「首相」の読み方は、「しゅそう?」それとも、「しゅしょう?」
日本を含めた多くの国で、行政のトップを表す「首相」という言葉。小学校の漢字のテストでもよく出てくるのが、この読み方を答える問題です。正しくは「しゅしょう」ですが、「しゅそう」と読み間違えたり、書き間違えたりする方も多いようです。
「首相」の正しい読み方は「しゅしょう」ですので、間違えないようにしたいですね。
「首相」の意味は?行政のトップを表しています。
「首相」は行政機関のトップの通称として用いられる言葉です。
古代の中国では君主を支える大臣を「相」と呼んでいたそうで、その「相」に、最上位の立場を示す「首」という表現を加えて、「首相」と呼ぶようになったという説があるようです。
「総理」と「首相」の違いは?「総理」と「首相」は同一人物?
「首相」と似ている役職名に、「総理」があります。「総理」は「内閣総理大臣」の略称です。
「総理」と「首相」は何が違うのかというと、日本の場合、憲法に定義されているかどうかという違いがあります。日本の場合は、日本国憲法に「内閣総理大臣」についての規定はありますが、「首相」の説明は特にありません。
特に日本での「首相」は、一般的に「行政のトップ」を示す用語として、メディアなどで使われる慣用的な表現なので、正式な役職名ではありません。
日本の場合、「首相」が示す行政のトップの役職は「総理」ということになりますから、「首相」と「総理」は同一人物ということができます。
▼参考URL:日本経済新聞|「総理」と「首相」の違いは?(外部サイト)
「首相」と「大統領」の違い
「首相」と似ている役職に「大統領」があります。日本には「首相」がいて「大統領」はいませんが、「首相」と「大統領」の両者が存在する国もあります。
一般的に「首相」は議会で選ばれる行政機関のトップを示します。「首相」は国会議員の投票によって決定します。
それに対して、「大統領」は議会ではなく国民投票で、直接国民から選ばれる国の最高権力者です。議員ではなく、大統領個人に大きな権限が集中しているという特徴があります。
ただ、「大統領」と「首相」の両方がいる国では、議会の議員や州の代表が「大統領」を選んだり、「大統領」が「首相」を任命することもあるようです。
他に「大統領」と同じような役職を示す役職として、「国家主席」「総統」「評議会議長」などの役職を設置している国もあるようです。
詳しくはこちらの記事もご覧ください。
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▼参考URL:進学情報誌さぴあ|大統領と首相ってどう違うの?
(http://www.sapia.jp/kids_park/pigma/2010.html)
「首相」がいる国は?
日本の他に「首相」のみがいるという国は、イギリスやスウェーデン、タイなどです。「首相」とは別に「天皇」や「国王」がいる国という共通点があります。
「大統領」がいる国は?
日本とは違い、「大統領」のみがいるという国は、アメリカ、トルコ、チリ、フィリピンなどが当てはまります。「王室」が存在しないという共通点があり、大統領の権限がとても大きい国々です。
「首相」と「大統領」の両方が存在する国もある!フランスは分業している。
実は「首相」と「大統領」の両方が存在する国もあります。例えば、フランス、ドイツ、ロシア、韓国などです。
フランスは特に、革命で王室を廃止して「大統領」を設置したという歴史があるので、国の代表としての外交などの場面では「大統領」が権限を持ち、担当しています。一方で「首相」は国内の行政について担当し、国のトップとしての役割を分業しているようなイメージがあります。
「首相」と似ている「首長」とは?くびちょうと呼んでいい?
「首相」のように「首」がつく行政機関のトップの呼び方として「首長」があります。「首長」は、主に自治体を率いる知事や市区町村長のことを意味しています。
「首長」は本来は「しゅちょう」と読むのですが、聞き取りにくく、「首相」「市長」と紛らわしいなどという理由から「くびちょう」と慣習的に言い換えられるようになったという説があります。
テストでは「しゅちょう」と書くべきところですが、声に出す時には慣習的に「くびちょう」と話されることがあるようです。
まとめ
このページでは「首相」の正しい読み方と、「首相」の意味について解説しました。
「首相」の正しい読み方は「しゅしょう」です。首相と紛らわしい「首長」は「くびちょう」と呼ばれることもあります。
また、「大統領」と「首相」の違いや、国によって「首相」の役割が違うこともご紹介しました。
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