【女子大学生インタビュー】合格体験談2019 – 首都圏自治体の「司書」職

地方公務員上級職である「司書」職に進路が決まった女子大学生へ、合格体験談インタビューをしました。

本記事では、勉強方法や、実際に試験を受けてみた感想などについてアンケートしたものを、編集して掲載しています。


はじめに

地方公務員上級職である「司書」を目指して、公務員試験を受験した女子大学生による、公務員合格体験記です。

合格者プロフィール
ニックネーム:Nさん
出身大学 :関東の国立大学
出身学科 :文学部
性別 :女性
最終合格 :地方公務員「司書」 他2自治体で合格
内定先 :地方公務員「司書」
最終進路先 :地方公務員「司書」

なぜこの職業を目指しましたか?

大学時代に受けた司書課程の講義で、図書館は人間の本質である知的欲求を満たすために営まれるという考え方や、多様な立場にある人のためのサービスであると知りました。

私もそこで人の役に立つ仕事、大好きな読書を多くの人に広める仕事がしたいと考え、目指しました。

公務員試験の勉強について教えてください。

勉強方法(独学・スクールなど)

大学生協の公務員講座でした。

いつくらいから勉強を始めましたか?

数的処理など、教養試験については、講座の授業を大学3年生の6月からほぼ休まず受けていました。

ただ、家での自習をしっかり始めたのは2月頃からです。司書の専門試験対策は8月頃から本格的に始めました。

スクールでの学校名・受講コースを教えてください。

通っている大学の生協が提供する、「公務員講座・総合コース」です。

勉強方法などをお聞かせください。

各科目の勉強方法や苦労した点・工夫した点・おすすめ書籍などがあれば、教えてください。

一次試験/基礎能力試験(多肢選択式)について

一次試験/基礎能力試験(多肢選択式)については、公務員講座で配られた問題集を繰り返し解いていました。

特に、数的処理は1日最低でも1問は解くようにしていました。また、社会科学や自然科学、時事などの知識科目は問題集を解いた後、自分でノートにまとめ、何度も赤シートで確認していました。大学図書館にある公務員ジャーナルに載ってる問題も全問解きました。

直前期には地方上級の教養試験過去問題集を買い、2周しました。ちなみに、東京都は数的処理、判断推理が多めでした…。


教養試験は最後に数的処理をまとめて解くのはキツすぎたので、私は最初に判断推理や、解けそうな数的処理の数問を解き、次に、得意な文章理解をまとめて解き、知識問題も全て解き、最後に残りの数的処理の問題を解きました。

模試などを受けていく中で、自分に合った解く順番を見つけるといいと思います。

一次試験/専門試験(記述式)

一次試験/専門試験(記述式)については、東京都の司書職の専門試験は、記述式でした。『司書もん』という司書職の専門試験の対策問題集を繰り返し解き、解説も読み込んで、ノートにまとめてました。

都庁のホームページで公開されている過去問を見ると、『司書もん』に載っている記述式の問題と、似てるものが多かったので、ぜひ活用してください。そして、ホームページで公開されてる過去問をノートに全て書き写し、自分で調べながら模範解答を作りました。

また、『司書になる』というTwitterがありまして、そこにさまざまな自治体の過去問が掲載されています。出題された用語をノートに写し、web辞書のコトバンクや『JLAテキストシリーズ』で意味を調べ、まとめていました。

そして、今まで大学で受けてきた司書課程の講義のレジュメを見返してノートにまとめました。

▼「図書館司書になる!」
https://twitter.com/librarian_wiki

一次試験/専門試験(多肢選択式)

一次試験/専門試験(多肢選択式)については、横浜市の司書職の専門試験は、多肢選択式で、40題出ました。

東京都の方が日程が早かったので、上記の東京都に向けての対策が横浜市の対策にもなっていたように感じます。ただ、東京都は5題中3題を選択するので、『資料情報組織論』や『情報技術論』など、苦手分野は捨ててしまい、あまり復習できていませんでした。

横浜市は選択式とはいえ、満遍なくすべての分野が出題されます。だから、授業のレジュメを見返してました。『資料情報組織論』については『目録法キイノート』『分類法キイノート』という市販のテキストを市立図書館で見つけ、借りて読みました。

私にとっては、Twitter『司書になる』に載っている過去問をもとに、自分でまとめたノートが1番役立ちました。

一次試験/論文試験

一次試験/論文試験については、多摩市と横浜市は、図書館に関する論文試験がありました。

多摩市は「多摩市の現状を踏まえ、図書館をまちづくりにどう活用すべきか」という問題が出ました。横浜市はここ数年の過去問が全てホームページに載ってますのでそちらをご覧下さい。公務員講座で、行政職向けの政策論文の講義を受けていましたので、それが役に立ちました。

