リー・クアンユー首相による開発独裁政治
シンガポールは1965年にマレーシアから独立してできた国です。
建国の父とも呼ばれる初代首相、リー・クアンユー氏が「富の集中」と「繁栄の追求」を理念に掲げ、国内の積極的な開発を進めた結果、シンガポールは目覚ましい経済発展をとげました。
しかし経済発展の裏側で、国内の言論は統制され政治批判ができない状態が続いています。特にメデイアへの報道規制は厳しく、2016年の世界報道自由度ランキングでは、世界180か国中154位でした。
シンガポールは独裁国家?
シンガポールの政治体制は複雑です。民主的な選挙によって国会議員や首相が選出される点をみると、日本と同じ議院内閣制をとっているようにも見えます。しかし一院制を採用するシンガポールでは、言論統制などによって、選挙制度自体が与党に有利になっているため、建国以来「人民行動党」による一党支配が続いていて、独裁政権に近い状態にもなっています。そして経済的繁栄を最優先し、国民の自由をある程度制限することを厭わないという政策が根幹をなす点で開発独裁ともいわれています。
一党独裁のシンガポールですが、汚職が少ない国としても有名です。理由はシンガポールの公務員給与の高さが挙げられます。
シンガポールの公務員給与は世界で最も高い水準で、首相の年収は世界の国家元首の中でも最高額の2億円以上だそうです。この待遇の良さもあってか贈収賄など、政府機関での腐敗行為はほとんど皆無と言われています。
まとめ
シンガポールは、国内で政治批判ができない国ですが、経済的には、戦後独立した国の中で最も成功した国と言われています。このように政治について文句を言わなければ、豊かな暮らしができる点から、シンガポールは明るい独裁国家という呼ばれ方をするのです。
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