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【国家公務員の勤務評定】気になる「人事評価」の現場

国家公務員の「人事評価」、勤務評定は、評価される人は同じなのに、評価する人が違うとウソみたいに変わることがあります。今回は勤務評定をする側の話や勤務評定の扱われ方、特別昇給についてなどについての元・国家公務員によるコラムです。

2017年06月18日更新

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目次
人事評価は評価する人によって別人のように内容が変わります
評価する人によって差が出るのは、なぜ?その原因は?
評価ひとつが人の人生を左右することもあります
つけられた評価はいろんな面で活用されています
特別昇給とは?どうやって決められている?
評価が人事異動のひとつの指針になります
まとめ
【国家公務員の勤務評定】気になる「人事評価」の現場

私は国家公務員として定年まで勤務しましたので、その間たくさんの勤務評定を受け、またその何百倍(あるいはもっと)の勤務評定をしました。さらにまた監督官庁でも勤務しましたので、所管庁から送られてくる大量の勤務評定記録書を見る機会もあり、その使われ方を知る機会もありました。

その経験を基に、国家公務員の勤務評定、すなわち人事評価の一端を紹介してみます。

人事評価は評価する人によって別人のように内容が変わります

まず、勤務評定(以下「勤評」といいます)をする側のお話です。

これはまさに千差万別。評価する人によって相当違います。評価される人は同じなのに、評価する人が違うとウソみたいに変わることがあるのです。一人の職員の勤評を10年分くらい見るとよく分かります。これが同じ職員を評定したものかと疑ってしまうくらいです。

もちろん同じような勤評となることもあります。勤評の仕方は法令で決められていますので、当然ながらむしろこちらの方が多いのですが、それでも無視できないほど評価する人が変われば結果も変わるということです。

評価する人によって差が出るのは、なぜ?その原因は?

例えば、生真面目に評価する人もいれば大雑把な人もいます。部下が何十人もいる部署の上司などは、一人一人綿密にやっていたら本来の仕事に支障が出るので、テキトーになってしまうこともあるようなのです。極端な場合は大半の職員の勤評がほとんど同じようなことだってあります。勤評だけを見ると、AさんもBさんも、Cさんだってみんな同じような人みたいということだってあるということです。

人に厳しい人と甘い人の差も出ます。自分のことは棚に上げて、部下の短所をあげつらう人もいれば、「少しエンピツをなめておきましょう」くらいの感じで評定する人もいます。

評価ひとつが人の人生を左右することもあります

私が最初に部下を持ったとき、初めての勤評をまじめに書いたのですが、その結果を見た上司から「ペンで人を殺すな!」と叱られました。部下の悪いところをそのまま書いたところが良くないというのです。「事実なんだからしょうがないでしょ」と思ったのですが、結局は上司の言うとおりに書き直しました。

後でいろんな勤評を見る立場になった時、上司の言う意味が分かりました。多くの上司は部下の悪い所をオブラートで包み、良い所にはゲタをはかせてオーバー目に書いていたのです。勤評は誰に見られ、どのように使われるか分かりません。

かわいい部下が勤評の書き方一つで良く扱われたり不利に扱われたりするなら、それは良く扱われたいと考えるのが普通でしょう。そういうことだったのです。

つけられた評価はいろんな面で活用されています

評価した次に勤評がどのように使われているかですが、昇給・昇格や、勤勉手当、そして人事異動の際の参考にされるのが主なところだと思います。

昇給には定期昇給(正式には「普通昇給」といいます)のほかに勤務成績が特に優秀な人に特別に昇給させる制度がありますが、例えば勤評の結果がとても悪ければ定期昇給が行われません。公務員は誰でも自動的に年功序列的に給料が上がっていくと思われているようですが、制度的にはそうなっていません。あまりひどい人は昇給しない。もっとも、そのような人はごく稀ですが。

特別昇給とは?どうやって決められている?

特別昇給は、勤務成績が特に良い人が選ばれて昇給する制度ですが、これが結構悩ましい。

誰が特別昇給したかは職員間にすぐ知れ渡りますので、昇給しなかった人は面白くないわけです。

そこで、勤務成績にそんなに差がない職員群については数年おきに順番で特別昇給させるという運用が行われている所が多いと思います。理念や制度と職場の実情とが合わないことからくるものでしょう。

勤勉手当も同様で、勤務成績の良い人に多くのお金が支給される制度ですが、特別昇給のような問題があるので、運用上は微妙なものがあります。

評価が人事異動のひとつの指針になります

人事異動の際に使われる勤評は、A、B、Cといった評語よりは性格欄などの方に注目がいきます。

上記のように評語はあてにならないことがある一方、性格欄にはだいたいその職員の実態が現れます。この欄でひどい評価がされていると、「こいつは相当変な奴だな。配置先は気を付けよう」などというふうに使われるわけです。

ちなみに、甘い評価をしようと全員をAランクにしようとしてもそれはできません。制度上、それぞれの評語別の分布割合が決められているからです。また、最悪レベルの評価が長く続くと、分限上の問題が出てきます。

公務員は、仕事をまっとうに続けられない場合には降任されて、比較的簡単な仕事をやるような部署に異動させられたり、それより下がないほどの仕事でもできない場合には強制的に離職させられるような制度になっているからです。

まとめ

以上、国家公務員の勤評について概観してみましたが、結論的に言えば、これから公務員になろうとする人はあまり勤評を気にすることはないと思います。

上司によって勤評は変わるものだし、極端な例を除けば勤評によってそれほど大きな差は生じないのですから。

例えていえば、外出の予定がないのにやたら天気予報を気にする必要はないみたいなものです。それに、良い勤評を書いてもらおうと上司の方ばかりを気にし過ぎると、目がヒラメみたいなり、悲しい人間になってしまいます。

(小柴龍太郎)

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