世界の国の「二酸化炭素排出量」とCOP26

2018年の世界の国の「二酸化炭素排出量」の比較と、2021年11月に行われた気候変動への対策が話し合われた国連のサミットCOP26についてご紹介します。


世界の国の「二酸化炭素排出量」

JCCCA(全国地球温暖化防止活動推進センター)によると、2018年の世界の二酸化炭素排出量の合計は、約335億トンでした。

そのうち、二酸化炭素排出量を国別で示すランキングでは、最も多く二酸化炭素を排出していたのは「中国」でした。中国は、世界の3割近い28.4%の排出量でした。

そして、2番目に二酸化炭素排出量が多いのは14.7%のアメリカでした。中国とアメリカの2カ国だけで、全体の4割もの排出量を占めています。

日本は5番目に排出量が多く、世界の二酸化炭素排出量全体の3.2%を占めています。

世界の国の二酸化炭素排出量
出典)全国地球温暖化防止活動推進センター|世界の二酸化炭素排出量(2018年)
(https://www.jccca.org/download/13327)

▼参考URL:全国地球温暖化防止活動推進センター|データで見る温室効果ガス排出量(世界)(外部サイト)

世界の国の「一人当たり」の「二酸化炭素排出量」

一方、2018年の一人当たりの「二酸化炭素排出量」が最も多いのはアメリカで、一人当たり15.1トンの二酸化炭素を排出していました。

排出量の合計で世界一位の中国ですが、一人あたりの排出量では6.8トンと、アメリカの半分以下の排出量です。

世界の国の「一人当たり」の「二酸化炭素排出量」
出典)全国地球温暖化防止活動推進センター|世界の二酸化炭素排出量に占める主要国の排出割合と各国の一人当たりの排出量の比較(2018年)
(https://www.jccca.org/download/13330)

JCCCAとは?

JCCCAは、日本の地球温暖化防止活動を推進している組織で、正式名称は「全国地球温暖化防止活動推進センター」、JCCCAは「Japan Center for Climate Change Actions」の略称です。

JCCCAは、1999年(平成11年)に4月8日に施行された「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づいて、1999年7月1日に指定されました。

JCCCAの活動の目的は、地球温暖化対策に関する普及啓発を行うことなどによって、地球温暖化防止に関わる活動の促進を図ることです。

2010年(平成22年)の9月末日までは、財団法人日本環境協会が運営してきましたが、2010年10月1日からは、環境大臣から指定を受けた「一般社団法人地球温暖化防止全国ネット」が運営しています。


2021年11月開催の「COP26」について、国連の自己評価は「一番まし」にとどまる

2021年11月に開催されたCOP26では、当初事務総長が呼びかけていた「化石燃料への補助金を廃止すること」「石炭の利用を段階的に廃止すること」「炭素に価格をつけ、脆弱なコミュニティーを守り、1,000億ドルの気候変動対策資金のコミットメントを果たすこと」については十分な成果が得られなかったようです。

グテーレス事務総長は、「重要な進展があったとはいえ、まだ不十分です。私たちは、世界の気温上昇を1.5℃に抑えるという目標を維持するために気候変動対策を加速させなければなりません」などと語りました。

COP26とは?

1992年に国連がリオデジャネイロで開催した「地球サミット」で採択されたのが、「国連気候変動枠組条約(UNFCCC)」でした。

国連の加盟各国はこの条約で、「大気中の温室効果ガス濃度を安定させ」て、人間が活動することによって起こる気候システムへの危険な干渉を防ぐことに合意しました。現在、このUNFCCCには、197の国と地域が調印しています。

COPは、このUNFCCCという条約が1994年に発効して以来、国連に加盟する地球上のほぼすべての国々が参加する「地球規模の気候サミット」として毎年開催している「締約国会議(COP、Conference of the Parties)」のことです。

26回目のCOPとなるCOP26は、2020年に開催でしたが新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受けて1年延期となり、2021年に開催されました。

▼参考URL:国際連合広報センター|COP26、気候に関する「妥協」協定とともに閉幕するも、国連事務総長は「不十分」と指摘(UN News記事・日本語訳)(外部サイト)

国連自身の取り組みは?

国連事務局は、国連自体が排出する二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を、2030年までに45%削減することを発表しました。

具体的には、国連が使う電力の80%を「再生可能エネルギー」から調達することなどを含んだ、新たな「10カ年気候行動計画」を採択したそうです。

国連の関連組織である「国連環境計画(UNEP)」の発表によると、『Greening the Blue(環境に優しい国連)』の報告書で、国連事務局が全世界で行なっている業務で排出される温室効果ガスの排出量が、国連システム全体の温室効果ガス排出量のおよそ58%を占めているそうです。

国連は、自らの組織での取り組みを強化することで、地球温暖化を抑止する動きを呼びかけようとしているようです。

▼参考URL:国際連合広報センター|気候行動サミットに先立ち、国連事務局の排出量を2030年までにほぼ半減させる計画を採択(プレスリリース日本語訳)(外部サイト)

環境活動家のグレタさんもCOP26の成果を批判

グレタさんはCOP26が行われていたイギリスのグラスゴーのデモに参加し、「政治家や権力を持つ人たちが、気候変動の影響を受けている人がいるという現実を深刻に受け止めているふりをしているだけだ」と指摘し、会議に参加している各国首脳を批判したようです。

こうした批判についても国連は把握し、事務総長もスピーチの中で反応しています。


▼参考URL:NHK|COP26 環境活動家グレタさん 会場近くのデモに参加
(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211102/k10013331641000.html)

まとめ

このページでは、世界の国「二酸化炭素排出量」のランキングをご紹介し、二酸化炭素を含む温室効果ガス削減について話し合われている国連の取り組みCOPについて解説しました。

環境活動家のグレタさんによるCOP26への批判もご紹介しましたが、国連事務総長の声明でも、今回のサミットでの成果は不十分と説明されています。

これには、二酸化炭素排出量が多いような大国による反発の動きが影響しているとも見られていますが、そのような攻防の間にも、気候変動は進んでいると専門家、活動家たちは呼びかけています。

利権と地球環境の双方が、両立することはなかなか難しいようですが、一刻も早く話し合いが進むことが期待されます。

本記事は、2022年1月13日時点調査または公開された情報です。
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