クオータ制の導入
フランスでは1980年頃から議会議員の選出などに際して、性別や人種などの偏りが生じないよう、さまざまな取り組みが行われてきました。あらかじめ一定の男女比率などを定めておく「クオータ制」の導入もその一つで、まず候補者の25%以上を女性にしなければならないとしました。
しかしこの方法では、今度は女性候補者が性別で有利になり、差別にあたるということで憲法違反となり、この時点でのクオータ制の導入は見送られました。
憲法改正で男女同数議会を実現
そこで次に考えられたのが、憲法で選挙制度を改正して、女性の政界進出を促す規定を書き入れることでした。
2000年には、立候補者が男女同数になることをめざす「パリテ同等法」が制定され、それを受けて、候補者はダンス競技会にでも出場するかのように、ペアを組んで選挙に立候補、選挙運動も全てペアで行わなくてはなりません。
そしてペア候補制度の誕生によって、選挙区もそれまでの小選挙区(1人区)から全て2人区に再編成され、2015年の県議会選挙で世界初めて、男女2人1組のペア立候補を認め、有権者はそのペアに対して投票するという選挙制度が導入されました。
選挙で最も多くの票を獲得したペアが1組だけ当選するため、全ての選挙区から男女一人ずつ議会議員になります。この斬新な選挙制度のおかげで、クオータ制を取り入れながら、憲法違反にもならず、フランス県議会の男女比率は一気に1:1になりました。
まとめ
日本の国会における女性議員の割合は約10%、国際順位は190カ国中168位と、世界的に見てもとても低い割合です。今後女性の政治参加をもっと増やすためには、日本もフランスのように、大胆に制度を変えていく必要がありそうです。
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