「避難指示」で全員避難です!
今回のガイドラインの改訂は、シンプルで分かりやすい情報の発信が目的です。
避難レベル3は「高齢者等避難」、レベル4は「避難指示」となります。もしレベル4が発令されたらすぐに「全員避難」するよう覚えておきましょう。
従来は「避難指示」に加えて、「避難準備」や「避難勧告」といった段階があり、緊急性がわかりにくいためは避難が遅れるなど問題視されていました。
避難情報から「避難準備」や「避難勧告」といった名称は廃止され、「避難指示」のみに変わったため、より避難行動に結びつけやすくなる狙いがあります。
これまでの避難情報の問題点「わかりにくさ」が命に関わる
画像は内閣府(防災担当)・消防庁が配布しているポスターですが、右側が過去の避難情報です。警戒レベル3に対しては「避難準備」と「高齢者等避難」、警戒レベル4に対しては「避難指示(緊急)」と「避難勧告」、というように警戒レベルに対して避難情報がそれぞれ2段階ありました。
この情報がとても分かりづらく、混乱を招く原因となったと言われています。例えば、「避難勧告」で誰が避難すれば良いのか?今どの程度危険なのか?ということがうまく伝わらず、避難せずに被災する人が続出してしまったという反省がありました。
政府が実施した住民アンケートによると、これらの意味を正しく理解していたのは2割未満であったという情報もあります。それぞれの警戒レベルの中でさらに2段階のレベルがあるのは、覚えるのも大変ですし、伝え方も難しかったようです。
避難情報がうまく伝わらないことは命に関わります。そこで政府はより分かりやすい避難情報の改訂を行いました。
▼参考URL:Impress Watch|『避難指示』で全員退避、避難勧告は廃止。20日から避難ガイドライン改定(外部サイト)
政府の各機関からも、新しい避難情報ガイドラインの内容を発信
内閣府をはじめ、国の各機関や自治体からも新しい避難情報ガイドラインについてもそれぞれの視点から案内、解説されています。
政府広報オンライン「警戒レベル4」で危険な場所から全員避難!5段階の「警戒レベル」を確認しましょう
政府広報オンラインのガイドラインについての情報ページです。
▼参考URL:政府広報オンライン「警戒レベル4」で危険な場所から全員避難!5段階の「警戒レベル」を確認しましょう(外部サイト)
国土交通省関東地方整備局 高崎河川国道事務所「かわづくり」
国土交通省関東地方整備局の高崎河川国道事務所のホームページでは、河川の防災にも関わる避難情報について、Q&A形式で解説しています。
警戒レベル3以上の避難情報についてはあくまで各市町村長が発令し、国土交通省が発令するものではありませんが、河川の氾濫等、河川事務所が関係する分野も多いため、情報を周知しているようです。
▼参考URL:国土交通省関東地方整備局 高崎河川国道事務所「かわづくり」(外部サイト)
総務省消防庁「避難勧告·指示と警戒区域設定」
避難勧告や避難指示が何を意味するのか、分かりやすく解説されています。
ただし新しいガイドラインで「避難勧告」は廃止になっていることを把握した上でご覧ください。
▼参考URL:総務省消防庁|避難勧告·指示と警戒区域設定
(https://www.fdma.go.jp/relocation/e-college/senmon/cat2/cat/cat3/cat7/post-581.html)
地方自治体も避難情報の出し方を変更:千葉県千葉市の例
政府の変更に伴い、千葉市の避難情報も変更されています。
》千葉県千葉市が「避難情報」の発令の仕方を変更すると発表(2022年5月~)
2019年(令和元年)の令和元年東日本台風(台風19号)災害で、甚大な被害を経験した千葉県。千葉市でも様々な被害が発生したことから、避難情報の発令の見直しが行われたようです。新しい避難情報の発令方法についてご紹介します。
まとめ
このページでは、2021年5月20日から新しく運用がスタートした避難情報の新ガイドラインについて、ご紹介しました。
災害の多い日本では、避難情報などを正確に受け取り、行動に移せるかどうかは、どこに住んでいても、誰にとっても、重要なことだと思います。
今までの避難情報のような、誰がいつ避難すれば良いのかわからない、自分たちがどの程度危険な状況に置かれているのかわかりにくい避難情報から、よりシンプルに「警戒レベル4」になったら全員安全な場所へ避難!という避難情報になったことで、命を守る避難行動を迷わずにとれる人が増え、被害が少なくなることが望まれます。
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