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【政党って何?】公務員も抑えておきたい「政党」の作り方とその歴史

国政選挙期間になると、マスメディアにおいて、党首討論などが行われます。また、日々のニュースでも与党、野党という言葉をよく耳にします。この「政党」とは何なのでしょうか。

今回は、日本における政党の歴史や作り方、あり方など、「政党」について解説します。

2018年02月21日更新

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目次
なぜ政党を組む必要があるのか?
日本の政党政治の歴史
政党の作り方について
政党をつくるメリット
国政政党と地方政党
まとめ
政党とは何なのか?知ってきたい「政党」の作り方とあり方

日本に限らず先進国における政治では「政党」が重要な役割を果たしています。法案が成立するか否かは、各政党の判断によって影響されますし、選挙に立候補する際にも政党の支持がついているか否かで当選確率が違ってきます。また、ニュースでも政治に関するニュースは一国会議員ではなく、政党という切り口から報道されています。

このような傾向は日本以外も同様で、民主主義国家の多くでは「どこの党が選挙で勝利した」「どこの政党は保守的な政策が多い」というように政治は「政党」という単位で解釈されると言えます。

ここでは、そのように現代政治において重要な役割を果たしている「政党」について焦点を当て、なぜ政党を作るのか、政党はどのように作るのか、どういうルールで運営されているのかなど、政党に関する事を説明します。

なぜ政党を組む必要があるのか?

まずは、なぜ政党を組む必要があるのかという事について説明します。

法律は国会によって制定されますが、国会において法律の可否を決めるのは議員による投票、つまり多数決です。しかし、議員それぞれがバラバラに行動していると、安定して法律を通す事はできません。

このような理由から、自分の提案の承認を得るために、人々は自分と同じような思想を持った人達と集まってグループを作ります。これが政党や政治団体と呼ばれる組織です。

このように、主義主張の近い人間同士がグループを形成して自分の政治理念を実現するという事が、政党に所属する重要な要因ですが、これには打算的な面もあります。無所属で活動するよりも、政党に入る方が十分なバックアップが得られます。

まず、選挙の際には、政党の知名度や人気によって自分個人だけでは得られない票を獲得する事ができますし、政治活動について政党からの金銭的・人員的バックアップを受ける事もできます。

つまり、議員が政党を組む事は、「政治目標を実現する」「政党のバックアップを受けて議員としての地位を安定させる」という2つの目的があります。

日本の政党政治の歴史

日本の政治は政党単位で動いていますが、いつ日本に政党政治の文化が根付いたのでしょうか。まず歴史を紐解くと、日本の近代政党の歴史は1870年代から始まります。

政党政治の始まり

征韓論で破れ下野した板垣退助達が 1874年愛国公党という政党を設立し、自由民権運動を開始します。

そして自由民権運動が高まるにつれて、1881年に明治天皇が国会開設の勅諭を下し、1899年に国会が設立されました。この勅諭以降、板垣退助が自由党、大隈重信が立憲改進党、福地源一郎が立憲帝政党と国会の開設まで政党が作られるのですが、この時代の政党は政治の中心にはありませんでした。

政党が作られたものの、自由党は自由民権運動の弾圧によって解散、立憲改進党は政府支持政党として誕生しましたが、政府が国会によって制約されないという超然主義のスタンスをとったために、存在意義がなくなり解散してしまいました。

このように、国会開設の初期段階においては、政府が超然主義というスタンスで運営されているために、政党の影響は小さかったと言えます。

政党内閣の誕生

日本に政党内閣が誕生したのは、1898年大隈重信内閣で、以降1900年に伊藤博文が立憲政友会を作るなど、政党政治が本格化していきます。ただし、明治憲法下において内閣の選び方はルール化されていないので、元老が中心になって次の内閣を選び、天皇が任命するという、民主的統制の働かない方法で選出されていました。

その後、軍部が実権を握り、政党が解散させられていく過程を考えれば必ずしも政党が民主主義の中心にあったという事はできません。

きちんと、日本においては政党政治が根付いたのは、1947年に日本国憲法が制定され、国会が内閣任命に影響を及ぼす事ができるようになって以降と考えた方が良いでしょう。

政党の作り方について

では、現代の日本において政党とは、どのように作られているでしょうか。

政党とは

政党とは、政治団体のうち所属国会議員が5人以上いる団体、もしくは前回の衆議院議員総選挙、前回又は前々回の参議院議員通常選挙のいずれかで、全国で得票率2%以上を獲得した団体の事を指します。

つまり、政党を作るためには衆議院でも参議院でも良いので国会議員を5人集めるか、国政選挙にて全国で得票率2%以上を獲得しなければならないのです。このような条件を満たした上で、中央選挙管理委員会に申請し、政党の法人登記を行うと政党として活動できるようになります。

政治団体とは

このような政党の条件を満たさない場合は、法律上は政党ではなく、政治団体としてみなされます。政治団体を作るにあたっては、法律の制限は特にありません。都道府県の選挙管理委員会に対して届け出を行えば、誰でも政治団体を設立する事ができます。

