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【目指せ!外交官】大自然と平和の国「スイス」の基本知識(2018年3月調査情報)

世界の各国特集、今回ご紹介する「スイス」は、人口約842万人、GDPランキング20位の国です。

日本と「スイス」の関係は、江戸時代から国交を始め150年以上になり、自然が多く勤勉な国民性など、日本と共通点が多い国です。

外交官になるなら押さえておきたい世界の「国」の基本知識です。


スイスってどんな国?

「スイス」は、日本語で「スイス連邦」および「スイス」と表記し、漢字による当て字では「瑞西」と表記します。通称はSwitzerland(スウィツァランド)で、英語では「Swiss Confederation」と表記します。

面積・場所について

「スイス」の国土の広さは、4.1万平方キロメートルで、日本の約10%で九州と同じくらいの大きさです。そして、四国に似た形をしています。

「スイス」の場所は、ユーラシア大陸の中央ヨーロッパにあり、ドイツ、フランス、イタリア、オーストリア、リヒテンシュタインに囲まれた内陸に位置しています。

都市について

「スイス」の首都は、世界遺産の旧市街「ベルン(Bern)」ですが、商工業・金融業や文化・芸術の中心となるのは、最大の都市「チューリッヒ(Zurich)」です。その他有名な都市に、国連ヨーロッパ本部や国際赤十字委員会など多くの国際機関の本部が置かれている「ジュネーブ(Geneve)」、古来学問や文化が栄え現代建築の宝庫といわれる「バーゼル(Basel)」があります。

人口について

「スイス」の人口は、約842万人(2017年)で、日本人口の7%ほどです。スイスは全人口に対する外国人比率が高いのが特徴で、2016年には約25%でした。

成り立ちについて

「スイス」建国の日は1291年8月1日で、その日、民の自由を尊重する「誓約同盟」をウーリ、シュヴィーツ、ウインターヴァルデンの3州で結成し、現在のスイス連邦の原型となりました。

フランス革命が起き1798年、フランス革命軍のスイス侵攻によりスイス盟約者団は崩壊、ヘルヴェティア共和国が建国されました。しかし、1803年フランス軍を指揮していたナポレオンが調停者となり、スイス各州が再び協定を結び地方自治の体制に戻りました。

そして、1815年欧州列強にて協議されたウィーン会議で、改めてスイスの独立と永世中立国が認められました。

その後も紛争が続き、1848年に国際的秩序を維持するウイーン体制が崩壊し、内戦が起きましたが、その結果、連邦制度が採択されました。このとき、連邦憲法が制定され、連邦内閣樹立し、現代まで維持されています。

スイスの国民・宗教・言語について

国民について

「スイス」の国民は、主にゲルマン民族が中心で、そのうち、約25%を外国人(移民)が占め、イタリア、ドイツ、旧ユーゴスラビア諸国出身者が多くなっています。

宗教について

スイスの宗教は、キリスト教が大部分を占め、カトリックが人口の約43%、プロテスタントが約35%です。少数の宗教には、イスラム教が約4%、正教会が約2%、1%未満の宗教がヒンドゥー教、仏教、ユダヤ教などで構成されています。そして、約11%が無宗教です。


言語について

「スイス」で使用される言語は、各地方の地理的・歴史的な理由から、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つを公用語とされています。

最も多いドイツ語が、全体の約65%で、スイス北部と東部で主に使用されています。そして、フランス語の約20%(主にスイス西部地域で使用)と続き、イタリア語が約10%(主にティチーノ州で使用)、最後にロマンシュ語(主にグラウビュンデン州で使用)他です。

スイスの経済状況について

「スイス」の経済状況は、世界で最も国際競争力の高い状況にあります。2011年の世界経済フォーラムの研究報告書において、世界第1位の国と評価されました。

「スイス」のGDPは約6,500億ドル(2016年)、日本円にすると約70兆円で、世界第20位です。同年の一人当たりのGDPは約8.1万ドルで、世界でもトップクラスの水準です。

