首相と大統領の違い=政治体制の違い
大統領は大統領制を政治制度に用いる国の国家元首で、直接選挙によって国民から選ばれた国のリーダーです。それに対して首相は、議院内閣制を政治制度に用いる国の行政府のトップで、国家元首は別にいます。
日本も採用している議院内閣制。日本以外にも、イギリス、オランダ、スウェーデンのなど、首相が行政のトップになっています。これらの国の国家元首は国王になりますが、国王に政治の実権はなく、国の政治は首相がおこなっています。
元首とは海外に対して国家を代表する人のことです。現在のアメリカではバイデン大統領、イギリスではエリザベス女王が国家元首になります。日本の場合は少し特殊で、日本国憲法に国家元首の規定がないため、国内の専門家の間でも誰が日本の国家元首なのか、意見が分かれます。しかし海外から派遣された日本駐在大使が信任状を提出するのは国家元首であることから、海外からは日本の国家元首は天皇と見られています。
大統領と首相、どっちが偉い?
大統領と言えば、多くの人がアメリカの大統領を思い浮かべるでしょう。直接選挙によって国民から選ばれたアメリカ大統領は国家元首であると共に、行政府のリーダーで軍隊の最高司令官としての指揮権も持っています。
それに引き換え首相は、あくまでも行政府という国の一つの機関のリーダーでしかないので、一般的には大統領の方が首相よりも強力な権限を持っていると思われます。
しかし実際のところ、日本のように大統領が存在しない国では、首相が国のリーダーとして大きな政治的権限を持っている、とみられることも多くあります。
また世界には大統領だけ、首相だけの国以外にも、首相と大統領が両方存在する国もあります。その場合、大統領と首相の権限や役割は、国によってそれぞれ異なり、大統領が圧倒的に強い権限を持っている国もあれば、首相の権限が強く、大統領の政治的影響力がほとんどない国もあります。
まとめ
大統領と首相の違いは、国が用いる政治制度の違いによって起こります。
簡単に言えば、大統領制を用いる国の政治は大統領、議院内閣制の場合は首相が行います。また国の政治制度は、各国の歴史や考え方に基づいて生成されてきたもので、その形は千差万別です。
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