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【公務員になりたい人保存版】日本の中央省庁一覧まとめ解説

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日本の行政を担い、国家公務員が主に働く組織である「省庁」は、2001年に戦後最大の改編を経て、現在の「1府12省庁」の形をとるようになりました。ほとんどが国会議員で構成される「内閣」は「政治主導」を目指し、「内閣府」の設置によって「内閣総理大臣」の権限を拡大させましたが、実務を担う「官僚」は、時に「官僚主導」などと批判されますが、その専門性の高い知識を武器に、日本の行政を引っ張っているといえます。

ここでは、その各「省庁」について解説していきます。

目次

日本の行政を担う「省庁」とは?

日本の行政権のトップを担うのが内閣総理大臣ですが、その実務を行っているのがそれぞれの「省庁」です。

国民の生活に関わる多岐にわたる行政は分野ごとに分担され、各「省庁」の管轄業務になります。「省庁」の責任者は各国務大臣が担っており、それらの「省庁」をまとめて「中央省庁」と呼びます。

日本の「中央省庁」は「1府12省庁」や中央官庁、中央省庁や省庁、府省と呼ばれたりします。

その「1府12省庁」のうち、唯一の「府」にあたるのが内閣総理大臣の業務のサポートを担う「内閣府」です。

そして、「12省庁」にあたるのが、「総務省」「法務省」「外務省」「財務省」「文部科学省」「厚生労働省」「農林水産省」「経済産業省」「国土交通省」「環境省」「防衛省」の11の「省」と、「警察庁」を管理しているため「庁」として数えられる「国家公安委員会」が1つの「庁」です。

また、現在は2011年に発生した東日本大震災からの復興を目指すために復興庁設置法が成立し、設置されることになった「復興庁」が「中央省庁」に含まれていますが、この「復興庁」は一般に示される「1府12省庁」には含まれません。「復興庁」は責任者に国務大臣があてられていることから、組織として「府」「省」と同列ではありますが、2021年3月31日までに廃止される予定の、あくまで特例措置の「庁」として設置されています。

押さえるキーワード「府」「省」「庁」「外局」や「閣僚」など

「府」「省」「庁」と「外局」について

「府」「省」「庁」と「外局」について、「府」と「省」は組織として同列にあり、内閣の下に置かれる「中央省庁」を構成しています。それに対して「庁」は、組織の形式上は「府」や「省」の下におかれている組織です。

「庁」は特定の行政に特化し、特殊な事務や独立性の高い事務を担当します。同じように特殊な事務を扱う一部の「委員会」と、「庁」のことをそれぞれの「府」「庁」の「外局」と呼びます。「外局」は、「府」や「省」の下に設けられている「内部部局」と同じように、組織上は「府」や「省」の下部組織ですが、受け持つ業務が特殊性、専門性の高いものであるため、「府」や「省」本体と同等の地位を持ちます。

「府」や「省」と同等の地位を持つとはいえ、ほとんどの「外局」は「1府12省庁」には含まれませんが、「内閣府」の「外局」である、「国家公安委員会」だけが「1府12省庁」に含まれます。これは、「国家公安委員会」が犯罪捜査・逮捕権限という大きな権力を持つ「警察庁」を管理しているためであり、国家公安委員長には、他の中央省庁と同じように国務大臣、つまり内閣のメンバーが充てられています。


閣僚とは?

「閣僚」とは内閣を組織するメンバー、つまり「内閣総理大臣以外の国務大臣」を指します。「1府12省庁」の責任者だけでなく、内閣府におかれている「内閣官房」の責任者「内閣官房長官」も「国務大臣」に含まれます。

「内閣官房長官」は「内閣総理大臣」の腹心として閣議後の記者会見なども担当する、閣僚の「顔」となる存在です。また各政権の政策の目玉などを扱うために必要に応じて設置される「内閣府特命担当大臣」も「国務大臣」の一員です。

「閣僚」となる「国務大臣」の定数は内閣法によって14人以内、必要に応じて17人まで増員できると定められていますが、現在は復興庁設置法によって1枠追加され、定数15人以内、必要に応じて18人以内と定められています。

