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コロンビア人のコミュニケーションについて

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目次

はじめに

コロンビアの人の多くはラテン系です。ラテン系の人間と聞くと、明るくて前向きで、ポジティブな人が多そうなイメージを持つかもしれません。コロンビア、特にボゴタ近辺の人々に対して私が持っている印象としては、そのイメージは、半分正解で半分外れ、だと思っています。

今回は、コロンビア人たちはどのようにコミュニケーションを取るのか、コロンビアのスペイン語の特長も併せてまとめました。

コロンビア人は、おしゃべりなのか?

コロンビアの人はおしゃべりさんが多い

日本人であろうがコロンビア人であろうが、人によって性格が違うので一括りに考えるのはあまり好きではありませんが、全体的に、コロンビア人は日本人に比べてよくしゃべると思います。

とある在外邦人の方は、コロンビアの教育はアウトプットを重要視しているため、自分のことを話すのが上手だが、人の話をあまり聞いていない、と言っていました。それは、私の身内と話していても感じます。人がしゃべっているところに割り込んで違う話題を持ち出したり、話している側から自分の発言をかぶせたりすることは、日常茶飯事。

ただし、しつこいようですが、本当に人によります。私の身内はおしゃべりさんが多いですが、1人、あまり口を開かない寡黙な人もいます。また「スペイン語話者は、早口だ」ともよく言われますが、これも個人差があります。ただ割と共通しているのは、日本では「人の話を最後まで聞きなさい」と教えられますが、コロンビア人と話していると、ああ、そういう考え方はあまりないのかな、と感じるところです。

とは言え、他の中南米諸国の人たちに比べると、コロンビア、特にボゴタ周辺の人たちは、どちらかというとおとなしい性格の人が多いようです。明るくて前向きではありますが、私が何人か会ってきたブラジル人よりも、控えめな印象です。

知人のアルゼンチン人も「ボゴタの人はおとなしくて、ちょっとつまらない」と言っていたので、中南米全体が大阪だとすると、ボゴタは東京、くらいのイメージなのかもしれません。もちろん、「中南米」という一括りにしてしまうことに関しても、要注意なのですが。

おしゃべりに感じる理由の1つは、電話とアプリ「WhatsApp」

道を歩いていても、みんなよくしゃべっているなあと感じるのですが、それは、歩きながらも電話でよく話しているためだと思われます。

日本だと、電車やバスの中はおろか、レストランやカフェなどにおいて携帯電話で話をすることはマナー違反とされていますよね。でも、コロンビアにそんなルールはありません。みんな、いたるところで携帯電話に向かって話しまくっています。他の人に話を聞かれる、ということは、あまり気にしないのかもしれません。しかも、電話を耳に当てて話すよりも、スピーカーフォン(ハンズフリー?) にして話していることが多いため、電話の相手の声も丸聞こえになっていることが多いです。

コロンビアでほとんどの人が利用しているチャットアプリは、アメリカ生まれの「WhatsApp」です。海外の人と連絡を取るときなどはFacebookのMessengerを使っていることもあるようですが、「連絡手段=WhatsApp プラス電話」といった具合です。ちなみに私がコロンビアに来て、この「WhatsApp」に関して驚いたことが2点あります。

1つは、音声メッセージを多用すること。文字ではなく、声でメッセージを送る、留守電機能のようなものです。日本で、LINEでボイスメッセージを送っている人は見たこともありませんし、人から送られてきたことも自分が送ったこともありませんでした(念のため調べましたが、音声メッセージ機能自体はちゃんとついていました)。


確かに、文字を打つよりも話してしまった方が速いし簡単ではありますが、私はなんだか気恥ずかしくて未だにやったことがありません。しかし、コロンビア人たちは頻繁に使います。バスの中などで携帯電話に向かって話している人の半数近くは、恐らく通話をしているのではなく、アプリでメッセージを送っているだけなのだろうと思います。

もう1つ驚いたのは、ビジネス上でも当たり前のように使うこと。私が日本で働いていた頃は、どちらかというと「仕事の連絡にLINEを使うなんて…」といった風潮が少なからずあったように思いますが、コロンビアでは、「WhatsApp」を使ってのやり取りは当たり前。

