親日国ベトナムに差別は存在するか?日本人の印象なども調査

本記事では、親日国といわれているベトナムに、日本人に対する差別はあるのかどうかレポートします。ベトナムの日本人に対する印象がどのようなものなのか、いい印象や悪い印象について詳しく解説します。


はじめに - ベトナムは親日家が多い

親日国と言えば台湾やタイ、という印象が強いですが、実はベトナムも親日の人が非常に多い国です。

戦時中にはベトナムを侵略していたこともありますが、教育の場においてその歴史が子どもたちにつたえられることはあまりありません。ベトナムの人々が日本に対しなぜ「恨み」ではなく「友好」を示すのか、疑問に思うかもしれません。

日本はタイ以外の東南アジア全域を占領した過去がありますが、終戦後も500人から1000人の日本軍はベトナムに残り、独立戦争でベトナム軍と共に戦いました。また、旧日本兵の陸軍少尉が陸軍士官学校も設立。独立戦争におけるフランスとの闘いでの日本兵、日本という存在はベトナム軍の人々の心の支えとなる部分がありました。

ベトナムを占領・侵略した過去はあるものの、ベトナム独立に向け共に命を懸けて戦った日本。旧日本兵の存在は当時のベトナムの人々には非常に大きなものであり、更に現代においても経済への大きな援助があることから、ベトナムは親日国となったと言えます。

ベトナム人が抱く日本人の良い印象

親日国ベトナムの人々は日本人に対し、具体的にどういった印象を抱いているのでしょうか。ベトナム人に聞いた、日本人の良い印象は以下の通りです。

ベトナム人が抱く日本人の良い印象1:約束を守る

日本人の「約束は守る」という考え方を、ベトナムの人々は非常に良く思っています。

日本人は職場ではもちろん、家族や友人との約束も基本的には「守るもの」として大切に扱います。しかし、ベトナム人は状況により約束を破ります。これは相手が誰であろうと、約束の形が口頭や書面などどのような形であろうと同じで、約束を巡ってトラブルになることも少なくありません。

いかなる場合にも約束は破ってはいけない、という日本人の考え方はベトナム人と正反対のように思えますが、こういった部分も良い、好きだと思えるのはやはり親日国だからでしょうか。

ベトナム人が抱く日本人の良い印象2:まじめな人が多い

ベトナムに限らず多くの国の人が日本人に対して思うのは「まじめ」。

日本人は勤勉でまじめな人な人が多いので、戦後に急成長することができた、とベトナムの人は思っているようです。ベトナムでも経済成長が進んでいますが、そのスピードは日本と比較するとゆっくりとしたもの。その原因は日本人のようにまじめで勤勉ではないからだ、とベトナム人が語ることもあります。

日本人のまじめさはベトナム人の持っていない要素の1つとして、非常に尊敬される部分です。


ベトナム人が抱く日本人の良い印象3:静かな人が多い

ベトナム人から見ると、日本人は静かな人が多く、また素直でもあります。ベトナム人は公共の場でも大きな声で話す人が少なくありません。日本人は基本的に公共の場においての話し声も小さく、あまり自分の意見を主張しないので、これが「物静かで良い」と思われることもあるようです。

また、ベトナム人は自ら謝ることをあまりしませんが、日本人は「ありがとう」「ごめんなさい」を大切にしており、素直に謝罪ができるとベトナムの人々は思っています。

ベトナム人が抱く日本人の良い印象4:目先の利益をあまり気にしない

日本人は目先の小さな利益よりも、未来のより大きな利益を優先します。そしてお金を大切にしています。

この考え方がベトナム人にとっては印象が良いそうです。ベトナム人は目先の利益に貪欲です。その度合いは「来月の1万よりも明日の千円」という皮肉もあるほど。そして法律で禁止されている賭博を好む人も多いです。

そうなってしまう理由の1つには、ベトナムの貨幣価値があります。ベトナムは貨幣価値が低いため、ベトナムの人々は自国の通貨に対しどこか懐疑的。目先の利益や賭け事による一攫千金ばかりを追い求めることは、経済の著しい成長・発展にも繋がらないとベトナム人も嘆いています。

お店などでも日本人は先を見据え、「安く売って長く利用してもらおう」という考えが強いですが、ベトナムではそういった考えはあまりないようで、ぼったくりが多発します。ここにも日本人とベトナム人の考え方の違いが現れています。

ベトナム人が抱く日本人の悪い印象

日本人は物静かでまじめ、将来を見据えたお金の計算や働き方ができると、ベトナムの人々に好印象を抱かれているようです。しかし一方で、そのまじめさや静かさがベトナム人とは相反する部分があり、悪い印象に繋がっていることもあります。

