【公務員の給料】あなどるなかれ公務員の「手当」について

公務員の給料の中でも「手当」について解説します。超過勤務手当や地域手当など公務員には様々な手当があり、基本給だけでは判断できない部分があります。今回はそれらの手当について、刑務官など矯正職員歴37年勤めた元・国家公務員の小柴龍太郎さんに執筆いただきました。


これから公務員になろうとする人は、たいてい初任給が幾らかを気にすると思います。当然です。それが月給の基本だと思うからです。

でも実際は必ずしもそうではありません。

公務員にはいろんな手当が出るのです。実際に国家公務員として長く勤務した私は、この「手当」で助けられてきたという思いが強くあります。

「公務員の給料」は月給プラスアルファがあります

「初任給」というのは、正式には「俸給」とか「俸給月額」と言います。このほかにいろんな手当があって、それらを合算したものがいわゆる月給であり、「給与」と呼ばれます。つまり、俸給=給与ではないのです。こちらは、俸給は民間でいう給料と考えてください。これをごっちゃにして理解すると判断を誤ります。

公務員の俸給(俸給月額)は一流の民間企業と比べると低めかもしれませんが、給与となるとその差は小さくなり、遜色のないものになる可能性があります。その辺の構造をよく理解して、「公務員は初任給が低いからやめとこ」などと早合点しないようにしてほしいと思います。

では「手当」にはどんなものがあるか。これをすべて列挙することは大変なので、その主なものを挙げてみましょう。

公務員の給料をアップする「手当」は多種多様

▼超過勤務手当

まず大きいのは超過勤務手当。勤務する場所にもよりますが、多くの官庁では月に数万円にはなるでしょう。休日に勤務すれば休日給が、夜間に働けば夜勤手当が出ます。宿直勤務となれば宿直手当です。

▼扶養手当や通勤手当、住居手当

扶養手当や通勤手当、住居手当はもちろん出ます。保護観察官のような仕事では俸給の調整額というものも出ます。罪を犯した人を相手にする仕事なので、一般の人よりは危険性があるということでプラスアルファがあるということです。

▼地域手当


都市部で働く場合には地域手当が出ます。東京の場合は俸給の12%が上積みになりますから、これも大きい。一方、僻地勤務となるとと特地勤務手当が出ます。寒い所での勤務となると暖房費に充てられるように寒冷地手当が出て、遠くに転勤するような場合には広域異動手当が出るし、単身なら単身赴任手当が出ます(これが出るようになってから単身赴任者が増えました)。

▼特殊勤務手当

極端な例ですが、死刑執行など特別の勤務に従事すると特殊勤務手当も出ます。そして楽しみなのが期末手当と勤勉手当。期末手当の方は大体決まった額ですが、勤勉手当は勤務成績によって違うので毎回違う可能性があります。一喜一憂しますが、まあ、これも楽しみのうちと考えましょう。

▼初任給調整手当などなど

ほかにも、初任給調整手当(お医者さんのような場合)や俸給の特別調整額(いわゆる管理職手当)などの手当があって、まさに公務員の給与は手当だらけと言ってもいいくらいです。

まとめ – 民間と比較するなら手当を含めて合計で!

ですから、これから公務員になろうとする人は、これらの手当のことを知った上で民間企業と比較してほしいと思います。

そもそもボーナス(公務員の期末・勤勉手当)がない企業もあるそうですし、景気などで大きく変動することも多いと聞きます。

公務員にはそのようなこともないので安心です。

女性が結婚相手を考えるとき、公務員に人気があるのは案外このようなことも影響しているのかもしれませんね。

(小柴龍太郎)

本記事は、2017年6月17日時点調査または公開された情報です。
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