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日本人が台湾で働くことの魅力や需要(2020年10月記事)

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はじめに - 台湾の在留日本人は約25,000人

台湾の国土は36,197㎢。日本の九州とほぼ同じくらいの大きさの島です。人口は約2400万人で、高いと言われている人口密度は1㎢あたり639人(参考:九州の人口密度は1㎢あたり384人)。

そんな台湾に在留している日本人は学生、社会人など約25,000人と言われています。小さな島なので、日本人同士の交流も盛んで、思わぬところで人と人が繋がることも多いですが、台湾で働く日本人はどのような職種に就いているのでしょうか。

台湾で働くうえで、日本人が採用されやすい職種

台湾に進出している日系の企業は、約1200社だと言われています。その業種は非常に幅広く、製造や物流、小売などだけでなく、コンサルティングやマーケティングといった分野にも及びます。

近年、台湾の日系企業、また台湾の様々な企業への就職を希望する日本人が増加しています。人気の台湾で日本人が採用されやすい職種は、以下の4つだと言われています。

台湾で働くうえで、日本人が採用されやすい職種その1:営業職

日本人の就職率が最も多いと言われているのは営業職です。

日本人相手の営業、日本人顧客や日本企業などとのやり取りにおいて、日本語は必須。日本語が話せる台湾人がその役割を担うこともありますが、最近はネイティブな日本語が重宝されています。

また、日本人を相手にするのであれば、同じ日本人の方がビジネスマナーや礼儀作法なども共通しており、商談などもスムーズに進みやすいというのも、日本人が「対日本」の営業職に採用されやすい理由の1つです。

台湾で働くうえで、日本人が採用されやすい職種その2:翻訳・通訳

営業職に就職する人数が続いて多い職業は、翻訳・通訳の仕事への採用です。

企業内における翻訳や通訳、様々な文書の翻訳などだけでなく、近年はゲーム業界などでも翻訳の仕事は欠かせないものとなっています。翻訳・通訳ができる日本人は日本語だけでなく台湾語にも長けているので、台湾人スタッフのマネジメントという役割を任されることも少なくありません。

台湾で働くうえで、日本人が採用されやすい職種その3:日本語教師

どのような国でも外国語を学びたいと思う人は一定数存在しますが、台湾から地理的にも近く、ビジネスの相手でもある日本の言語を学びたいと思う人は多いようです。

日本語教師の勤務先はは言語塾や家庭教師など様々ですが、どのような勤務先であっても給料は悪くないことが多いです。教え方の上手な日本語教師は、個人的に指名を受けることもあるので、人気の日本語教師となれば安定した収入を得ることも難しくありません。


台湾で働くうえで、日本人が採用されやすい職種その4:サービス業

サービス業というと、飲食店というイメージが強いですが、それだけではありません。もちろん、日本人向けの日本料理店、また台湾人向けの日本料理店での日本人採用率は非常に高いです。また、台湾語があまりできない場合でも、マナーがしっかりとしていれば採用されることはありますし、日本人が多く来店する台湾料理店などにも、日本人のスタッフは多く見かけます。

他にも、日本人向けのヨガやカラーコーディネーターなどの習い事の講師を仕事としている人もいます。

そんな中、意外にも日本人が多く働くサービス業は美容院。在留日本人のみならず、台湾人の来店・指名も多いそうです。実は、世界の中でも日本の美容師の技術力は非常に高いので、台湾人からも人気を集め、台湾で独立開業する日本人美容師も一定数存在します。

台湾における日本人の雇用形態や給料

日本人が台湾で働く場合の雇用形態は2つあります。また、日本同様台湾でも最低賃金は決まっており、きちんと働けば一定の給料が保障されます。

台湾の雇用形態や給料について、詳しく見ていきましょう。

台湾における日本人の雇用形態は2種類

美容師や講師など、独立して仕事を行う場合を除き、台湾で日本人が就職するには、

・台湾での現地採用
・海外駐在員として台湾で働く

という2つの雇用形態に分かれます。台湾へ足を運び、現地で就職活動をして採用される方が、より早く台湾で働くことができると言われていますが、現地採用を狙う場合には、

・ネイティブレベルの中国語や英語
・ある程度のキャリア
・高いマネジメント力
・業界への専門知識

などが求められます。こういった部分をクリアしていれば、台湾の有名企業に現地採用される可能性は非常に高いです。

一方の海外駐在員として働く場合は、まず台湾での駐在員を募集している日本企業を探し、就職する必要があります。探している時期に募集企業が必ずしもあるわけではありませんし、倍率も高いので、現地採用と比べても狭き門です。