ベトナム人が思う日本人の悪い部分とはいったい何なのでしょうか。

ベトナム人が抱く日本人の悪い印象1:理屈っぽい

日本人はまじめで、論理的な思考を好む人が多いです。これが、ベトナム人には理屈っぽいと思われやすく、中には「見下している」と感じる人も。ベトナムの人は感情を大切にします。そのあまり感情的になりやすいことも少なくありませんが、感情を露わにするベトナム人に対し冷静に対処しすぎると嫌われてしまうこともあります。

また、「ベトナム人だから」「ベトナムは〇〇な人が多い」などとイメージで決めつけることも日本人にはありがちなので、注意したい点でもあります。

ベトナム人が抱く日本人の悪い印象2:何を考えているかわからない

日本人の物静かさはベトナム人に好かれているものの、「Yes」「No」をはっきりと主張しない部分は諸外国同様、あまり好きではないようです。

ベトナム人は声が大きいだけでなく、自分の意見をしっかりと主張します。しかし、日本人は主張をしないので何を考えているかわからず、「察して」という感じも面倒だとベトナム人は思っています。日本で働くベトナム人の中には、「表立っては注意などをされないものの、裏で何を言われているかわからない」と、日本人の二面性を恐ろしく思っている人も。

日本人はその場の空気を読むことや、周囲に合わせることを大切にしていますが、ベトナムをはじめ多くの国ではそれは美徳とはされません。また、曖昧な態度は親しい外国人を困惑させるだけでなく、ぼったくりなどのトラブルに巻き込まれる可能性にも繋がるので危険です。

ベトナム人が抱く日本人の悪い印象3:マナーや時間に厳しすぎる

礼儀正しくマナーの良い日本人。ベトナム人はそんな日本人に対しては良い印象を抱いていますが、その礼儀正しさをベトナム人に押し付ける点は煩わしく感じているようです。

ベトナム人の中には、寝転がってものを食べる人、肘をついて食事をする人、公共の場で大きな声で話す人などもいます。日本人にとってはマナー違反かもしれませんが、ベトナム人にとってはそれが常識。自分の中の非常識にあてはめて腹を立てる、意見をするのは間違いなのです。


また、日本人の時間を守る文化に関しても同様で、ベトナム人はあまり時間にシビアではありません。5分や10分の遅刻は当たり前、交通機関として使用されるバスにも時刻表が存在しないというほど時間に囚われていません。

時間を守ることは悪いことではなくむしろ日本では当たり前のことですが、ベトナムでは日本での当たり前の概念を捨てて生活することで、イライラしたり、細かいことを言ってベトナム人に疎まれたりすることが少なくなるのではないでしょうか。

ベトナム人が抱く日本人の悪い印象4:レディーファーストをしない

男尊女卑、亭主関白という昔ながらの考え方も薄れてきた日本ですが、諸外国から見ると男性の「レディーファースト」はまだ足りていません。ベトナムにも男尊女卑の文化が残っている地域が一部ありますが、基本的にはレディーファーストが当然。男性は女性を優先し、立てるような行動を取らなければなりません。

日本の場合、「割り勘」でも良いという考えの女性も少なくありませんが、ベトナムではデートの際のお会計は男性の仕事。女性にお金を払わせるなど言語道断です。

ベトナムで日本人差別は存在するのか

結論から言いますと、ベトナムにおける日本人への差別はほとんどありません。

前述の通り、ベトナムは親日国。日本人への印象は比較的良いので、ベトナムにおける「常識」を大切にした行動をとって生活をしていれば嫌われることも、疎まれることもないでしょう。また、ベトナム人は良くも悪くも大らかなので、その独特な文化や風習に驚くことはあれど、日本人はベトナムでの生活に慣れ、気に入ることが多いです。

まとめ - お互いの魅力を尊重し、より良い関係に

以上、「親日国ベトナムに差別は存在するか?日本人の印象なども調査」でした。

ベトナム人は日本人が好きです。しかし、在日ベトナム人に対する日本人の偏見や差別は未だに多いと言えます。ベトナム人が好まない日本人の理屈っぽさや「〇〇だから」という決めつけは、グローバルな社会において最も不要なもの。高い柔軟性を持って、ベトナム人をはじめとした諸外国の人々と共存していくことが、今後求められます。

正反対な考えや素質をもった日本人とベトナム人ですが、今後もお互いの魅力を認め合い、より良い関係を築いていけると良いですね。

本記事は、2020年10月16日時点調査または公開された情報です。
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