世界最大のキリスト教会「サン・ピエトロ寺院」などがあります。

第2の都市が「ミラノ(イタリア語:Milano、英語:Milan)」で、商業、工業、金融の中心地であり、イタリア北部において最大の都市です。人口は約160万人ですが、近郊を含む都市圏人口は約526万人でイタリア最大の都市圏を形成しています。

また、ミラノは古くから服飾・繊維産業などファッション関連の産業が盛んで「ミラノ・コレクション」が年2回開催されることでも有名です。

第3の都市が「ナポリ(イタリア語:Napoli、英語:Naples(ネイプルズ)」で、ナポリ湾に面した港湾・工業都市であり、イタリア南部において最大の都市です。人口は約97万人ですが、近郊を含む都市圏人口は約300万人です。

その他の都市に、自動車や航空産業の中心地である「トリノ(イタリア語: Torino)」やルネサンスの文化的中心地であった「フィレンツェ(イタリア語: Firenze)」、水の都の別名を持つ「ヴェネツィア(イタリア語: Venezia)」など数多くの有名都市があります。

人口について

「イタリア」の人口は、約6,000万人(2018年)で、日本の人口のほぼ半分です。

成り立ちについて

現在の「イタリア」領域には、エトルリア人、マグナ・グラエキア人が住み、それぞれの文化が栄えていましたが、紀元前8世紀ローマ王国が誕生します。そして、紀元前509年ローマは王制から共和制となり、紀元前3世紀にはイタリア半島を制圧します。


ローマ帝国は、周りの国々と戦争を繰り返しながら大きくなっていき、紀元前50年頃には現在のスペインやドイツまで達する大帝国となっていきました。しかしその後、内乱と暴動やゲルマン人等との戦争を繰り返し、徐々に国力を落としていきます。そして、395年ローマ帝国は東西に分裂、その後も他民族との侵入が絶えず、410年にはローマ略奪されました。

5世紀以降は、イタリア半島の政治的な統一性は失われ、ローマ帝国、ゲルマン人、アラブ人などの勢力が乱立して相争う状態でした。そのような状況の中で、唯一安定していたカトリック教会は、大きな政治権力を握るようになっていきました。そして、イタリア一部を統治してたローマ教皇の影響力は広がり、キリスト教化されヨーロッパ中に及んでいきました。

その後も、内戦や近隣諸国との紛争を繰り返していましたが、ローマ教皇や各国の君主は芸術を保護し、15世紀頃はミケランジェロやレオナルド・ダ・ヴィンチといった「ルネサンス」の巨匠たちが偉大な文化的・芸術的業績を成しています。

そして、1494年から神聖ローマ帝国・スペインとフランスが「イタリア」を巡って繰り広げた「イタリア戦争」が60年以上も続き、これによりイタリア半島の大部分が分割され、外国により支配される境遇に陥ってしまします。ルネサンス時代には先進国でしたが、文化も衰退、政治・社会的には立ち遅れた状態になり、この状況は18世紀まで続きます。

1796年にフランスの将軍としてナポレオンが「イタリア」に侵入しナポレオン軍優位で戦局が進み、1798年には教皇領のローマもフランスに支配され、1805年ナポレオンはイタリア共和国を建国し、自身が大統領になりました。これにより、イタリア半島の各国は統合され、ナポレオン(フランス)によりほぼ統一されました。

1815年ナポレオンのフランスが敗れ、オーストリア軍が勝利した結果、ローマ教皇はローマに戻り、実際にはオーストリアがほぼイタリア半島全体を支配することになりました。そのころから、ヨーロッパ各地で自由主義と民族主義(ナショナリズム)の運動が盛んになり、数々の革命や戦争がおこりますが、失敗に終わります。

しかし、サルデーニャ王国は、1859年、フランスと同盟を結んだオーストリア帝国攻撃の成功を契機に、イタリア中部の諸領域の併合を進め、イタリアの大部分はサルデーニャ王の領地となりました。そして、1861年、統一国家としての「イタリア王国」の成立が宣言されました。

1915年第一次世界大戦に参戦し戦勝国となった「イタリア」ですが、総力戦となった大戦により深刻な不況へと突入します。そして、1922年ムッソリーニ率いるファシスト政権により独裁体制が確立されました。

