「東京都」の「市役所で働く公務員」の仕事内容・給料レポート

現役もしくは元・公務員へのキャリア・アンケートです。

今回は、「東京都」の「市役所」で働く公務員(女性)に回答いただきました。

仕事内容、年収(給料・ボーナス)や残業状況・職場恋愛などについてアンケートしたものを編集して掲載しています。


はじめに

「東京都」の「市役所」で働く公務員(女性)によるキャリアレポートです。

レポート者のプロフィール
公務員としての職業・勤務先:市役所職員(東京都にある市役所勤務)
性別:女性
雇用体系:正規雇用
所有資格:自動車運転免許、社会科教員免許(中学社会、高校地歴)

「市役所で働く公務員」を目指した理由

就職氷河期で民間企業の就活をしていたのですが、民間企業のサービスを利用できない貧困層や高齢者など社会的に弱い立場の人々にとって、市役所は最後のセーフティネットだということに気づき、弱い立場の人々に手を差し伸べられる仕事という点に魅力を感じ、民間企業の就活を辞めて市役所職員を目指しました。

「市役所で働く公務員」の仕事内容について

公立小中学校児童生徒の転入学の管理をしていました。

具体的には児童生徒数を正確に把握し、学級数や配置職員数を決定して東京都へ報告したり、転入学にかかる書類手続きをするために学校や他自治体と連絡を取ったりする仕事です。

特に児童生徒数は、1人間違っただけでクラス数や新規採用の教員数などすべてが変わってしまうのでとても神経を使う仕事でした。

また、地域の児童生徒数の推移を予測し、その学区の学校規模が適正かどうか判断し、学校の統廃合を計画・実施する仕事もありました。

今は良くても大規模マンションの建設予定などから将来の児童生徒数の増減を予測していかないと、いざ教室数が足りなくなった時に予算が足りず教室の増築が出来ないなど不測の事態が起こる可能性があるので、建設部門の課との情報共有も常に行っていました。

他にも昨今問題になっているいじめを理由とした転校相談や特別支援学級との連携など、デリケートな問題を扱うことも多かったため、専門知識やカウンセリング方法など研修会などに参加して勉強することも必要でした。

「市役所で働く公務員」の1日の仕事の流れ

7時30分:自宅を出て自転車で出勤
8時:職場到着 カウンター掃除 収受印の日付変更 メールチェック
8時30分:始業 係内朝会 学校への送付物発送
学籍システム起動
前日の転入出移動データ取り込み
→各小中学校への情報伝達および手続きの不足確認
住民票で氏名表記のチェック
窓口電話対応
転校関係書類作成及び決裁
12時:お昼休憩(60分)日によって昼当番制なので前後に時間がずれることも
13時:窓口電話対応
消耗品購入手続き
各種契約関係決裁
学校訪問(季節によって学校変更面接実施)
各小中学校からの送付物確認及び転校関係書類の承認作業
他自治体からの転校関係書類の確認及びシステム入力
住民票担当課へ氏名表記エラーの児童生徒について確認
17時15分:終業 学籍システムバックアップ及びシャットダウン
残業(日中の窓口対応により残った庶務)
21時:残業終了

「市役所で働く公務員」の給料・残業・有給休暇について

月給は24万円でボーナス80万円で年収は370万円でした。ただし月によっては残業が多く、残業代込みでだいたい400万円から450万とかなり変動します。

有給休暇は学校が休みの8月は比較的とりやすかったですが、そのほかはあまり長期で連続してとることはできませんでした。


この仕事で、働いているときに困ったこと

世間の風当たりの強い仕事だということは理解していましたが、個人情報保護の観点から市民の方の要望にどうしても対応できない部分があったりすると「これだから公務員は無能なんだ」「税金泥棒」など決まり文句のように言われることが非常に辛かったし、困りました。

もちろん改善すべき点はたくさんあると思いますが、その中でも法律上譲ってはいけない部分があり、それを説明しても理解していただけないときにどう対応したらよいか戸惑うことが多かったです。

この仕事や職場でよかったこと

福利厚生の部分では恵まれていました。女性の産休育休は比較的とりやすいですし、職場復帰も非常にスムーズに感じました。私は祖母の介護休暇を申請したのですが、職場の理解も得られたのであまり気負うことなく取得することが出来ました。

また、組合主催のイベントや職員会で行う日帰り旅行など、お得な値段で参加できる楽しい企画が多く良く利用していました。(もちろん費用は税金ではなく私たちの会員費です。)

また、私の職場はやる気のある若手職員は、希望すれば行政視察研修を組める制度があり、勉強のため他自治体へ行くなど普段は経験できないことも経験させてもらえたのが非常に良かったです。

「市役所で働く公務員」の仕事エピソード

社会的責任が非常に大きい仕事で、個人情報の大切さを実感する機会が多々あり大変でしたが勉強になりました。

ある日DV加害者が窓口に突然現れ、半ば恫喝のように被害者の住所と子どもの通っている学校を教えるよう迫ってきたのですが、毅然とした態度で対応し丁寧にお断りをし続けたところ、捨て台詞を吐いて立ち去られました。対応中は内心怖くて仕方がなかったのですが、大事な情報を守ったのだと強い達成感を感じました。

同時に、個人情報はただの情報でなく、その人の命に係わる大切な情報なのだと実感しました。 私はまだ経験がないですが、むなぐらをつかまれるなど脅しのような行為を受ける職員もいます。公務員の不祥事が報道されることもありませすが、ほとんどの職員は身を挺して市民の皆さんの情報を守るため日々奮闘しているということを多くの人に知っていただきたいです。

「市役所で働く公務員」の職場恋愛について

職場内恋愛・結婚も多いですが、他自治体との合同研修などもあり、同業他社というか他自治体の職員や、警察、教員など公務員同士での恋愛も非常に多いです。

同じ市役所内はずっと続けば良いとは思うのですがどうしても別れてしまったあとが気まずく、市役所で転勤もないのでリスクがあります。公務員の中でも他自治体職員であればだいたい仕事内容が理解できますし、別れても頻繁に顔を合わせるわけではないので、恋愛に至るケースが多かったです。

まとめ ー「市役所で働く公務員」を目指す方へメッセージ

世間の風たりは強いですが、それ以上に社会的責任が大きくやりがいも非常にある職業です。清く正しくを貫きたい方にはもってこいの仕事なので、明るく頑張ってください。

本記事は、2019年11月14日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

市役所で働く公務員
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