「官僚」と「閣僚」の違い

各省庁で「閣僚」の下で実務を行うのが「官僚」ですが、「閣僚」のほとんどが国会議員であるのに対し、「官僚」は議員ではありません。

「官僚」は国会での内閣に対する質疑の答弁書を作成したり、「閣僚」が十分に答えられないような質問に回答するなど、「閣僚」のサポートをすることもありますが、実際に各行政について専門的な知識を有し、予算案や法律案、政策の企画案を練るといった実務をこなしているのは「官僚」であることから、各省庁の実権を握るのは「閣僚」ではなく「官僚」だという見方もあります。

また、「官僚主導」の行政という場合の「官僚」は中央省庁の本省(内部部局)に採用されているいわゆる「キャリア」のことを指し、「政治主導」を目指す「内閣」との対立がしばしば取りざたされています。

大臣とは?

「大臣」とは各省の責任者のことを指しますが、手続き上、該当者はまず「国務大臣」に任命され、その後に「各省大臣」として各省の責任者に任命されるという順序があります。

また、内閣総理大臣を含む各省大臣のことを、特定の行政分野を担当しているという意味で、内閣官房長官や国家公安委員長、特命担当大臣などと区別して「主任の大臣」と呼ぶこともあります。

「主任の大臣」の対義語としては、各省の大臣が扱わない事務を担当するという意味で「無任所大臣」がありますが、内閣官房長官や国家公安委員長、特命担当大臣が「無任所大臣」に含まれるかどうかは様々な解釈があり、ひとつの考え方に確定していません。

日本の省庁一覧

それでは、国家公務員が勤める「日本の省庁」一覧をご紹介します。

【省庁組織図】

▼【最高裁判所】 (司法機関)

▼【国会】 (立法機関)
・衆議院
・参議院

▼【内閣】(行政機関)
・人事院
・安全保障会議
・内閣法制局

・内閣府
・宮内庁
・公正取引委員会
・金融庁
・消費者庁
・国家公安委員会ー警察庁


・総務省
・中央選挙管理委員会
・消防庁 など

・法務省
・検察庁
・公安調査庁 など

・外務省
・在外公館(大使館)など

・財務省
・国税庁 など

・文部科学省
・文化庁 など

・厚生労働省
・中央労働委員会 など

・農林水産省
・林野庁
・水産庁 など

・経済産業省
・資源エネルギー庁
・特許庁
・中央企業庁 など

・国土交通省
・観光庁
・気象庁
・海上保安庁 など

・環境省
・原子力規制委員会 など

・防衛省
・防衛大学校 など

・復興庁

2001年の省庁再編について

日本では2001年に戦後最大の省庁再編が行われ、現在の「1府12省庁」の形が出来上がりました。省庁再編までの流れとしては、1998年に行政改革に力を入れていた橋本龍太郎内閣によって中央省庁改革基本法が公布、施行されたことが始まりでした。その二代後の森喜朗内閣になってから、2001年に大規模な中央省庁再編が行われました。

省庁再編のポイント1「総理大臣の権限の拡大」

中央省庁再編の狙いは、まず「総理大臣の権限の拡大」でした。旧省庁の「総理府」「経済企画庁」「沖縄開発庁」の機能を集約し設置された「内閣府」はその狙いを表す象徴的な存在です。総理大臣のあらゆる業務のサポートを担う「内閣府」は、総務大臣を責任者として、他の省庁より格上に位置づけられました。

また、旧総理府の外局だった金融再生委員会(のちの金融庁)を「内閣府」の外局として取り込むことにより、緊急時に総理大臣が即応性を持って事態に対処できるよう、権限が強化されたと言えます。これは諸外国における大統領的権限が、日本国の総理大臣にも部分的に備わったという見方もあります。

省庁再編のポイント2「官僚主導」の行政から「政治主導」へ

そして「総理大臣の権限の拡大」の次に期待されたのは、行政が「官僚主導」から「政治主導」へ転換されることでした。ここでの「官僚」とは中央省庁の本省(内部部局)に採用されているいわゆる「キャリア」のことを指します。

