東京都の保健師のキャリアレポート(仕事内容・給料など)

今回は、「保健師」として働く女性の仕事内容や一日のスケジュール、年収(給料・ボーナス)や残業状況・職場恋愛などについてインタビューしたものを編集して掲載します。


はじめに

「保健師」として働く女性のキャリアレポートです。

レポート者のプロフィール

性別:女性
勤務地:東京都
職業・職種:保健師
雇用契約形態:常勤
所有資格:看護師、児童福祉司

この職業を目指した理由を教えてください。

大学で公衆衛生学を学び、楽しいと思い興味はありましまし、資格も取ったのですが、看護師として働いていた際に、保健師の仕事を目の当たりにして、やっぱり面白い!と感じたので転職しました。

仕事内容について詳しく教えてください。

主に健康相談を受けています。

対象者から受けた相談に対し、医師や看護師、PT、OT、社会福祉士などの他職種と連携をとり、その方がどうすれば自立して生活を送ることができるのかを自ら考え実施します。あくまでも医療的な観点から介入するので、その方にとっては辛い選択を提示しなければならないこともあり、罵声を浴びることも多々あります。それでもその人の人生が結果的により良くなるにはどうすればいいかを、専門的な知識や地域資源を踏まえて、自分で考え、チームで共有し介入するという、保健師にしかできない仕事ばかりです。

また虐待予防の観点から自宅訪問をしたり、健康教育を行ったりもます。イベントを主催することもあるので、人前でマイクを持ってトークすることも。自分の考えたイベントが形になるのは、嬉しいものです。

データ分析をして、地域の健康課題をあぶり出し、地域に密着した健康施作の提案もおこなっています。今はコロナ対応で忙しい日々です。

よくある1日の仕事の流れについて詳しく教えてください。

8時半出勤しチームでミーティング。その後は特に決まった仕事の流れはありません。その日の相談によりスケジュールは毎日違います。

午前から訪問がある時には、対象者について入念に調べる時間をとります。その方の生活圏域に使える社会サービスは何か、主治医がいれば意見を聞くなど、念入りに調べ上げてから、訪問に向かいます。訪問後は記録を書くので、それだけで午前は終わります。

お昼休みは12時から1時間。時間内に取れれば良いですが、ずれ込むこともあります。

電話をかける仕事も多いので、その方が電話に出られそうな時間を見計らって電話をひたすらかけます。相談に対応できるように、資料収集をしながらの相談対応になるので、それだけで午後は終わります。


定時は5時ですが、残業も多いです。

給料・残業・有給休暇について教えてください。

月給手取り30万くらいで、昨年度の年収は600万円オーバーくらいです。

自分でスケジュールを決めることができることが多いので、有給は取りやすいです。時間休も取れるので、少し早めに帰りたいときや、朝ゆっくりしたい時は1時間単位で取ることができます。

働いているときに困ったこと・気になったことや改善したかったことを教えてください。

なかなか希少な職業ですので、周りにアドバイスをもらえる方が少ないことです。困ったことや悩んだことがあっても、職場の先輩に聞くことはできても、違う職場の違う観点からの意見はなかなかもらえる相手がおりません。

あと、保健師という職業はどんな仕事をひているの?と聞かれることが多く、あまり知られていないことも挙げられます。そして、どんな仕事をしているの?と聞かれても、あまりに多岐にわたるため、一言で答えられない自分もおります。

この仕事に就いて、恵まれていると思った点をおしえてください。

公務員のため福利厚生はしっかりしています。不景気だからと、ボーナスがなくなることもありませんし、不当な扱いをされないですし、生活は安定します。また定期的に異動があるので、嫌だなあと思う職場にずっといるということもないです。専門的な知識を増やしたければ、様々な部署を渡り歩くことも可能です。

職場に理解があるので、子育てや介護をしながら仕事をする方も多いところも、恵まれていると思います。子育て中の方は、時短で働く方も多いです。

この仕事で感動したこと、または失敗したこと・大変だったことのエピソードを教えてください。

保健師とは、“人生の黒子”的な存在です。居なくてもいい状態になるのが、仕事完了です。

その方の人生にそっと手を差し伸べ寄り添い、保健師がいなくても社会的なサービスを利用して、1人で歩けるよう、自立を促す仕事です。

なので、その方にとって辛い選択を提示することもあり、時には罵声を浴びることも。そういう方が、自立して生活をすることができるようになり、笑顔で挨拶にこられた時には、自分のやってきたことは間違いじゃなかったなあと、じんわり感動します。自分のやってきたことの結果が、すぐに出なくてモヤモヤすることも多いですが、他人の人生をいい方向に変える仕事だと思っています。

職場恋愛について教えてください。

職場結婚はあまり多くないです。

なぜなら、この仕事は対象者に感情をぶつけられ、心を抉られることも多い仕事なので、家にまでそれを持ち込みたくない人が多いからです。

家に帰ると、悶々とした感情と向き合う時間が必要な場合も多いですし、完全に忘れられるような趣味が必要になります。精神的な負担が大きい仕事ですので、それを切り替えられる存在が重要になります。

なので、職場でそれを見つけようとはあまり思わないです。合コンや紹介などで付き合う方が多いかと思います。

この職種全体でのブラックな面・問題点を教えてください。

いわゆるゴミ屋敷に訪問することも多々あります。ゴキブリが大量発生している自宅に訪問することもあり、なかなかのブラックです。もちろん、そんな家に訪問したところで手当てなどでません。


この職種全体でのホワイトな面・よい点を教えてください。

同世代の女性たちに比べて給料が良いです。ボーナスもしっかり出ますし、残業代もでますので、忙しければ忙しいほど稼げるお仕事です。

この職業・業界全体の5年後の展望を教えてください。

このコロナ禍で保健師は大注目されています。

今まで募集がかなり少なかったですが、コロナの影響で、また各自治体も保健師を多く募集しはじめています。なので、保健師の仕事が広く世に知られるのではないかと期待しています。

さいごに - 同職業を目指す方へ激励のメッセージ

こんなにも他人の人生に介入し、医療的な視点を用いて、その方の困難に寄り添う仕事は、他にないと思います。毎日、映画よりもリアルな人間ドラマを、体感できる仕事です。大変な世の中ですが、必ず人の役に立つ仕事です。ぜひたくさんの方に目指していただきたいです!

本記事は、2022年6月15日時点調査または公開された情報です。
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