アパートの部屋の内見予約をするのも、健康保険の担当者に質問をするのも、ビザの代行業者さんとのやり取りも全て「WhatsApp」。と言っても始めからいきなりメッセージを送るというよりは、まずは電話で話して、そこから先の細かい連絡をメッセージで、といったことが多いような気もします。

これが可能なのは、LINEなどと違ってアカウントが必要なく、電話番号だけでアプリ上のやり取りができる、という点によるものではと思います。

余談ですが、個人経営の小さなレストランや商店などは固定電話を置いていないところが多いようで、その場合は店主の個人携帯電話が唯一の連絡手段です。レストランのデリバリーを頼んだり、パン屋さんで予約を取ったり、問い合わせをしたりするのは、お店の人の個人携帯であることが多いです。

コロンビア人と、スペイン語

コロンビアのスペイン語は、どんな感じ?

中南米諸国のほとんどがスペイン語を公用語としていますが、スペインのスペイン語とは、発音、表現方法や単語など多くの違いがあります。そして、さらに中南米でも、国によっていろいろな違いがあります。

その中でもコロンビアのスペイン語は、独特のアクセントが少なく、きれいなスペイン語を話すと言われています。また、全体的に使う表現やボキャブラリーが丁寧だとも感じます。

例えば、スペイン語には英語で言う「Hi!」にあたる「¡Hola!(オラ、と発音)」という気軽な挨拶があります。スペインや他の南米諸国では、友だちなどの親しい間柄に限らず、例えば店員さんやバスの運転手さん、アパートの警備員さんなど、初対面でも気軽に使う挨拶ですが、コロンビアでは実はあまり使いません。代わりに交わすのが、「おはようございます」「こんにちは」などの丁寧な挨拶。「¡Hola!」と誰にでも声をかけるのは、ちょっと馴れ馴れしい感じがするので注意が必要です。

また、英語のYouにあたる二人称を指す言葉は、「君」のように親しい間柄で使う「tú(トゥ)」と、「あなた」と丁寧な表現の「usted(ウステ)」の2種類がありますが、前者のtúは、コロンビアではほぼ使いません。スペインでは、明らかな年上や先生など目上の人に「usted」で話しかけても、「túで呼んでください」と向こうから言われることが少なからずあったのですが、ここコロンビアでは「tú」は明らかに年下の子ども相手くらいにしか使わず、親しい友人や家族同士でもusted=あなた、で呼びかけます。

ちなみに、とても親しい間柄だと「marika(マリカ)」と呼び合うことがありますが、これは「marica」が同性愛者を意味することから来ています(ただし、容易に使わないことをおすすめします)。

男女を明確に意識する文化

これはコロンビアに限ったことではないと思いますが、スペイン語は男性名詞と女性名詞があることに加え、「señor(セニョール)」「señora(セニョーラ)」「señorita(セニョリータ)」というワードをとても頻繁に使用します。

私は特にこの、敬称(と言って良いのかは曖昧ですが)の使い方にとても驚き、混乱しました。「はい、そうですね、いえ、違います」などのように返事をするときに付けたり(例:「Sí, señor.」)、自分の名前を呼ばれたときの「はい、なんでしょうか」といった返事として使ったり、相手の言ったことが聞き取れなかったとき「なんですか、なんと言いましたか」という意味で使ったりもします。

理屈だけだと大して難しそうに感じないのですが、これはつまり、話している相手が、男性なのか女性なのか、を無意識に意識しているということ。しかも、相手が男性ならseñor一択で良いですが、女性の場合はseñora(既婚女性に使う)と言うかseñorita(未婚女性に使う)と言うかを瞬時に判断します(初対面など、わからない場合はseñoraを使うのがスタンダードだそうです)。

この、女性か男性か、という無意識の意識は日本語にはない感覚で、自然に使えるようになるまでにとても時間がかかります。英語にもMr.やMrs.、SirやMa’amなどがありますが、ここまで頻用しないでしょう。他のヨーロッパ言語はどうなのか、少し気になるところです。

まとめ

以上、「コロンビア人のコミュニケーション」でした。


スペイン語という言語の問題だけでなく、根付いている様々な文化や教育方針などから、コミュニケーションの仕方や特長には、いろいろな違いがあります。馴染むことが難しい点もありますが、まずはいったん受け入れて、少しずつ慣れていくことが必要なのだな、と改めて感じました。

本記事は、2020年10月23日時点調査または公開された情報です。
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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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