それまでの「官僚主導」の行政では、「官僚」が自分の所属する省の利益の確保を目的に行動することで、国全体としての利益が損なわれたり、国民にとって非効率な行政が行われたりすることがしばしば問題視されていました。

その状態を改善するために行われた省庁再編ですが、実際に実務に精通しているのは「官僚」であるために、あらゆる議論を円滑に進めるには「官僚主導」にせざるを得ない局面もあり、「閣僚」にとって「政治主導」の実現は難しい面もあります。逆に言えば、「官僚」にとってはそう簡単には「閣僚」に主導権を握らせないという強みが、業務上まだまだ存在するということになります。

旧省庁→現省庁の内容

省庁再編により、旧省庁では1府22省庁ありましたが、現省庁は1府12省庁までスリム化しています。


下記がその現在と過去の対照表です。

▼【現】省庁ごとの前進となる【旧】省庁一覧

【現】内閣府
【旧】
・金融再生委員会
・沖縄開発庁
・経済企画庁
・総理府 の一部
・科学技術庁 の一部
・国土庁 の一部

【現】国家公安委員会
【旧】
・国家公安委員会

【現】総務省
【旧】
・総理府 の一部
・総務庁
・自治省
・郵政省

【現】法務省
【旧】
・法務省

【現】外務省
【旧】
・外務省

【現】財務省
【旧】
・大蔵省

【現】文部科学省
【旧】
・文部省
・科学技術庁 の一部

【現】厚生労働省
【旧】
・厚生省 の一部
・労働省

【現】農林水産省
【旧】
・農林水産省

【現】経済産業省
【旧】
・通商産業省

【現】国土交通省
【旧】
・運輸省
・建設省
・北海道開発庁
・国土庁 の一部

【現】環境省
【旧】
・環境庁
・厚生省 の一部

【現】防衛省(2007年1月に防衛庁より昇格)
【旧】
・防衛庁

【1】組織としては変わらなかった「省庁」

環境庁から環境省のように名称のみ変更されたものは、下記の通りです。

・【旧】大蔵省 → 【現】財務省
・【旧】通商産業省 → 【現】経済産業省
・【旧】防衛庁 → 【現】防衛省(2007年~)

【2】いくつかの省庁が統合されたもの

いくつかの省庁の全部、または一部が統合された省庁は下記の通りです。

・【現】内閣府
【旧】
・金融再生委員会
・沖縄開発庁
・経済企画庁
・総理府 の一部
・科学技術庁 の一部
・国土庁 の一部

・【現】総務省
【旧】
・総理府 の一部
・総務庁
・自治省
・郵政省


・【現】文部科学省
【旧】
・文部省
・科学技術庁 の一部

・【現】厚生労働省
【旧】
・厚生省 の一部
・労働省

・【現】国土交通省
【旧】
・運輸省
・建設省
・北海道開発庁
・国土庁 の一部

・【現】環境省
【旧】
・環境庁
・厚生省 の一部

まとめ

このページでは、日本の国家運営を担う省庁について、その全体像を把握するために一覧で説明しました。そして、具体的なひとつひとつの省庁について見ていく前に、「省庁」とは何か、「閣僚」とは誰を指すのか等、基本的なキーワードを解説しています。

また戦後最も大規模に行われた、2001年の中央省庁再編についてもまとめました。この省庁再編によって中央省庁は「1府22省庁」から「1府12省庁」に大幅にスリム化し、組織上は「内閣」の権限が大きくなりました。

「内閣」は権限を拡大させたことで、「官僚」による「官僚主導」の行政からの脱却を狙い、「閣僚」による「政治主導」の行政を目指していますが、実際には行政の実行部隊である各省庁の組織を構成するのは多くの「官僚」であり、実務に精通する「官僚」が国の行政をリードする場面はまだまだ多いのが現状です。

以上のように国家運営を担う省庁の全体像と、そこで働く「官僚」の置かれている状況について簡単に説明しました。

各省庁の説明ページでは、組織においてはもちろん、実務においても日本の行政を引っ張っている「官僚」の具体的な仕事について、詳しく見ていきます。

本記事は、2017年11月26日時点調査または公開された情報です。
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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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