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【法律はどうやってできる?】国会で法案が成立するまでのプロセスについて

「国会」では、法律の内容に関する審議や法律を成立させるための決議が日々行われています。今回は「国会で法案が成立するまでのプロセスについて」と題し、どのようにして法律が成立しているのかまとめてみました。

2017年11月27日更新

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目次
そもそも「法律」や「法案」とは?
法案審議・決定までの大まかな流れ
【1】「議員」ないし「内閣」が国会の議長へ「法案」を提出する
【2】法案の内容の確認をする
【3】法案の審議を行う
【4】本会議にて法案を「可決」するかどうかを話し合う
【5】 法律の成立から公布されるまでの流れ
【6】法案の成立から30日以内に公布される
まとめ
【法律はどうやってできる?】国会で法案が成立するまでのプロセスについて

そもそも「法律」や「法案」とは?

そもそも「法律」とは、国家により制定された社会的ルールです。

窃盗や殺人などを行えば罪に問われますが、その罪を裁く際に法律=社会のルールにどれだけ違反しているかどうかが罪の重さとなります。法律がなければ罪を裁く基準がなくなり、力が強いものが横行する弱肉強食の世の中となってしまいます。つまり、法律とは誰もが安心して暮らせるようになるためのルールともいえます。

そんな法律は、内閣または国会議員が「こんな法律が必要だ!」という法律の案を国会に提出します。この法律の案を「法案」といいます。

法案審議・決定までの大まかな流れ

【1】「議員」ないし「内閣」が国会の議長へ「法案」を提出する
【2】法案の内容の確認をする
【3】法案の審議を行う
【4】本会議にて法案を「可決」するかどうかを話し合う
【5】法案が成立
【6】法案の成立から30日以内に公布される

【1】「議員」ないし「内閣」が国会の議長へ「法案」を提出する

まず、国会に法案を提出できるのは「国会議員」と「内閣」です。「国会議員」が提出する法案は「議員提出法案」といい、内閣が提出する法案は「内閣提出法案」といいます。

国会には年間100~150本もの法案が提出されますが、法案は思い付きで提出できるものではありません。法案提出には「国会法(国会を含む国家の組織・運営について規定された法律)」により高いハードルが設けられており、衆議院の場合は賛成者20名以上、参議院の場合は10人以上の賛成者が必要と規定されています。内閣の場合は、内閣総理大臣が代表となり提出しますが、実際は官僚が法案の提案を行っています。年間に提出される法案のうち8割が内閣提出法案で、質的にも重要なものばかりです。

【2】法案の内容の確認をする

法案は、「憲法に適合しているか」「他の法律と調和が取れるか」などを議員が検討しながらも、法律独特の様式や用語を用いた条文の形式で作成します。法案は国会の会期中に提出することができ、国会議員が作成した「議員提出法案」の場合は自身が所属する議員の議長に、内閣が作成した「内閣提出法案」の場合は内閣総理大臣または両議員の一方の議長に提出します。

【3】法案の審議を行う

法案が提出されると、本会議にて提出された法案の主旨説明(お経読みと言います)が行われます。本会議とは議員全員が参加する会議のことで、議院の意思が最終決定する会議です。

本会議ではその後、質疑・各党からの質問が行われ、議長より法案について話し合うに相応しいとされる各委員会へ付託されます。教育に関する法案なら文部科学省、労働に関する法案なら厚生労働省にて審議(話し合い)が行われます。

【4】本会議にて法案を「可決」するかどうかを話し合う

各委員会で審議が行われると、本会議にて再び質疑や意見聴取が行われ、ここで出た意見を元に法案の修正・討議を行います。2度の審議で揉まれた法案は、衆議院及び参議院の両議院にて可決されれば法案の公布(発表)に向けて動き出し、否決された場合もしくは時間切れの場合は廃案となります。

参考例:「内閣提出法案」

法案審議・決定までの流れを分かりやすく「内閣提出法案」を例に紹介すると、議長に提出された法案は、閣議(内閣大臣による会議)に付される前に全て内閣法制局における予備審査を受けます。予備審査の規定をクリアした法案のみが、本会議にて議論されます。

審査でチェックされるポイントは4つあります。1つ目は憲法や他の法律との調和が取れているか、法的妥当性があるかどうか。2つ目は法案の意図が文章にて正確に表現されているかどうか。3つ目は条文の表現や構成が正しいかどうか。4つ目は文章中の用字・用語に誤りがないかどうかです。

その後、本会議で大臣が法案を読み上げ説明する、いわゆる「お経読み」が行われ、提出された法案に相応しい委員会へ付託(ふたく)します。付託とは、議長が提出された法案の審議を委員会に委ねることを意味します。

ここでは、支援団体や既存権益者への法案の意味合いを持つ「みやげ法案」や重要法案の審議入りを遅らせる「枕法案」を材料に与野党の攻防が行われます。この攻防を経て、本会議での審議で可決されると、公布に向けて動き出します。

なお、本会議で可決する条件は「憲法59条1項」にて、衆議院・参議院の両議院で過半数の賛成を得れば可決となります。

【5】 法律の成立から公布されるまでの流れ

衆議院及び参議院の両議院で可決された新たな法律は、30日以内に公布(一般市民に広く知らせること)と定められています。また、新たな法律は、天皇陛下に奏上(天皇に申し上げること)され、法律番号が付けられると、再び閣議されます。閣議にて国務大臣と内閣総理大臣の連署が記され、法律は天皇より公布されます。

【6】法案の成立から30日以内に公布される

公布された法律は、国の広報誌である「官報」に掲載されます。官報には、公布された法律が一般市民でも理解できるように、法律の概要が記載されています。

法律は公布された上に、「施行(現実的に法律が発動すること)」されることで法的な効力を発揮します。法律が施行されるタイミングについては、「法の適用に関する通則法」第2条にて「法律は、原則的には公布の日から20日を経過した日から施行する」と規定されています。

まとめ

今回は国会で法律ができるまでのプロセスをご紹介しました。

法律ができるまでには、大まかに「作成した法案を議会に提出」し、「提出した法案の審議・決議」が行われ、最後に「天皇による公布」が行われます。

法律は国民の生活に広く関わるものです。成立するまでには数多くの審議が行われ、慎重に提案される仕組みになっています。

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