公務員のパワハラ相談窓口は民間の窓口とは異なります
一般的に、職場でいじめやパワハラ、セクハラなどの問題に遭遇し、身近に相談相手がいない、または相談することでかえって不利な状況になりかねず相談できないという場合には、外部の相談窓口を利用することをおすすめします。
民間の企業で働く場合には、厚生労働省の下部機関であり各都道府県の労働局にある「総合労働相談コーナー」をなど利用することができます。
しかし、公務員はこの総合労働相談コーナーを利用することができません。民間の方とは異なる窓口に相談するよう、定められています。
▼参考:厚生労働省ホームページ「あかるい職場応援団:相談窓口のご案内」
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/inquiry-counter
公務員の相談窓口一覧
公務員の相談窓口として設定されているのは、次の通りです。
一般職の国家公務員の場合
国家公務員の一般職の方が相談したい場合には、人事院の相談窓口、または所属する府省の人事担当部局等に相談することができます。
地方公務員の場合
地方公務員の方が相談したいという場合には、地方公共団体ごとに設置されている人事委員会(公平委員会)、または、人事担当部局等に設置されている相談窓口を利用することができます。
まずは各都道府県・市区町村の人事担当課等に個別に問い合わせるとよいようです。
公立学校の教員の場合
公立学校の教員の方が相談したいという場合、自身の「服務監督権限」を有している都道府県、または市町村の教育委員会の相談窓口に相談することができます。
自治体によって、設置されている場合がある窓口
自治体によって、外部の相談窓口が整っている場合もあります。組合活動が盛んな自治体や、産業医や社会保険労務士に相談業務を委託している自治体もありますので、何かあった時のために自身の職場の相談体制について、調べておくとよいでしょう。
職員組合
職場に公務員による組合がある場合には、そちらの相談窓口を利用するのも良いと思います。
しかし、組合が組織に対してどのくらい影響力があるかは自治体によって異なります。組合の力が弱いと、相談してもあまり効果がない場合もあります。
自治体ごとの組合加入率や、組合の活動内容をしっかり見て、相談ができそうかを判断することをおすすめします。
産業医
公務員が産業医を利用するできる場合もあります。
産業医は基本的には職員の心身の状態の健診のために配置されていますが、パワハラやセクハラの相談員を兼ねている場合もあります。
公務員であっても、体調が悪くなったら、外部の心療内科を受診したり、職場で産業医の受診体制が整っている場合には産業医に相談したりするなど、早い段階で医師のせんもんてきなアドバイスを受けることで、状況が改善できるかもしれません。
社会保険労務士
公務員によっては、所属する組織が、外部相談員として「社会保険労務士」と契約をしている場合があります。
一般的には、社会保険労務士に相談をするとそこから人事課に相談内容が伝わり、その後人事課と本人が具体的に相談できるという流れになっているようです。
外部相談員に相談することによって、人事課が相談した職員のために動きやすくなるということもあるようです。
まとめ
このページでは、公務員がもし、職場でいじめやパワハラ、セクハラなど問題に直面した時に、どこに相談したら良いのか、その相談窓口についてご紹介しました。
公務員の職場といっても多岐にわたりますので、産業医や社会保険労務士など専門家が配置されている場合もありますので、心身の体調が悪くなったと感じたら早めに利用することが大切です。
公務員と民間との大きな違いは、労働局の総合労働相談コーナーを利用できるかどうかという点です。公務員は、民間の人が利用できる労働相談コーナーを利用することはできませんが、その代わりに人事院や人事課、教育委員会などが相談窓口として機能しています。
もし職場でトラブルに巻き込まれたら、公務員であったとしても適切な相談窓口をうまく利用することで、問題解決への道を探ることができます
せっかく公務員試験を突破して手に入れた公務員という仕事を続けていけるよう、まずは一人で悩まずに、相談窓口を利用しましょう。
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