2016年の一人あたり国民総所得(GNI)は約8.4万ドルで、世界第2位です。

貿易について

「スイス」の最大貿易相手国は、輸出入ともに「ドイツ」が占めています。

「スイス」は、時計などが有名ですが、精密機器や電子機器,化学・医薬品等の分野において,高い技術水準を持つ国です。

そのため、スイス企業の産業分野は、金融業(銀行、保険)、電力、観光業、精密機械工業(時計、光学器械)、化学薬品工業と多岐に渡っています。

スイスの政治・政策について

政治体制について

「スイス」の政治体制は、最高機関が連邦議会となる議会統治制で、立法府が行政府を兼ねてる仕組みになっています。

この連邦議会は選挙で選ばれる「200議席の国民議会(外院)」と州代表の「46議席の全州議会(上院)」の二院で構成されています。連邦議会の選挙は、4年毎に行われます。

選挙制度について

「スイス」の選挙制度は、「スイス国籍を持つ満18歳以上の全ての男女」が選挙権を持ち、投票によって政治に参加する制度です。

また、「スイス」では、国民が政治的意思決定への直接参加の機会を持っています。これを直接民主制と言います。主として、イニシアティブ(国民提案制度)とレファレンダム(国民投票制度)の2つの制度からなっています。

具体的に説明すると、「イニシアチブ」は立法を発議したり、議案を提出する権利で、「レファレンダム」は、連邦議会の決議を覆すことができる権利です。この2つの権利は憲法上、「スイス」国民に認められています。

スイスの大統領・首相について

「スイス」は国家大統領や首相という機能を持たないのが特徴で、「連邦大統領」が1年(1月1日から12月31日まで)の任期で、「連邦参事会」の中から選出されます。

内閣に相当する「連邦参事会」は7人の閣僚で構成され、連邦議会によって選出されます。閣僚はそれぞれ各省の大臣に就き、その中の1人が大臣を兼任のまま「連邦大統領」となります。この連邦大統領は、閣僚が交替で務める輪番制になっていて、前年の副大統領が大統領になります。


スイスの国防制度・軍事制度・兵役について

「スイス」は、永世中立国で知られ、もし他国間で戦争が起こっても圏外に立つことが周辺国等に承認されています。そのため、「スイス」国軍は自国の防衛のための軍隊で、他国を攻撃する能力はありません。スイス国軍は職業軍人約4,000人と予備役約21万人で構成され、陸軍と空軍、水軍・海軍を有します。

また、「スイス」は徴兵制度を採っており、20歳~30歳の男性は兵役義務があります。女性は任意です。そして、「スイス」成人男性の大多数は予備役軍人もしくは民兵で、各家庭に自動小銃などが貸与されており、そして銃が気軽に手に入る社会でもあります。

スイスと日本の関係について

「スイス」は先進経済であり、WTOの場において日本と共にG10に参加するなど、日本と密接な協力関係にあります。

2016年の時点で、「スイス」にいる日本人の数は「約1万人」で、日本にいる「スイス」国民の数は「約1,000人」(2017年6月,法務省在留外国人統計)です。

また、約200社の日本企業が、「スイス」に進出しており、主な進出先はチューリッヒ、ジュネーブとなっています。日本にある「スイス」の企業は約150社で、機械や精密機器、化学製品、医薬品などの関連企業が多くなっています。

まとめ

いかかでしたか?

「スイス」は、アルプスの山々を登山鉄道が走り、ヨーロッパで一番標高の高い鉄道駅など、観光地としても有名で、自然豊かな国です。

「スイス」は、国の発展のため19世紀から移民の受け入れを積極的に行い、現在約830万人の約4分の1が外国人です。この移民に関するテーマは、国内外で議論され続けています。

ちなみに、マクドナルドで販売される「スイス」の「ビックマック」1個の価格は、約750円で、世界で一番高くなっています。男子サッカーの「スイス」代表のFIFAランキングは、2018年6月では「6位」です。

本記事は、2018年8月10日時点調査または公開された情報です。
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