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感染症発生!その時公務員は?感染症からみる各行政組織の役割

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「厚生労働省」が中心となり、感染症に立ち向かう

国内の感染症の発生状況についてとりまとめを行うのが厚生労働省の内部部局である健康局の「結核感染症対策課」です。定期的に情報発信されている感染症は「インフルエンザ」や「手足口病」などがあり、厚生労働省のホームページにはそれぞれの感染症専用のページがあります。

▼参考:厚生労働省「感染症情報」ページ

専用ページがある感染症は、現在25種類以上があります。例えば、「インフルエンザ」「ノロウィルス」「日本脳炎」「肝炎」「結核」「風しん」「麻しん」「水痘」など、予防接種などで聞いたことがある病気も多いかと思います。

また、2020年現在、世界的に流行している「新型コロナウィルス(COVID−19)」や、2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)など、一時的に大流行する感染症についても、厚生労働省が世界情勢に気を配りながら情報を収集し、国内への感染防止のために水際対策をとったり、国民への健康管理を呼びかけたりします。

そのほか、厚生労働省は、全国の地方自治体とも連携し、国内の情報収集や情報発信の要として機能します。

【厚生労働省】「新型コロナウィルス」特設ページも開設されています

2019年12月頃から発生した「新型コロナウィルス」については、厚生労働省が特設ページを開設しています。最新情報は特設ページで配信されています。

▼参考:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症について」

全国13ヶ所の国際空港や国際海港に設置される「検疫所(厚生労働省)」

厚生労働省の「施設等機関」のひとつである「検疫所」も、感染症が発生した際に活躍する機関のひとつです。日本の玄関口と言える、全国13ヶ所の国際空港や国際海港に設置されており、感染症については対人で検疫を行います。

厚生労働省検疫所では、海外渡航者向けに「FORTH」というサイトを設置しており、渡航者が海外で健康に過ごせるように、主に渡航者の診療や相談にあたる医療従事者向けに、海外の感染症の最新の流行状況や、予防方法などの情報を掲載しています。

▼参考:厚生労働省検疫所「海外で健康に過ごすために(FORTH)ホームページ」

感染症の予防・診断・治療に関する研究をする「国立感染症研究所(厚生労働省)」

検疫所と同じく、厚生労働省の「施設等機関」の一機関である「国立感染症研究所」は東京都新宿区にあります。


国立感染症研究所では、エイズなどの感染症の予防・診断・治療に関する研究や、ワクチンなどの安全性や有効性を保障するための国家検定が行われています。

その年流行している「インフルエンザ」や、「新型コロナウィルス」の最新情報も感染症研究所から発信されています。

▼参考:NIID 国立感染症研究所ホームページ

海外の情報を担う「外務省」

海外で感染症が発生していることを国民に伝えるのは、外務省の役割です。外務省は国や地域別に、どのような病気が流行しているのかを「海外安全ホームページ」で発信しています。

海外に渡航する際には、「海外安全ホームページ」で安全を確認してから渡航すると良いかと思います。

「海外安全ホームページ」では、外務省が渡航者に対し「感染症危険情報」を出しています。例えば、「新型コロナウィルス」の場合は、レベル3の「渡航中止勧告(感染症)」が、中国の湖北省などについて発令されています。(2020年2月25日時点)

▼参考:
外務省 海外安全ホームページ「医療・健康関連情報」
外務省 海外安全ホームページ「中華人民共和国(中国)スポット情報」

「水際対策」を担うのが「国土交通省」

厚生労働省や外務省の情報を受け、感染症が国内に入ってくるのを防ぐ「水際対策」を担当するのは、国土交通省の役割です。

空港や海港の監督や情報提供をする国土交通省は、感染症を発症するおそれがある外国人に対して、国内への上陸を行わせない入国拒否の措置を実行する立場にあります。

国土交通省の航空局、海事局及び港湾局は、全国の空港や港湾施設における検疫の実施の円滑化や、海外渡航者への情報提供など、水際対策の徹底について、現場への必要な支援を行います。

▼参考:国土交通省「新型コロナウイルス感染症に関する国土交通省の対応」

「海上保安庁(国土交通省)」は船の対応を担う

国土交通省の外局である「海上保安庁」は、日本の海港に感染症の疑いがある乗客のいる船舶が停泊した際には、巡視船艇による周辺海域の巡回を行い感染症を不用意に上陸させないよう水際対策を徹底します。

また、乗客が上陸できない機関の船内環境の改善・保持のため、船内への情報提供を行い、必要に応じて航行している他の船に対して停泊場所の変更などの要請を行うこともあります。

外国人観光客やホテルなどの対応は「観光庁(国土交通省)」が担う

国土交通省の外局である観光庁は、日本へ入国中のの外国人観光客が滞在する宿泊施設に対して、感染症の疑いがある宿泊者がなんらかの症状を発症した場合は、外国人宿泊者に対して医療機関への受診を勧めるなどの対応を取るよう周知します。

「新型コロナウィルス」に関しては、観光庁が訪日中の外国人観光客に対して専用コールセンターを開設し、相談・情報提供にあたっています。


▼参考:観光庁「新型コロナウイルス感染症関連情報」

「地方自治体」も各自治体で住民を守ります

全国の地方自治体は、感染症が発生した場合に、厚生労働省からの情報をもとに、特別対策室や保健局や保健福祉局などの部署を中心に対策をとります。自治体の体制にもよりますが、保健所や保健センターが窓口となり、相談や調査、情報提供業務を行うことが多いようです。

都道府県内や、市町村内の感染症患者数については人数等を公表し、また必要に応じて感染経路を調査・報告・公表します。

また、広報課や観光課、地域振興課などは、感染防止のため、企画していたイベントを中止し、民間に対しても中止を勧告するなどの措置をとります。

さらに都道府県や市町村の教育委員会は管轄内の公立の学校に対して感染症予防のための臨時休校を審議し、決定することがあります。

新型コロナウイルスについては、「帰国者・接触者相談センター」を独自に設置し、医療機関を受診する方法などを案内している自治体もあります。

まとめ – 指定感染症と検疫感染症

このページでは、感染症が発生した場合に、公務員がどのような役割を担うのかを紹介しました。

そもそも感染症には一般の感染症のほかに、「指定感染症」と「検疫感染症」があります。

「指定感染症」はすでに知られている感染症であって「感染症法上の規定の全部又は一部を準用」しなければ、その病気がまん延することによって、国民の生命や健康に重大な影響を与えるおそれがある、と政令で定められた病気です。

「検疫感染症」は、通常は国内に病原体が存在しない感染症のうち、その病原体が国内に侵入することを防止するため、「その病原体の有無に関する検査が必要なものとして、政令で定めるもの」とされています。

「指定感染症」と「検疫感染症」に指定された感染症については、「患者に対する入院措置や公費による適切な医療の提供」ということで、公費を使っての治療が可能になり、また「医師による迅速な届出による患者の把握」が可能です。

そして、自己申告が中心だった検査から、「患者発生時の積極的疫学調査(接触者調査)」を行えるようになるので、対象者への質問、診察・検査、消毒など、行政側からのアプローチが可能となります。

2020年の冬は「インフルエンザ」に加え、「新型コロナウイルス」も猛威を振るい始めています。

各行政機関の公務員の役割をご紹介しましたが、上記以外にも感染症関連では多くの職員が対応にあたっています。彼らの活躍により、一刻も早い収束が望まれています。

▼参考:厚生労働省「指定感染症及び検疫感染症について」

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本記事は、2020年2月27日時点調査または公開された情報です。
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公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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