さらに、1940年に第二次世界大戦でフランス南部に侵入しますが、疲弊していた経済では十分に戦えず、ドイツ軍の援助を受けるようになります。その後、1943年にはムッソリーニは失脚、連合軍に降伏しました。そして、1946年6月、国民投票で王制廃止が決定され、「イタリア」は現在の共和政に移行しました。

イタリアの国民・宗教・言語について

国民について

「イタリア」の国民は、古代ローマ人を祖先とする主にラテン系イタリア民族が主流で、国民の90%以上を占めています。少数民族としては、南チロルのチロル人などがいます。

近年、外国人人口が増えており人口の1割近くを占めるようになりました。移民グループではローマ人を祖先とするルーマニア人が最も多く、次いでモロッコ人とアルバニア人になります。そして、アジア系では中国系移民がここ数年で増加しており、移民の増加が問題視されています。

宗教について

「イタリア」の宗教は、キリスト教です。そのキリスト教徒のほとんどがカトリックで国民の約80%を占めています。それ以外の国民の大半は無宗教もしくは無神論者で、その他のキリスト教プロテスタントや,ユダヤ教,イスラム教,仏教などの宗教は、それぞれ数%に過ぎません。

言語について

「イタリア」の公用語はイタリア語ですが、国土も半島で細長く、歴史的に別の国に分かれていたこともあり、同じイタリア語でも方言の差が激しいことで知られています。

「イタリア」では北西部の都市ラ・スペツィアと北東部の都市リミニを結ぶ線が、イタリア語を東西に大きく二分する「等語線」になっています。中部イタリアのトスカーナ州の言葉を中心にイタリア標準語が形成されていますが、北イタリアではフランス語に近い西ロマニアの言葉である「ガロ・イタリア語」が使用されています。

また、ヴェネツィア共和国が長く治めていたヴェネツィアでは「ヴェネツィア語」を、南イタリアでは最大都市ナポリを中心に「ナポリ語」使用されています。このナポリ語と標準イタリア語では文法上に大きな差異があるため、同じイタリア語でもそれぞれの話者同士で意思疎通できないことがあるそうです。


イタリアの経済状況について

「イタリア」のGDPは19,380億ドル(2017年)、日本円にすると約220兆円で、世界第9位です。同年の一人当たりのGDPは約3.2万ドルで、世界で28位です。

「イタリア」は主要農業国の1つであり、農業生産額はフランス・ドイツに次ぐEU第3位で、国土面積に占める農用地の割合は45%に上ります。国内の気候、土壌、高度が地域差に富んでいるため、さまざまな農作物の栽培が可能で、北部は酪農も盛んです。主要農畜産物は、小麦、ぶどう、トマト、オリーブ、豚肉、生乳等で、加工品では、ワイン(輸出額世界2位)、トマトペースト(同2位)、オリーブオイル(同2位)、チーズ(同4位)等が有名です。

第二次世界大戦以降、ミラノやトリノなどの北部は急激に工業化が進み、農業国から転換しました。主要工業は、繊維工業と化学工業、その他自動車、鉄鋼、食料品の製造業などです。そして、1958年から1963年にかけて「イタリア」経済は急激に成長し「経済の奇跡」とも呼ばれました。

しかしその後、「イタリア」経済はジェットコースターのような浮き沈みの激しい経済状況をたどります。そして、2002年には通貨「リラ」からEU単一通貨「ユーロ」に移行され、2000年代からユーロ圏平均を下回る低成長が続いています。また、2010年の欧州ソブリン危機(※)発生後、世界からイタリア財政の成り行きを不安視されましたが、その後誕生する政権で、さまざまな経済政策とり、現在のイタリア経済は緩やかですが、景気回復が続いています。

※ちなみに、2009年のギリシャ政権交代に伴い、国家財政の決算が粉飾されていたことが暴露され、ギリシャの国債(ソブリン債)は暴落し、世界各国の株価ならびにユーロが下落しました。このギリシャの危機が欧州各国にも波及して世界経済にも悪影響を及ぼしています。この一連の動きを「欧州ソブリン危機」といいます。

貿易について

「イタリア」の最大貿易相手国は、輸出入ともに「ドイツとフランス」です。その他の主要輸出相手国は、「米国、スペイン、イギリス」で、主要輸入相手国は「中国、オランダ、スペイン」です。