論文対策は、構想メモを作ること、事前に自治体の取り組みを調べることが大切だと思います。公務員ジャーナルも参考にしていました。そして、図書館のホームページに載っている事業概要、図書館協議会の議事録、パブリックコメント、アクションプランなどを調べてまとめました。大学で受けた『公共図書館サービス論』や『図書館制度経営論』の講義で、様々な図書館サービスの好事例や、図書館の問題についての新聞記事などが配布されていたので、それらをもう一度読み、ノートにまとめ、それについての自分の考えをまとめました。

また、『図書館情報学メディア研究会』というTwitterは海外も含め、図書館に関するニュースの記事を流してくれます。それも定期的にチェックしていました。


図書館に限らず、受験先の自治体全体の現状や課題、ほかの課の取り組みも調べておくといいと思います。

人物試験(面談)

司書職は人物試験もかなり重視されます。そして、採用人数が少ないので、面接試験で半分以上落とされてしまいます。

私は対策として、説明会に参加すること、図書館のホームページや事業概要、イベントの報告などを調べてまとめること、自治体の図書館を分館も含め、全て見学することを徹底しました。(横浜市は18館もありましたので、全て回るのは無理でした。)

図書館見学は、街全体の雰囲気も感じられますし、インターネットでは拾いきれない情報も得られるのでおすすめです。

面接の最初に志望理由を聞かれた時、「私はここの図書館を見学したのですが…」と言うと面接官はとても喜んでくれました。事前にしっかり調べ、見て、やりたいことや受験先の強み、弱みを考えておくといいです。あとは、練習だと思います。

私は、公務員講座での面接練習に参加し、直前期はほぼ毎日見ていただきました。他にもハローワークや、大学の就職支援課を利用したり、家族、友人などに見てもらうのもいいと思います。できるだけたくさんの人とやる方がいいと思います。

公務員講座で配られた面接試験の体験記には、実際にされた質問が載っていたので、それらを全てワードに写し、自分ならどう答えるかを考えて書きました。また、面接カードを自分で見直したり、友人に見てもらったりして、突っ込まれそうなこと、ほかには?具体的には?などと聞かれたらどう答えるかを考えて、メモしておきました。

本命の司書職の試験はC日程で、面接試験は10月でした。私は練習としてB日程の静岡県庁の行政職の面接を、8月に受けました。

結果は不合格で、精神的にもぼろぼろになりましたが、本命の前に実際の面接を経験できたのはよかったです。

日程がかぶらないのなら、本命の試験の前にできる範囲でほかの自治体の試験を受けるのも有効だと思います。

実際に受けてみて、司書職の面接で特に重視されてたと感じたのは、なぜ、この自治体の司書になりたいのか、やりたい仕事はあるか、対人関係、ストレス耐性についてです。また、私は普段からハキハキしてるわけではないので、よく練習でも落ち着いていると言われました。でも、司書は様々な人と関わる仕事ですので、元気がある方が好印象だと思います。だから、所々で笑顔を見せたり、相手の目をしっかり見て答えることは意識していました。

公務員試験でつらかったこと

私は、教養試験の勉強が辛かったです。特に数的処理は苦痛でした。でも、配点も高く、避けられない科目ですので、解くしかないと考え、出来る限り解いてました。

一次試験でせっかく合格しても、面接試験でまた半分以上は落とされてしまうのも苦しかったです。

また、初めて受けた面接が圧迫でしたので、とても戸惑い、泣きそうになりました。でも、その経験のおかげで、本命の東京都は圧迫面接の可能性もあると覚悟して臨むことができました。(私が受けた司書職の面接試験はどこも圧迫ではなかったです。)

公務員試験を通じてよかったこと

教養試験の対策を通じて、世の中の動きに以前より関心を持つようになったことはよかったです。また、今までほとんど知らなかった自治体の取り組みを調べるのも興味深かったです。

面接練習では、最初はたどたどしい答え方しかできなかったのですが、十分に準備を行うことで、本番は落ち着いて、自信を持って行うことができました。日々、しっかりと努力を重ねることで、自分を変えることができると実感できたのもよかったです。

公務員を目指す方にメッセージを!!

長丁場で苦しいと思いますが、筆記対策も面接対策も、自分の成長につながるものだと捉えて、日々こつこつとがんばってください。そして、疲れ果てた時は、家族や友人と美味しいものを食べたり、話したりするのが一番です。

上手くいかない時もあると思いますが、自分を労ることを忘れないでください。

また、私は試験の前日に、深夜3時くらいまで寝付けなくて、一次試験で失敗したことがあります。前日は早めに寝るようにしましょう。応援しています。


まとめ(公務員総研編集部より)

狭き門の司書職に3つも合格したNさん。

合格おめでとうございます。すばらしい活躍をご祈念しています。

本記事は、2020年2月5日時点調査または公開された情報です。
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