ちなみに、政治団体には「政党」のように候補者を推薦、応援したり、特定の政策や主義について支持・反対する団体だけではなく、後援会のような支援団体も含まれています。

政党と政治団体の定義の違いから分かるとおり、国政に影響を与える一部の政治団体が、政党になれるということがわかります。

政党をつくるメリット

では、政治団体、政党を作る事によってどのようなメリットがあるのでしょうか。

前提として政治団体には大きな制約があります。受けられる寄附金の額には制限がありますし、特定の人達から寄附は受けられません。さらに、収支報告の作成と提出が義務付けられているので、それなりの手間はかかります。

ただし、政治団体を作ることによって、自分個人だけではなく、政治団体としてチームで活動する事ができますし、活動資金の透明性により活動の公明正大さがアピールできます。

さらに、政治団体から政党になれば、政党交付金と言う形で国庫から助成を受けられたり、政治団体は禁止されている会社や労働組合からの寄附が認められたり、寄附金の上限が緩和されたりと、さまざまなメリットがあります。

政党のメリット

比例選挙は政党の方が圧倒的に有利となります。比例選挙に候補者ととなる名簿を登録する条件として、政党は無条件で比例名簿に登録可能ですが、政党でない場合は小選挙区登録者を比例名簿に登録する事ができません。

また、比例代表区の立候補は、選挙区(ブロック)の議員定数の2割以上名簿登録を行わなければならないので、数合わせのための候補者が必要になる場合もあります。このような理由から、政党の方が比例選挙においては制度上有利となっています。

もちろん制度以外のさまざまな点で、政党に所属している方が実質的に選挙戦において有利となります。選挙番組は政党間で政策論争を行うので、政党があるかないかでマスメディアへの露出度は大きく異なります。

また、政党は資金力があり、候補者を集める際にも知名度の高い候補者が集めやすく有利だと言えます。

国政政党と地方政党

このように政党について説明してきましたが、上の定義は基本的に国政に焦点を当てたもので、地方の場合は少し事情が違っていると言えます。この点について、国政政党と地方政党という対比から説明します。

日本においては、国全体の運営を行う国政と、都道府県や市町村の運営を行う地方政治という2つの階層が存在しています。

国政と地方政治の連動

国政は国の事を決める政治であり、地方政治は自分が住む地方自治体の事を決める事なので、それぞれ別々のロジックで動いても良さそうな気もしますが、実際には国政と地方政治は連動しています。

つまり、国政で有力な政党はそのまま地方政治においても有力な政治勢力となりやすいということです。このような理由から、特定の都道府県の選挙で何党の候補者が当選したかということが、しばしば国政の試金石として説明される事があります。

地域政党の活発化

日本の政治は非常に中央集権的で、国政のパワーバランスがそのまま地方政治に影響されると考えてきました。しかし、近年この流れは変わりつつあります。例えば、大阪維新の会や、都民ファーストの会のように、地方自治体の首長が地方政党に積極的に関与しているケースも増えてきました。

このように今後は地方政治においては国政の有力政党だけではなく、地場の地域政党の存在も重要になってくると考えられます。(ここでいう「政党」とは上であげた法律上の「政党」という定義に則っていません。ちなみに地方政党に法律上の政党の定義に則った政治団体は2018年1月現在存在しません。)

まとめ

日本の政治は政党を中心に展開されてきたので、どの政党に所属するかと言う事は政治家にとっても重要な事だと言えます。ただし、法律上の政党を作るためには国会議員5人以上を集めるか、全国での得票率2%以上を獲得する必要があるために、簡単に政党を作る事はできません。

このような国政で活躍する政党が、日本の地方自治においても大きな影響力を持っているのがこれまでの日本でしたが、今後はこの影響力も解消すると考えられます。

高度経済成長時代は国土開発と結びついて、地方に対してどれだけ予算を持ってこられるかという事が、政党選びの重要な要素になっていましたが、地方創生が叫ばれる昨今においては、むしろ地方を自律的に発展できる、小回りが利く地域政党の存在が重要になってくると言えます。

仮にそうなれば、政党のあり方は大きく変わります。今まで、同じ地方であれば地方政治と国政で有力な政党は同じでしたが、今後、地方政治においてその地域でだけ有力な政党というのが誕生すれば、国政と地方政治は分離します。

そして、地方政党から国政に進出したり、国政で活躍している政党の基盤が揺らぐので、政党は緊張感を持って活動し、より地方の意思を反映させやすい政治状況が作れると考えるからです。

本文中でも説明したとおり、日本の政治において政党政治を行っているのは、第二次世界大戦以降、わずか70年の事で、政党政治が日本に昔から根付いていた制度というわけではありません。

今後、地方政治がどのように進展していくのか、その時に「政党」のあり方はどのように変化するのか、しっかりと見守る必要があります。

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