「イタリア」の主な輸出品は、医薬品、自動車や自動車部品、原油以外の石油です。そして「イタリア」の主な輸入品は、自動車、原油、医薬品、ガスとなっています。

「イタリア」の総貿易額は、輸出が約5,000億ドル、輸入が約4,500億ドル(2017年)輸出額の方が多くなっています。

イタリアの政治・政策について

政治体制について

「イタリア」は共和制で、元首は共和国大統領(任期7年)です。

議会制度は二院制で、上院が315議席と大統領が指名した終身議員(変動し6~8名)、下院が630議席です。上下院ともに任期は5年で、両院の権能は完全対等であるため、双方とも大統領が解散できます。

「イタリア」の地方行政区分は、20州(regione)で、各州はさらに110の県 (provincia) に分かれます。そして、各県にはさらに、コムーネ(comune)に分かれます。ミラノが存在する「ロンバルディア州」が、イタリア最大の人口数で約1,000万人です。

選挙制度について

「イタリア」の国民選挙権年齢は、世界でも珍しく両議院の選挙権年齢が異なっており、下院が18歳、上院が25歳です。両議院の選挙制度は、比例代表制と小選挙区制の併用です。

「イタリア」は投票を国民の義務とするという義務投票制を採用していて、総選挙で投票率は80%を超えることもあり、国民の選挙に対する関心も投票率が高くいことで知られています。

イタリアの大統領・首相について

「イタリア」の大統領は、任期は7年で、条件は50歳以上です。大統領は、議会の両議院議員と各州の代表者3名(ヴァッレ・ダオスタ州のみ1名)の総計1,000人に投票資格が与えられ選出されます。

首相が長の内閣が行政を統轄し、首相は大統領が指名し、議会に承認されます。内閣各省の大臣は、首相が指名し、大統領に任命されます。

イタリアの国防制度・軍事制度・兵役について

「イタリア」共和国の軍隊は、「陸海空の三軍」そして軍警察及び国家憲兵としての役割をもつ「カラビニエリ」を所有し、略称は「FF.AA.」と表記されます。軍事費は約230憶ドル(2016年)で世界で11位です。

「イタリア」の兵士は2004年まで徴兵制でしたが、2005年より志願制に変更されました。兵士は18歳以上で、任期1~4年の期限付兵もしくは終身兵の2種があります。兵士数は約17万人で、その内訳は陸軍が約10万人、海軍が約3万人、空軍が約4万人です。軍警察のカラビニエリの人員は約11万人です。

また、「イタリア」軍は海外派兵を行っています。NATOによるアフガニスタンへの「確固たる支援」任務(RSM)に約1,000名、レバノンへ国連レバノン暫定軍(UNIFIL)に約1,100名、対ISILへの有志連合に約1,300名、リビアの「ヒポクラテス作戦」に約300名、EU NAVFOR MED作戦(地中海経由の移民対応)に空母や航空機の他、約600名の人員を派遣しています。

イタリアと日本の関係について

「イタリア」と日本は、伝統的にも両国の関係は良好で、世界の先進国としてG7等でも協力し合っています。


日本からイタリアへの輸出額(2017年)は約5,500億円で主要貿易品目は輸送用機器と一般機械です。また、イタリアからの日本の輸入額(2017年)は1兆1,600億円で主要貿易品目は加熱式たばこ、一般機械、バッグ類そして、輸送用機器となっています。

そして、「イタリア」にいる日本人の数は「約1.4万人」で、日本にいる「イタリア」人の数は「約4,000人」です。(2017年,法務省在留外国人統計)

また、約280社の日本企業が「イタリア」に進出しており、日本にある「イタリア」の企業は約60社です。

まとめ

いかかでしたか?

世界で一番「世界遺産」の数が多く、流行の最先端としても知られる「イタリア」は、ラテン系の陽気な民族が住み、地中海性気候の四季を感じられる多彩な気候とおいしい料理で、世界中から観光で多くの人が訪れる国です。

ちなみに、「イタリア」はワイン生産量が「世界一」で、ワインは国民的な飲み物で「水より安い」といわれるほど。イタリアの全20州でワイン用ブドウが栽培されていて、ブドウの品種は2,000種以上あり、そのブドウが作り出す個性的な味わいが、バラエティに富むイタリアワインの魅力なのだそうです。

また、世界を代表する多くの選手がプレイするプロサッカーリーグ「セリエA」がある「イタリア」は地域密着型のチームで熱狂的なサポーターが存在することでも有名です。なお、男子サッカーの「イタリア」のFIFAランキングは、2018年10月では「19位」です。

本記事は、2018年11月28日時点調査または公開された情報です。
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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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