しかし、駐在員として働くことができれば高い収入が期待できます。給料は日本基準、更に住居手当や駐在手当を受け取れるので、年収が1,000万円を超える人もいます。

台湾で働く日本人の最低賃金は決まっている

台湾で外国人が働く場合は就労ビザが必要です。就労ビザが手に入った場合の最低賃金は毎月、47,941台湾元(約175,000円/1台湾元=3.65円)と決まっています。現地採用の場合の最低月収はこの金額なので、海外駐在員として働くよりもはるかに安いことがわかります。日本の平均月収は約27万円と言われており、20代のみに絞ると男性約25万円、女性約21万円。

日本で働くよりも給料は安いものの、台湾で一人暮らしをする場合の生活費は月々70,000円前後だと言われているので、十分な生活ができるだけの収入は保障されているのがわかります。

台湾でのアルバイトは日本の約半分の時給

台湾でアルバイトをする場合の最低時給は115台湾元(約420円/1台湾元=3.65円)です。


日本は都道府県によって最低時給が異なりますが、全国平均は901円なので、台湾の時給は日本の約半分だと言えます。どれくらいの時間働くかにもよりますが、やはり物価の安い台湾ですので、時給が半分でも生活が非常に困窮する、ということはあまりないようですが、最低賃金や最低時給はしっかりと把握し、台湾で就労する際の指標にすべきです。

台湾で働くことの魅力

日本語圏ではない外国であり、しかも給料が日本より安い台湾。そんな台湾が日本人の就職先として人気を集める理由は一体何でしょうか。台湾で働くことの魅力は多々ありますが、最も比重が大きいのは以下の3点です。

台湾で働くことの魅力その1:残業が少ない

台湾で働く魅力の1つは、残業が少ないことです。

台湾企業の平均的な終業時間は9時から17時。朝は5分前に出社する人も多く、終業時間の15分後には大半の社員がオフィスを出ます。日本のように「30分前に来て何かをする」「残業しなければいけない」「先輩より先に帰ってはいけない」といった空気がなく、快適に仕事ができると感じている人も多いです。

残業が少なく、仕事終わりの時間がたっぷり確保できるので、アフターファイブを利用して習い事や趣味を楽しむ人もたくさんいます。日本ではあまり見られない、仕事に縛られない伸び伸びとした生活環境に惹かれ、台湾へ渡る日本人も多いようです。

台湾で働くことの魅力その2:日本語が通じる場所もある

台湾には日本語が話せる現地人も存在し、日本語が通じる場所も少なくありません。在留日本人も多いので、そういったネットワークを通じて知り合った日本人同士で行動すれば、台湾語が得意な日本人が助けてくれる場合もあります。

また、台湾語(中国語)は漢字なので、完璧にはわからなくても、ある程度漢字から意味を読み取れることもあるので、全く言語の異なる諸外国に行くよりも安心感が強いのも魅力です。

台湾で働くことの魅力その3:台湾の人々が優しい

日本語が通じない場所でも、台湾の人々の人柄の良さが伝わります。台湾人はフレンドリーで、子どもに話しかけたり、困っている人に手を差し伸べたりしてくれます。また、台湾には親日家も多いので、日本人であるというだけで助けてもらえることもあります。

台湾は物価が安く、日本よりも不便だというイメージがありますが、実は生活や医療の水準は日本とあまり変わらず、生活がしやすいです。快適な職場環境や生活環境、更に素晴らしい国民性を持った人々のいる温かさなどが、台湾へ渡る日本人を増やしているのがわかります。

まとめ - 台湾は海外の中でも働きやすい場所

以上、「日本人が台湾で働くことの魅力や需要」でした。

情報や交通手段が発達した現代において、海外へ飛び出す人は少なくありません。2018年現在の海外在留邦人は約135万人。その多くはアメリカ、中国で生活をしていますが、今後、日本から近く、暮らしやすく、働きやすい場所である小さな島台湾にも在留日本人が更に増加することが予想されます。

高い技術や専門知識を持った日本人が少しでも多く国内に留まるためにも、日本は今後、労働環境の見直しなどが改めて求められるのではないでしょうか。

本記事は、2020年10月31日時点調査または公開された情報です。
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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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